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第五十二話 戦神の太刀〜終わりは始まり〜






 世界は鞘の代わりであった







  大地は柄でできており







 我らは刀身の代わりであった







  敗北という二文字は許されず







 生涯をおいてその体は休むことはない







  進むべきであった道を切り捨て







 新たな道を切り開く者達






  

  新たな血族 新たな剣 新たな王 新たな竜







 業を背負い 思いを背負い 剣を背負い






 

 繋ぐは茨の道 されど 恐れずその道を進むがいい




         

 


















 「一閃、………………霞舞!!」


 テイルが大剣ガリオンを掴んで空を切る。その瞬間、空を切ったところから幾千もの刃が現れミルテリスに襲いかかった。


 「なっ!?」


 ミルテリスが驚愕の声を上げる。だが、すぐに冷静を取り戻し闇の翼を三度作り上げると体を覆った。

 そして、斬撃の雨がミルテリスに降り注いだ。常識では考えられない速さで襲いかかる斬撃の雨はミルテリスの闇の翼に衝突し不可解な音を立てる。闇の翼に衝突した後の刃が地面に落ちると同時に音を立てて砕け散るが、すぐに代わりの刃がミルテリスに襲いかかった。

 

 この技、そこまで大した威力はない……そう感じたミルテリスだが反撃の好機も作らせない激しい猛攻にどうすることもできずに、ただその場で防御に徹するしかない。…………だが、おそらくそれにも限界がある。徐々にだがミルテリスの体が後ずさり始める。自分で動いているわけではない、テイルが放つ攻撃によって徐々に押され始めているのだ。ミルテリスが使う闇の翼の能力は魔力吸収。そしてそのほかにも物理攻撃を防ぐ力や物体にふれた瞬間、その物体の魔力を吸収しその物体を破壊する。だが、この闇の翼はあくまでも魔力吸収を目的として作ったものだ。物理攻撃を防げるといっても、その物体と衝突したときの衝撃や余波までは防げない。だから、徐々に押され始めているのだ。


 だが、それと同時にミルテリスは腹が立った。一つは精霊である自分が人間の攻撃ごときに押されていること、もう一つはテイルが質より量だけの攻撃で自分に勝てると思っていること。でなければこのような技を続けているはずがない。






 人間風情が………………!




 「なめんじゃないわよ!サナトス・ランス!」


 怒号と同時に詠唱破棄を行い、魔術を唱える。すると、ミルテリスの上空に鋭利な形をした紫色の槍が現れテイルに向かって自動で射出された。テイルがまた新たに無数の刃を繰り出すが、サナトス・ランスは無数の刃をはじきながらテイルに襲いかかった。


 「ちっ!」


 テイルが舌打ちをして左横に飛び襲いかかってくる紫色の槍を回避する。だが、その瞬間を見計らってミルテリスは闇の翼を大きく広げ上空へ舞い上がった。そして、闇の剣を消すとお返しとばかりに先ほどはなったサナトス・ランスを大量に作りだしテイルに投げつけた。


 「いけいけいけいけいけいけえええええ!!」


 テイルが繰り出した一閃・霞舞とは違った、量では劣るものの質では比べものにならないほどの巨大でとてつもない破壊力を纏った槍がテイルに襲いかかった。


 「五の舞、輪片封華!」


 だが、テイルは大剣ガリオンを背にしまうと紫色の槍が迫っている中、両手をあわせ合掌すると次の瞬間、めぐるましいステップをし始めた。それは徐々に速さを増し、次々に襲いかかり始めたサナトス・ランスの猛攻の中を踊りながらかわした。

 

 「やるわね……なら、これでどう!?サナトス・ランス・ファイレイタ!」


 ミルテリスの上空に四本の槍が出現する。そして、ミルテリスが指を鳴らすと同時に四本の槍が円を描きながら収束し始め、巨大な一つの大槍となった。ミルテリスが右手に持っていた闇の剣を捨て大槍をつかみ、テイルに向かって投げつける。

 

 「槍の弱点ぐらい知ってんだよ!…っ、ここだぁ!」


 ステップをやめ、大剣ガリオンを抜く。そして、迫ってきた大槍の穂先に大剣ガリオンの切っ先を押し当ててわずかにながら穂先の向きをずらした。が、


 「甘いわよ、………爆ぜろ」


 瞬間、大槍に亀裂が入り爆発した。予想だにしていなかった攻撃に驚く暇もなく吹き飛ばされ、思い切り壁に背中をぶつけた。体の中で何かが砕ける音が聞こえ、一瞬息ができなくなり口から血を吐く。右肩が完全にあり得ない方向に折れ曲がっており、骨折していることがわかった。


