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第八話 レイディアント

魔法魔術学校レイディアントは、約6000人もの生徒達が日夜魔術や魔法を勉強している所である。その三分の一が他国から留学してきた人たちで、そのものたちのために寮などの施設もあり、息抜きとしての娯楽施設などもなぜか用意されている。


 一説によると、校長の趣味だとか何とか…………まあ、それは置いといて。レイディアントは、校舎の周りをぐるりと魔法城壁で六角形のように囲まれている。そして、その六角形と同じように六つの塔がある。上からシャイレスト―火の塔、右に行くとシルフィーネ―風の塔、右下はアクレリア―水の塔、下がアイスレスクレイン―氷の塔、左下はガリルレギオン―地の塔、左上がサンダロウス―雷の塔、そしてそれら六つの塔の中央に位置するところにレビリエムとミルテリアス―光と闇の塔がある。これらの塔には、精霊王の名前が付けられており、それぞれの塔にはその属性が強い生徒達が住んでいる。


 しかし、光と闇の属性をもつものは現在いないため大広間として使われている。そして、この大広間では入学当初にどの塔に行くか決めるための属性選別儀式が行われる。レイオスも、この儀式を行わなければいけないため、現在、何人かの生徒が光と闇の塔で儀式のための準備をしていた。


 「お〜い、そこもうちょい右。いや、左かな?」


 一人の気のよさそうな少年が指示を出す。


「は、早く決めてくれ。これ、お、重すぎ……」


 指示を出された一人の少年が、100キロはあるのではないかというぐらい、重そうなものを抱えて右へいったり左へ行ったりしていた。


 「ねえ、椅子が何個か足りないわ。先生に言って教室からもらってきて」


 「それより、ろうそくがまったくねえぞ! これじゃ、選別式おこなうとき真っ暗闇じゃねえか」


 「それよりってなによ! 椅子が足りなかったら、座れない人が出るんですからね」


 「ろうそくのほうが大事だろうが! 真っ暗やみの中じゃ選別式も行えねえだろう」


 一人の少女と一人の少年がどちらが先に持ってくるかの問題でけんかになっている。


 「なに、やる気? 受けて立つわよ」


 「ほおう、おもしれえじゃねえか」


 二人の両手に魔力が集まりだす。そして、二人同時に声を出した。


 「「勝負!!」」


 「やめなさい! あんたたち、こんなところで戦おうとしないでよ」


 その時、門のほうから一人の女性が現れた。真っ赤な髪、真っ赤な目、そして服には生徒会長を示すエンブレムが付いている。


 「ラ、ラピスさん……」


 「げ、ラピスかよ」


 門のほうから現れたのは、魔法魔術学校生徒会長ラピスだった。そうとう、疲れているのか、眼の下にクマができ、髪は手入れされた様子もなくボロボロになっている。どうやら、校長のお仕置きが相当長かったらしい。


 「あんたら、ここはもういいから、マカロン先生の所に行ってやって。あの人、誰かがいないと何もできないから」


 そういうと、今まで喧嘩をしていた二人は、すごいスピードで大広間を後にした。


 「さてと、アシル! テイル! 準備はどう?」


 二人が言ったのを確認すると、ラピスは気のよさそうな少年―アシル・ホーネンスと荷物を持ってうろうろしている少年―テイル・ロスウェーに向かって話しかけた。ちなみに、アシルとラピスは幼馴染である。テイルとは同じパーティーのメンバーだ。


 「間に合うとは思うけど…………そんなに豪勢にはできないよ。なにせ、時間がないからね」


 アシルは、やれやれと首を振った。肩のあたりまで伸びた銀色の髪が揺れる。


 「別にそんなに豪勢でなくていいわよ。そんなにいないんだし。あ、テイル、その荷物やっぱりいらないわ。5階の倉庫に置いてきて」


 「ま、まじっすか」


 テイルが、あんぐりと口をあける。それもそのはず。荷物の重量は、約100キロ。そして、五階までの道のりには階段がいくつもある。体力自慢のテイルでもこれはきつい。


 「いいから行きなさい」


 (やれやれ、こりゃ行くしかねえか)


 テイルも、ラピスが何をされてきたのか知っているため、迂闊に反論できないのだ。反論したら、魔術を使おうとするし。


 「そういえば、ラピスは今日入ってくる人を見たんだろ。どうだった?お前の眼から見て」


 「どうって、何が?」


 「ほら、顔はかっこよかったとか、性格はどうとか、武器は何を使うとか、属性は何かとか、いろいろあるけど」


 うーん、とラピスは首をかしげた。


 「それが属性だけはよくわからないのよ。顔はまあまあで、性格は……ガキね。武器は剣を使ってたわ。それも刀身が無い代物。あれ古代の産物じゃないかしら」


 「なに、刀身がないだと!?」


 テイルが驚いて、手に持っていた荷物を落としてしまった。その瞬間、この世のものとは思えない悲鳴が響き渡った。


 「ぎゃあああああああああ!!」


 テイルは驚いて持っていた荷物を落としてしまった。無理もない。テイルは、レイディアントのなかでは数少ない『イスキューオー』(純血の戦士族)なのだ。戦士にとって剣は命。そのため、珍しい剣の話を聞くと興奮してしまうのだ。


 「イツツ……で、どんな感じの武器なんだ?サイズは?剣の種類は?特殊能力とかは?喋ったりしないの――――」


 「うっさい!」


 「プギャア!」


 ラピスが放ったかかと落としがテイルの頭に一直線。とても嫌な音をたててテイルは崩れ落ちた。


 「まったく、剣のことになるとうるさいんだから」


 「まあ、許してやりなよ。悪気はないんだし」


 アシルがラピスをなだめる。昔からこの立場は変わっていない。


 「で、その新しく入る人はどこにいるんだい?」


 アシルはテイルを机の上に寝かせるとラピスに聞いた。ああ、それならとラピスは窓のほうへ向かって指をさした。


 「あそこ!?」


 ラピスが指さす方向、そこには第八代校長―ラピスにお仕置きをした外見天使、中身デーモンの私室があった。

〜レイオスとレムエムの魔術講座〜

レイ「はい、ってことで、この魔術講座も三回目になりました」


レム「今日は、レイオスも使っている古代の産物について説明するぞ」


レイ「あれ?ちょっと待てよ。昨日の続きじゃないのか?:


レム「精霊界のことを人間に詳しく話すのは禁止されているからな。勘弁してくれ」


レイ「しゃあないな」


レム「まず、古代の産物とは何か教えよう」


レイ「古代の産物とは、俺たちがいる時代より何百年も前、魔術が今より強力だったころ、魔術や魔法を使えない者たちのために作りだしたものが古代の産物なんだ」


レム「古代の産物の中には、今となっては役に立たないものばかりだが、有名な古代の魔術師などが作ったものなどは特別な力があるといわれている」


レイ「俺の剣は、魔力の流れについて研究していた魔術師が作り上げたものらしい。だから、刀身がなくても、魔力を込めれば刀身が出るような仕組みになっているんだ」


レム「他にも、火を噴き出す剣や魔力を吸う盾などいろいろなものがあるが、詳しいことはよく分かっておらんのだ」


レイ「古代の産物についてはこんなところかな。実際のところ、自分もよくわかんないんだよな」


レム「それでは、今回はこれでお開きにするぞ」


レイ「なんでお開きって言葉を知ってるんだよ・・・ま、それはさておきこれからもローン・ウルフをよろしくお願いします」

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