黄巾党、恐怖の逃走劇!?
黄巾党出現の話を聞いて秋蘭と季衣が先に街へ向かった。
街には真桜、凪、沙和が率いる大梁義勇軍が善戦しているが黄巾党の方が数が多いため苦戦してしまう。
そしてついに倒された凪が剣の一撃を食らいそうになったその時
一刀「俺の名はマスター一刀!通りすがりのエンターテイナーさ! 」
危機を察して一足早く街に着いた一刀が黄巾党達から剣を奪い、凪を助けたのだった。
だが
ズキィンッ!!
一刀「いてっ!? 」
相手が悪党とはいえ窃盗なので悪いことをすると発動する呪印・ペンタゴンが発動し、一刀を頭痛が襲うのだった。
秋蘭「やはり北郷だったか 」
季衣「あんなの兄ちゃんくらいしかできませんもんね 」
真桜「あーっ!!あいつは!? 」
沙和「真桜ちゃん、あの人と知り合いなの? 」
一刀の姿にみんながそれぞれ反応したのだった。
黄巾党「テメェ!よくも俺達の剣を盗みやがったな! 」
一刀「賊が盗まれただなんてよく言うな。俺はマジックも多少できるから相手の目を盗んで盗むくらいできるんだよ 」
更に幼少時、一刀は大人から窃盗を繰り返していたため盗むのは簡単だったりする。
一刀「それに俺は盗んだんじゃなくて借りただけだ。すぐお前らに返してやるよ。だけどその前に… 」
スッ!
一刀は構えると
一刀「レディース&ジェントルメン!これよりマスター一刀による逃走劇を始めたいと思います 」
やはりレディース&ジェントルメンと言わないと調子が出ない一刀であった。
黄巾党「こいつ、さっきから何言ってんだ? 」
黄巾党「『ますたー』だか『れでぃーす』だかわけのわからねぇ言葉使いやがって!テメェなんか素手でボコってやる! 」
スッ!
剣を奪われた黄巾党達は素手で一刀を攻めようと迫るのだが
一刀「おっと皆さん、攻めるのは結構ですがまず自分の胸の左側をご覧ください 」
黄巾党「あんっ! 」
黄巾党達は一刀に言われたように胸の左側を見てみると
バンッ!!
そこにはいつの間にかダーツの的があった。
実は一刀、剣を盗むと同時に黄巾党達にダーツの的をつけたのだった。
黄巾党「何だこれ!? 」
黄巾党「と…取れねぇ!? 」
的は左胸に縫い付けられているかのように取れなかった。
これが一体何なのかというと
一刀「では続いてこちらをご覧ください。こちらにあるのは皆さんの胸にあるのと同じマジックアイテム・パーフェクトダーツでございます 」
スッ!
一刀は黄巾党達の胸にあるダーツの的と同じものを取り出した。
一刀「これが一体何なのかとございますと 」
シュッ!
一刀は懐からナイフを取り出し、適当に上目掛けて投げると
くるっ!
上に投げられたナイフが突然方向を変え
グサッ!!
的の真ん中を貫通して突き刺さった。
一刀「このようにありとあらゆる投げられたものを真ん中に当てることができるのです 」
黄巾党「それがどうしたってんだ!! 」
頭の悪い黄巾党達は話を理解していなかったが
秋蘭「成程な。北郷め、意外とえげつないことをするものだ 」
季衣「えっ? 」
ここにいるメンバーで一番頭のいい秋蘭は一刀の狙いに気付いたようだ。
一刀「さて、では私の手には先程皆さん達から借りた剣がたくさんあります。ですがもう必要ありませんので皆さんにお返ししましょう 」
黄巾党「やっとかよ! 」
黄巾党「あれっ…? 」
全員ではないがいくらかの黄巾党達が気付いたようだ。
いま、黄巾党達の胸には投げたものを的に命中させるパーフェクトダーツがある。
そして一刀の手には黄巾党達から奪った剣が人数分ある。
そこから導き出される答えは…
一刀「それでは、どうもありがとうございました! 」
シュシュシュッ!!
奪った剣全てを適当に投げる一刀
くるっ!!
そして投げられた剣はパーフェクトダーツに反応して
シュシュシュッ!!
黄巾党達の左胸につけられたダーツ目掛けて襲いかかる!
しかもダーツはちょうど心臓の真上につけられていた。
つまり…
黄巾党達『うわぁーっ!? 』
シュシュシュッ!!
一刀が投げた剣が黄巾党達の心臓目掛けて襲ってくるのだ!
黄巾党「に…逃げろ!!死ぬ気で逃げまくれ!? 」
ダダダーッ!!
もう少しで街を支配できるところだったが、死ぬよりマシとばかりに黄巾党達は街を捨てて逃げていった。
シュシュシュッ!!
黄巾党達『うわぁーっ!? 』
だが多少逃げたところで逃げ切れるわけがなく
黄巾党「い…行き止まりだ!? 」
バンッ!!
適当に逃げていた黄巾党達は行き止まりに遭遇してしまった。
シュシュシュッ!!
黄巾党達『ひいぃーっ!? 』
逃げられない黄巾党目掛けて剣が襲いかかってくる!
黄巾党ももはやこれまでかと思われたその時
ぴたっ!!
カチャンッ!!
黄巾党達『へっ!? 』
何と!?さっきまで黄巾党達を追いかけていた剣が刺さる途中で止まり、落ちたのだった。
すると
一刀「おーっと残念時間切れ。逃走劇は黄巾党の勝ちのようです 」
実はパーフェクトダーツは制限時間があり、それを過ぎるとただの的となり、向かっていたものも追いかけなくなるのだった。
黄巾党「こ…この野郎脅かしやがって!!テメェら、もう一度街を攻めるぞ! 」
気力を取り戻した黄巾党達は再び街を攻めようと思うのだが
一刀「それは無理です。何故なら俺の目的は最初からあんたらの抹殺じゃなくて時間稼ぎだったからな 」
黄巾党「時間稼ぎ?一体何の… 」
するとその時だった。
春蘭「うおぉーっ!!我が名は夏侯惇!黄巾党を滅ぼしてくれる!! 」
ドドドォーーッ!!
ようやく陳留軍の本隊がやって来たのだった。
黄巾党達『ひ…ひいぃーっ!? 』
迫る剣から逃げることに力を使い果たした黄巾党にもはや戦う力は残っていない。
この日、一部とはいえ黄巾党は陳留軍に倒されたのだった。
マジックアイテム
・パーフェクトダーツ
適当な場所に貼り付けると、その的の中心目掛けて繰り出されたものを引き寄せる。ただし制限時間がある。本来はナイフ投げに使用するもの




