一刀、曹操軍へ
ここまでくるのに長くかかりましたがようやく一刀が華琳の仲間になります
現代にてマスター一刀という名で名声を上げているエンターテイナー・北郷一刀
彼は突然飛ばされた謎の世界で初めに三人組の賊と出会い、そして次は少々のトラブルはあったものの星達三人組と出会い
そして更に次に一刀が出会ったのは華琳という名の少女であった。
とりあえず荒野で話をするのはあれなので場所を変えて一刀から話を聞くことにした華琳達一行であった。
華琳「さて、ここならいいでしょう。では改めて聞くけどその… 」
と、ここでまだ自己紹介をしていないことに気づいた。
一刀「俺の名は北郷一刀。一刀って呼んでくれ。あとさぁ、こっちからちょっと聞いていい? 」
華琳「何よ? 」
一刀「さっきから君達が呼んでいるのって真名だよね 」
華琳「あら、見ず知らずの世界に来たって言うわりには真名については知っているようね 」
一刀「まぁね 」
先程の星達の一件で真名について学んだ一刀
一刀「さっきから言ってるのって真名だろ。そしてそれを俺が言ったら首を落とすんだろ 」
春蘭「当然だ!それだけでも足らないくらいだ! 」
一刀「なら真名をいうわけにもいかないから君達の名前を教えてくれない? 」
確かに一刀の言う通りであった。
華琳「確かにそうね。わかったわ、私は曹操孟徳。陳留の刺史をやっているわ。曹操と呼びなさい 」
春蘭「私は華琳様の右腕である夏侯惇元譲だ。夏侯惇と呼べ! 」
秋蘭「私は夏侯淵妙才。夏侯淵と呼ぶがよい 」
ここでようやく彼女達の名前が判明したのだが
一刀「(ま…マジかよ!?) 」
彼女達の名前が三国志の登場人物と同じなことに驚く一刀
ちなみに刺史とは官職名であり、街の政を行い、治安維持に従事し、不審者や狼藉者を捕らえ、処罰する務めであり、分かりやすく言うと警察と役所を足して2で割ったようなものである。
だが
一刀「あれっ?曹操って確か魏の王じゃなかったっけ? 」
春蘭「魏だと?何をいっている!華琳様は陳留の王だ! 」
と言い返す春蘭であったが
華琳「春蘭、ちょっと黙りなさい! 」
春蘭「か…華琳様!? 」
そんな春蘭を黙らせる華琳
華琳「一刀、あなたさっき間違いなく魏って言ったわよね 」
一刀「そうだけど。それがどうかしたの? 」
一刀が聞き返すと
華琳「どうして知っているの?魏というのは私が将来国につけようと候補にしていた一つなのに!他人はおろかここにいる春蘭達にすら話してないのよ 」
春蘭「何ですと!?それを知っているとなると華琳様、もしやこいつ、妖術使いなのでは!? 」
一刀「違う違う!? 」
話が進むにつれ、勝手に妖術使いにされている一刀
一刀「俺は妖術使いじゃなくてエンターテイナーだってば!? 」
春蘭「円盾否?訳のわからぬ言葉を使いおって!!やはり貴様、妖術使いか!! 」
一刀「違うっての!!分かりやすく言えば奇術師なの! 」
秋蘭「きじゅつし?それは一体どのようなものだ? 」
この世界ではエンターテイナーはおろか奇術という言葉すらないらしい
一刀「簡単に言うとみんなを楽しませたり、驚かせたりするんだよ。何なら披露してやるぜ 」
スッ!
そう言った一刀はバッグからトランプを取り出すと
一刀「その札の中から俺に見えないよう一枚選んでみな 」
華琳「わかったわ 」
渡された一組のトランプ(ジョーカー込みで53枚)の中から華琳が選んだのは
華琳「これよ 」
スッ!
ハートのAであった。
一刀「よし。それじゃあ 」
スッ!
