第六十五話 ペッタンペッタンツルペッタン
先に言っておきます。女性のみなさまごめんなさいm(_ _)m
「はぁ〜〜……」
ため息をつきながら取っ手を握って木製の扉を開ける。扉を開けると、朝から焚いていた魔術の儀式用に使う香料の匂いが部屋中に充満していた。
……………部屋を出る前に消しとけばよかったかも。
そう思いつつ、部屋の中央に置いてあった香料を取り上げる。そしてすぐさま机の上に置いてある小瓶の中に放り込むと、しっかりと封をしてソファーに投げ捨てた。次に火を得意の風で吹き消し、ついでにその場に散らかっていたゴミも風で開いてあった窓の外へと吹き飛ばす。
「うわっ、ゴミが落ちてきた!」
「きゃあっ!……なによこれ、変な匂いがするわ」
……気にしたら負けよ、私。そう、気にしたら負け。
昨日から眠らずに仕事をこなしたせいか、眠気がピークに達し文句を言う奴らを叩きのめす気も起きない。
そんな物騒なことを考えながら、ラピスは服をその場に脱ぎ捨てるとベットに潜り込んだ。
ひんやりとした冷たさが体に伝わって疲れを取り除いてくれる。本当はお風呂に入ってから寝たかったのだがいかんせん、そこまでの力は残っていない。
「眠い……とにかく眠い〜〜。生徒会長ってなんでこんなにめんどくさいのよ……」
基本、塔ごとの催し物に関しては生徒会長は飾りものや出店の際に使用する金額を計算してそれに見合った量を渡すのが仕事だ。だが、今回は校長自らが催し物に何かあを出店するらしくそのせいで自身もかり出される羽目になったわけだ。校長が使う経費を出すためにほかのクラスの出し物から騙し騙しお金をネコババしたり、机やイスにテーブルクロスなど出店する際に必要な物を各塔から借り、暇な人を捜してはシルフィード・ランスを押しつけ校長の出し物にボランティアで出るよう言ったり。
「もうだめ………。それに、どこにいったのよあいつ」
寝返りをうって仰向けになり天蓋をみる。今日、ずっとさがしていたはずなのに結局見つからなかったわ……。
「アシルもレイラもいないし、テイルに至っては武器の補充だとかいって町の工房に出かけてるし……ああもう!なんでこう言うときに限って皆いないのよ」
帰ったら絶対に仕返ししてやる。アシルは言葉で責めればいいわ。テイルはシルフィード・ランスで。レイラは…………うん、あのにっくき胸でも揉んでやろう。
ふと、レイラの豊満すぎる胸を思い出し自分の胸をみてみた。
「……………」
まな板、ならぬぺったんこ。とまではいかないものの、十分無いに等しい。いや、あるとは思う。自分の目線からでは難しいが手で鎖骨のあたりからおへそのあたりまですぅっと下に滑らせていくと確かに隆起があるのがわかる。身体測定では異例のA−とか言われたけど自分はAはあると思う。絶対に。っていうか、A−とかもはや胸無いじゃないの!
「……男ってでかい方が好きなのかな」
もにゅ。
小さい物の弾力は普通の胸と変わらない。いや、考えようによっては大きい胸より弾力があっていいんじゃないかな。
「……………レイオスは、どうなんだろう」
ふと、そんな思いが脳裏をよぎった。ガリルレギオンの塔で地下迷宮に落ちたとき、レイオスはラピスの胸にのしかかるようにして気を失っていた。あの体勢であればもろに私の胸の感触が伝わったはず。なのに、レイオスはなにも言わず、それどころか文句ばっかりを言ってきた。……やっぱりレイラみたいな大きな胸が好きなんだろうか。
「……いや、確かめなきゃわかんないもんね。ようし、なんかみなぎってきたわ!」
あいつにぎゃふんといわせてやる。いや、貧にゅ……美乳が一番ってことをわからせてやるわ!
なにやら物騒な計画を練りつつ、満足したのかもう一度寝返りをうつラピス。胸どうこうの以前にレイオスは女性に対してあまり興味がないことを忘れているのだが、どうなるのかはまだわからない………。
作者はどちらも大好きd(殴