 「っ……ぐあああぁ!」


 あまりの痛みに悲鳴を上げる。だが、すぐに体勢を立て直しポーチから回復役を二個取り出して一気に飲み干すと

大剣ガリオンを拾い、ミルテリスに向かって直進した。そして、動かすことができる左だけで大剣ガリオンを拾うとそのままミルテリスに向かって投げつけた。それと同時にポーチから札を取り出す。


 「そんな苦し紛れの攻撃なんか!」


 闇の槍をもう一本空中から生成し、自分を貫こうと襲いかかってくる大剣ガリオンに投げつける。すると大剣ガリオンと闇の槍が衝突した瞬間、先ほどと同じように槍が爆発した。大剣ガリオンが勢いを失い、ミルテリスの足下に突き刺さる。

 

 (左手だけにもかかわらずこの威力………やはり、変だわ)


 だが、ミルテリスの思考はそこで中断された。


 「八の太刀、瞬移界現!」


 テイルが手に持った札を口にくわえる。すると血が札に染み込み赤い札へと変化した。左手で口にくわえていた札を取り今度は自分の胸に張り付ける。そして大声で叫んだ。


 「我と対なす者を入れ替えよ!」


 叫んだ瞬間、テイルの体が消えた。そして、そのかわりにミルテリスの足下に突き刺さったはずの大剣ガリオンがいましがたそこにいたテイルの場所に突き刺さっていた。

 だが、驚く暇もなかった。自分の足下から発せられた殺気。顔を下に傾ける、すると小振りの剣を左手に持ったテイルがそこにいた。


 「七の太刀、連武短葬!一は終焉と同時に始まる」


 小振りの剣の刃を上にして跳躍すると同時にミルテリスに下段から上段に向かって切りつける。だが、ミルテリスの反応速度がそれより速くテイルの攻撃をかわす。

 

 「二は修羅の道を越えて交わされる」


 かわされた瞬間に小振りの剣の刃を逆に向ける。そして、体を左横に回転させるとがら空きになっているミルテリスの左側を狙って追撃した。顔面を狙った一撃。が、これもミルテリスが闇の翼を片方だけ展開することによって防がれた。だが、特別製なのか小振りの剣は闇の翼にふれても生滅することなく形を保っていた。衝撃で剣がはじかれテイルの体がバランスを崩す。


 「三は心を無にして終わりとする」


 だが、追撃の手をゆるめることはない。剣をはじかれバランスを崩したと思った瞬間、体を無理やり右に回転させ今度はミルテリスのわき腹を狙って剣を振った。


 (くっ………、間に合わない!)


 闇の翼を展開しようとするがそれよりも速く、テイルが繰り出した剣がミルテリスの右わき腹に突き刺さった。ミルテリスが悲鳴を上げる。テイルは突き刺さった小振りの剣に力を込め、そのままミルテリスを突き飛ばした。

 想像していたよりも強い力に力負けし、そのまま地面を二、三度激突しながら吹っ飛ぶとそのまま動かなくなってしまった。


 (………………やったか?)


 ポーチから砥石用の布を取り出し、完全に折れてしまった右腕に無理矢理巻き付ける。鈍い痛みが右腕全体に広がるが今はそんなことを気にしていられる暇はない。先ほどの技で氣がだいぶなくなり回復薬、札ともども数が少なくなってしまった。それに先ほど使った一閃のせいで武器の量がもうない。

 突き刺さっていた大剣ガリオンを拾い、鞘に納める。そして、先ほど竜巻の目の中で安静にさせておいたツヴァイト・レグレーベンの所へと向かう。すると、弱々しいながらも先ほどより体の傷は比較的軽くなっておりまた、魔力も多少ながらも回復しているのがわかった。


 「おい、大丈夫か?」


 無事な方の左腕でツヴァイト・レグレーベンを助け起こそうとする。だが、ツヴァイト・レグレーベンはその腕を

払うと見ろ、といってミルテリスの方を指さした。 


 「………おいおい、まだ動くのかよ!?確かにわき腹に深く食い込ませたはずだぜ?」


 そういって、大剣ガリオンを抜く。左腕しか使えない状態のせいで、地面につけたまま。そして、敵を見据える。


 



