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お手柄季衣の願い

大陸の各地にて突如出現した黄巾党


黄巾党を討伐するために各地の領主達は動き出すも黄巾党をなかなか討伐することができなかった。


もちろんそれは一刀のいる魏とて例外ではなく、華琳の頭をもってしても、精々黄巾党の首領の名が張角というだけであり、姿は頭に角が生えた三メートルを越す大男という人間離れした人物という情報しかなく、その程度ならば他国も情報を入手していたりする。


そして連日連夜、兵達や武将達は黄巾党が出現する度に出撃しては逃げられるということが繰り返されていた。


一刀「いやぁ、みんな大変だなぁ 」


ちなみに一刀は厳密には武将ではないため出撃してはいない


桂花「暇人のあんたと違ってみんな忙しいのよ!あんたの役目は精々みんなの邪魔にならないことよね 」


一刀「へいへい 」


桂花の言葉を軽く流す一刀


そしてその日、行われた軍議にて


華琳「また黄巾党が現れたわ。出撃するから準備なさい! 」


華琳がそう言うと


季衣「華琳様!ボクに行かせてください! 」


バッ!


季衣が真っ先に手をあげるが


華琳「あなたはダメよ季衣 」


即座に却下された。


季衣「どうしてですか!?ボクが弱いからですか!? 」


季衣は華琳に対して抗議するが


華琳「季衣、あなた最近そうやって一番に名乗りあげてるじゃない。少しは休みなさい 」


季衣「で…でも!? 」


華琳「わかったわね! 」


ギロッ!


季衣「はい。わかりました… 」


華琳に睨まれ、渋々納得する季衣であった。


そして軍議終了後


季衣「はぁ… 」


城の屋上にて季衣がため息を吐いていた。


季衣「華琳様、どうしてボクに行かせてくれないんだろ。ボクはいつだって元気なのにさ 」


季衣が呟いていると


一刀「ここにいたか 」


季衣「兄ちゃん! 」


そこに一刀が現れた。


一刀「季衣は最近黄巾党迎撃に対して一番に名乗り出ているな 」


季衣「だって黄巾党は悪い奴らなんでしょ!ボクは悪い奴は許せないからさ 」


季衣の故郷は賊の襲撃を受け続け、村を守るはずの領主が一番に逃げたのだった。


そのため季衣は弱い人を守るという気持ちが人一倍あった。


一刀「でも華琳は意地悪で季衣を待機させたわけじゃない。最近春蘭達も忙しいだろ 」


季衣「うん 」


一刀「だけど人間は疲れるもんだ。そんな時に黄巾党が出現したら疲れきった春蘭達じゃ危険すぎる。だからその時のために体力が万全な季衣が待機しておく必要があるんだ 」


季衣「そうか 」


一刀の説明で自分が何故残されたのか一応納得する季衣


季衣「ありがとね兄ちゃん♪お礼にボクが歌を歌ってあげるよ 」


すると季衣は


♪〜♪〜♪〜♪〜


何やら歌を歌い出した。


一刀「へぇ、うまいじゃないか季衣 」


季衣「えへへっ♪ 」


一刀「聞いたことない歌だけど自分で考えたのか? 」


だとしたら季衣には作曲の才能があるのかもしれないのだが


季衣「違うよ。この間、街で公演していた人達の歌を覚えただけだよ 」


一刀「へぇ、そんな人がいるんだ 」


季衣「確か名前は張角… 」


季衣が張角という言葉を出した直後


一刀「季衣!それって本当に張角って言ってたのか!? 」


一刀が驚いた感じで季衣に近づいた。


季衣「ほ…本当だよ!?どうしたの兄ちゃん!? 」


迫る一刀に驚く季衣


すると


一刀「季衣!今すぐ華琳のところに行こう!すごい発見をしたかもしれないぞ! 」


季衣「えっ? 」


季衣には何が何だかわからないが、とにかく一刀についていく季衣であった。


そしてその結果…


華琳「季衣、お手柄よ 」


華琳から誉められた。


桂花「まさか張角が旅芸人だなんて驚きですね 」


華琳「おそらくこの情報は我が国しか得ていないはず、他国よりいい情報を得たわ 」


自国が他国よりも優れたことを喜ぶ華琳


そんな華琳は


華琳「季衣、お手柄としてご褒美をあげるわ。何でも言いなさい 」


季衣「何でもいいんですか? 」


華琳「もちろんよ 」


この場にいる春蘭以外のみんなは季衣のことだから食べ物を要求するだろうと思っていたが


季衣「じゃあ、ボクを次の討伐隊に加えてください! 」


バァンッ!!


季衣の願いはみんなの予想を超えた。


あの季衣が食べ物を要求しないだけでも驚きである。


華琳「わかったわ。では明日、秋蘭と共に出撃しなさい 」


季衣「わかりました! 」


そして次の日、黄巾党出現を聞いた季衣は秋蘭と共に出撃した。


それから一日後


春蘭「なにぃっ!!秋蘭が私を置いて季衣と討伐に向かっただと!!北郷、貴様何故止めなかったんだ!! 」


ぐいっ!!


一刀「と…止められるわけないだろうが!? 」


戻って早々、秋蘭と季衣が出撃したと聞き、それを止めなかった一刀の首を絞める春蘭


春蘭「華琳様、二人が心配です!我々も早く向かいましょう! 」


この言葉に華琳は


華琳「確かにいつものように逃げる黄巾党を追うだけならもうそろそろ戻ってきてもいいはず、それがないってことは二人に何かが起きたのかもしれないわね。わかったわ。明日、全軍で行きましょう 」


春蘭「わかりました! 」


華琳「桂花は出撃の準備をなさい 」


桂花「かしこまりました! 」


一刀「あの華琳、全軍ってことは俺も? 」


華琳「あら、私は全軍って言ったはずよ 」


武将ではない一刀も黄巾党討伐のため向かうことになったのだった。


そして次の日になり、出撃するのだが


春蘭「夜が明けた!出撃するぞ! 」


払暁(明け方)に出陣となったのだった。


一刀「眠い… 」


春蘭「寝るなっ!! 」


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