華琳からトランプを受け取った一刀はそのトランプを元に戻すと
ジャララーッ!!
春蘭「おぉっ!? 」
物凄い早さでトランプをシャッフルした。
すると
一刀「曹操、あんたが選んだのはこのカードだろ 」
ビシィッ!!
一刀は山札の中から見事華琳が選んだハートのAを引き当てた。
華琳「なっ!? 」
春蘭「ぐ…偶然だ!?まぐれに決まっている!? 」
まぐれでも53枚のトランプから同じトランプを引き当てるのは奇跡に近い気がするのだが
一刀「こんなのまだ序ノ口さ。これくらいで驚いてもらっちゃ困る 」
ちなみに種明かしだが
一刀はトランプに残っていた華琳の気を感じて引き当てただけであった。
華琳「成程、あなたの奇術とやらはわかったわ。それで本題に戻るけどあなたが出会った賊の顔は覚えてる? 」
春蘭のせいで大きく脱線してしまったが話は戻るのだった。
春蘭「何だと!!誰のせいだって!! 」
秋蘭「姉者、誰と会話しているのだ? 」
春蘭「そういえば誰であろう? 」
それはともかく置いといて
一刀「あぁ、単純な顔だったし、三人共共通の服装だったから覚えてるぜ。ところで奴らは一体何を盗んだんだ? 」
一刀の質問に
華琳「南華老仙の古書よ。真の名は太平要術。使い方によってはあらゆることができるという秘術の書。まぁ賊達に扱いきれる代物じゃないんだけどね 」
華琳はそう答えるのだった。
春蘭「華琳様!?こんな奴にその事を言わなくても!? 」
華琳「私の勝手でしょ。それより一刀、あなたの真名を教えなさい 」
一刀「えっ? 」
華琳「あなたには奇術を使って人を集める才がある。私が雇ってあげるから町で奇術でもしなさい 」
とんでもないことを言う華琳
秋蘭「華琳様!? 」
春蘭「こんな弱そうな奴を軍に加えるのですか!? 」
華琳「あら、私が無能な輩は軍に加えないのはあなた達も知っているでしょう。一刀は見た感じは普通だけど私の見立てじゃ武力はかなりのものね 」
華琳は一刀の強さを感じ取ったのかもしれない
一刀「わかった。知らない地でこのまま放浪するわけにもいかないし、仲間に加えさせてもらう。それで真名なんだけど、俺の世界じゃ真名なんて習慣はなくてね、強いて言えば一刀が真名に当たるかな 」
一刀がそう言った直後
華琳「!? 」
秋蘭「なっ!? 」
春蘭「何だとぉっ!? 」
華琳達は驚いた。
春蘭「つまり我々は貴様の真名を言いまくっていたわけなのか!? 」
一刀「そういうことになるだろうけど、俺は別に気にして… 」
一刀が続けて言おうとしたその時
華琳「気に入らないわ! 」
一刀「えっ? 」
突然華琳が叫んだ。
華琳「この私が知らなかったとはいえ気安く真名を呼んでいただなんてね 」
一刀は別に気にしていないが華琳のプライドが許せないらしい
華琳「なら一刀、私の真名・華琳をあなたに預けるわ。これでお相子ね 」
一刀・春蘭・秋蘭『えぇーっ!? 』
この後、華琳様が預けるのならば仕方がないが私も預けてやるという理由で春蘭が真名を預け
姉者が預けるのならばという理由で秋蘭も預けるのだった。
そしてその後、一刀は華琳の拠点である陳留に連れられるのだった。
この小説での一刀設定(後に変更あり)
武力:原作以上
精力:原作並み
服装:フランチェスカ学園の制服、ショーの衣装
持ち物:マジックグッズの入ったバッグ。背中に背負った鎖の巻かれた剣
暗殺者・千として名を馳せていたがある出来事によりエンターテイナーへ。手先が器用で気の使い手