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トリック・オア・トリート

定番の季節ネタです

それは一刀が華琳の命で黄巾党の本拠地へ向かう前のある日の出来事であった。


桂花「華琳様、次の件ですが… 」


秋蘭「こちらにつきましては… 」


春蘭「兵達の調子ですが… 」


華琳「わかったわ 」


華琳達がいつものように仕事をしていると


バタンッ!!


扉が開かれ、中に布を被った誰かが入ってきた。


華琳「あなた、誰なの? 」


華琳が入ってきた人物に聞くと


?「華琳様、取り付くお茶碗釣糸〜!! 」


バァッ!!


現れた人物は『取り付くお茶碗釣糸〜』という意味不明な言葉を発し、お化けが描かれた姿をさらした。


その直後…


春蘭「うぉーっ!!この化け物め、華琳様に何をするかーっ!! 」


バッ!!


春蘭がお化け目掛けて得物の七星餓狼を降り下ろした!


?「うわぁーっ!?春蘭様、ボクですよ!ボクっ!! 」


春蘭「私にお化けの知り合いはいないーっ!! 」


春蘭から必死で逃げるお化けであった。


秋蘭「落ち着け姉者、声を聞けば誰だかわかるだろう!! 」


春蘭「声だと? 」


秋蘭に言われた春蘭がお化けの声を思い出し


バサッ!!


お化けは布を外すと


季衣「ぷはーっ!?危なかった〜!? 」


そこには季衣の姿があった。


春蘭「何だ。季衣だったのか、それならそうと先に言え! 」


季衣「言いましたよ!!春蘭様ったらもうっ!! 」


本気で春蘭に殺されかけた季衣であった。


華琳「それより季衣、さっきの取り付くお茶碗釣糸〜って何なの? 」


華琳は先程季衣が発していた謎の言葉について聞くと


季衣「知らないんですか?兄ちゃんが今日は波浪雨引(はろうういん)という仮装するお祭りだって町中で叫んでましたよ 」


華琳「波浪雨引? 」


さすがの華琳も何を言っているのかわからなかった。


春蘭「訳のわからぬ言葉を広めるだなんて、あいつもとうとう馬鹿になったか 」


桂花「既に馬鹿になってるあんたに言われたくないでしょうけどね 」


春蘭「何だと!! 」


華琳「二人共、黙りなさい! 」


騒ぐ二人を黙らせる華琳


華琳「秋蘭、一刀は今日何をしてるかわかる? 」


秋蘭「今日でしたら警羅が休みなため公演していると思われます 」


華琳「そう。ならちょっと様子を見に行きましょうかね 」


そして一刀の様子を見に行く華琳達であったが


バァンッ!!


そこは長蛇の列ができていた。


華琳「しばらく様子を見ていなかったけどまさかこれ程とはね 」


さすがの華琳も驚くしかない


すると


凪「本日に限り、お子様には無料でお菓子をお配りしています 」


沙和「とっても美味しいなの♪ 」


真桜「まだまだあるから安心してや! 」


華琳「あの声は! 」


列の中から真桜達三人の声が聞こえ、近づいてみると


真桜「おや、華琳様やないですか 」


凪「皆さん勢揃いで何かご用でしょうか? 」


沙和「もしかしてお菓子をもらいに来たなの?残念、お菓子はお子様にしかあげないなの 」


バァンッ!!


そこには悪魔のコスプレをした真桜


フランケンのコスプレをした凪


そして魔女のコスプレをした沙和がいた。


春蘭「何だその格好は!? 」


真桜「はろうぃんの衣装でっせ、ちなみにウチは悪魔です 」


真桜と魔王をかけた単なる一刀なりのシャレである


凪「私は『ふらんけん』というものです。隊長が私ならこれが一番似合うとおっしゃったので 」


その理由が傷だらけなのと特技が拳闘だということを一刀は教えていない


沙和「沙和は魔女っ子なの♪かわいいなの♪ 」


こちらは単なる似合うという思い付きである。


華琳「はろうぃんね、それより一刀は何処にいるの? 」


凪「隊長でしたら中で公演中です 」


真桜「満員やけど特別席がありまっせ♪見ますかいな? 」


この後、何だかんだ言いながら中の様子が気になるので特別料金を払いながらも入る華琳達であった。


桂花「華琳様にお金まで払わせたのだからつまらなかったらあの男を殺してやりましょう! 」


秋蘭「そういえば桂花は初めて見るのかもしれないな 」


男嫌いな桂花が一刀の公演を見に来るはずがなかったりする。


春蘭「北郷の公演は久し振りだな 」


季衣「楽しみですね春蘭様♪ 」


華琳「さて、見せてもらおうじゃないの 」


そしていよいよ公演が始まろうとしたその時


フッ!


設置されていた蝋燭(ろうそく)の火が消えると


ボワァッ!!


巨大なカボチャの明かりが出現し


一刀「トリック・オア・トリート!! 」


バァンッ!!


カボチャから吸血鬼のコスプレをした一刀が現れた。


華琳「とりっく・おあ・とりーと? 」


ハロウィンで言う『お菓子をくれなきゃイタズラするぞ』という意味であり、最初に季衣が言っていた『取り付くお茶碗釣糸』である。


一刀「レディース&ジェントルメン!マスター一刀のショーへようこそ!本日はハロウィンということで特別ショーを始めたいと思います 」


パチンッ!


一刀が指を鳴らすと


ボワァッ!!


ケケケッ!


空を飛ぶ小さなカボチャが出現し


ササーッ!!


観客目掛けて向かっていった。


桂花「ひ…ひぃっ!? 」


春蘭「こ…このぉーっ!! 」


ブォンッ!!


向かってきたカボチャ目掛けて七星餓狼を振るう春蘭であったが


すかっ!!


春蘭「あれっ? 」


春蘭が繰り出した攻撃はすり抜けてしまった。


秋蘭「落ち着け姉者、これは幻だ 」


春蘭「ま…幻だと…!? 」


エンターテイナーである一刀は小さいものなら幻を見せることが可能なのだ。


華琳「なかなかやるじゃない 」


その後も一刀のショーは盛り上がっていき


一刀「それではまたの機会をお待ちください! 」


めでたくショーは終わった。


桂花「あの男、普段はろくでもないけど意外とやるじゃない。普段はろくでもないけどね 」


大事なところなため二度言う桂花


春蘭「わ…私は別に怖くなかったぞ!? 」


そう言いながらこの中で一番盛り上がっていた春蘭であった。


季衣「見れてよかったですね華琳様、この波浪雨引ってのは今日限りだそうですよ 」


華琳「へぇ 」


一応ながらハロウィンを理解した華琳であった。


一方


一刀「ほい三人共、手伝ってくれてありがとう。これは報酬な 」


売り上げを四分割して凪達に渡す一刀


凪「隊長、私達は別にお金のためにやったのでは… 」


真桜「やったー! 」


沙和「隊長ったら太っ腹なの〜♪ 」


受け取りを断ろうとする凪とは違ってもらう二人であった。


凪「二人共!! 」


一刀「まぁ凪、俺はいいからさ。手伝ってくれた報酬なわけだし 」


凪「しかし… 」


真桜「凪、もらえるもんはもらっといた方が特やんか 」


沙和「こういう時は逆にもらっておかないと失礼なの〜 」


凪「うっ…!? 」


沙和の意見も正しかったりする。


一刀「それじゃあ、また明日にな 」


真桜「はいな! 」


凪「失礼します 」


沙和「さよならなの〜 」


そして一刀達は解散し、ハロウィンの夜は過ぎるのだった。


たまにはオチのない話もどうでしょうか?

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