 「ふん、あんぐらいじゃ死ねないのよ。私は」


 そういいながら、ミルテリスは自分のわき腹に突き刺さっていた短剣を引き抜いた。想像を絶する痛みで声を上げそうになるが、それをこらえる。


 「くっ、化物かよ」


 「ふん、あんたも十分化け物じゃないの。空間魔法、人並みはずれた精霊と対等、いやそれ以上の筋力を持つその体。…………………あんた、本当に人間?」


 その質問にテイルは答えなかった。答えの代わりに大剣ガリオンの切っ先をミルテリスに向ける。


 「さて、どうだか。………それより、そろそろ終いにさせてもらうぜ」


 そういって、体を低く構える。そしてミルテリスから見て体を横面に動かし、両足を大きく広げ、左手で大剣ガリオンの握りを握る。そして、体を左に大きく内側にねじ込まして力を溜めた。それと同時に、テイルの左腕の筋肉が異常なほどに膨れ始め元の太さより二倍ぐらいに大きくなる。

 

 「がああああああああああああああ!!」


 どんどんどんどんどんどんどんどんどんどん、筋肉が膨張する。


 「…………………………本気、か。いいわ、私も体が限界だし決めてあげる。ただし…………その技は使わせないわよ?」


 テイルの異形なる姿を見て、ミルテリスも先ほどまでのうぬぼれを消す。そして、目を閉じ記憶の中からある技を取り出した。




 



 それは、レイオスの記憶。選別式の時に使われた光の刃。それを自分流にアレンジしてゆく。




 「全てを滅ぼす魔の波動」




 両手を大きく広げる。




 「光を食らう混沌の波動」




 両手を前に持っていく。怒りを込め、憎悪を込め、自分流にアレンジしてゆく。


 


 「光を消し去る闇の力 我が手に集いて剣とならん」




 手と手の間に黒い、とても小さな黒い塊が生まれる。それは徐々に縦に細長く延びてゆき、一本の棒と化す。


 


 「全てを屠る闇の力 この手に集いて剣となれ」


 


 それは、レイオスが使いし断罪の剣。光の王が使うことを許された闇を消し去る浄化の剣。それを闇へと変えて新たなる力にする。




 「形が剣に成りしとき 闇は全てを飲み込む終焉の道しるべとなる」




 まがまがしいほどの魔力、鋭利な刀身。断罪の剣とは違った、まったく正反対の剣。




 「剣に闇宿すとき 闇は全てを消し去る力となる」



 

 それは、本来生まれるはずのない物。




 「我が問いに答え その姿を具現化せよ」




 それは、存在してはいけない物。




 「いでよ 闇の王の破滅の刃」



 

      その名は













  「アポカリュオーネ・マグズヴォルデ・エンシュンデュラウズ!」






 闇の片鱗が姿を現した。それはミルテリスの右腕に取り付き、体の一部と化す。



 「さあ、いくわよテイル!その技を使う前に………終わらせる!」  


 そういって、ミルテリスは必ず殺す闇の剣を地面に突き立てた。と同時に、地面に陣が浮かび上がる。


 「レスビディミオス・デルカヴォルゴール!」


 瞬間、ミルテリスの足下にあった陣が消えテイルの足下に現れた。

 


 「!?」


 今まさに技を繰り出そうとしていたテイルの動きが驚きで一瞬止まる。だが、すぐにまた力を溜め始めた。


 「無駄よ、逝きなさいレズウィンド・ボルガルテ」


 












 「がっ!?」


 無数の剣が、黒い剣がテイルの体に突き刺さった。足、手、腕、肩、腹、胸全てに。


 「………………………………が……あ」


 体から力が抜ける。無数の剣に突き刺さったままのせいで体がその場で力なく崩れ落ちる。糸の切れたマリオネット人形のように。



 「………強かったわよあなた。誇っていいわ」


 もはや限界に近い量の魔力を使ったせいでいうことのきかなくなった体を押さえながらミルテリスはつぶやいた。

















 (あれ………………おれ、負けたのか?)






 意識が薄れる。






 (く、………………そ。やっぱ、やられた……のか。もろに食ら………っちまった、らしい……な………………………………やべっ、意識が……朦朧と。………………あれで、やれると思ったんだけどな……やっぱ、精霊……相手じゃ、上手く…………いかねえか。………………………………やっぱり、だめ………なの……か………)

 



















     違う。










 



 







 力を振り絞る。守る、それが己の立てた存在意義。守れなければ、上には仲間達が………ラピス達がいるんだ。一度止まりかけた脈動がいきなり活発になる。体が熱を持ち、頭の奥が熱くなる。


 









 仲間。居場所のなくなった俺にできた新しい友達。新しき居場所。














 「殺すために戦うんじゃない、勝つために戦うんじゃない。






    守るために戦うんだ」






 誰がいった言葉だったろうか、遠い昔、誰かが、そう誰かが俺にいった言葉だった。その頃はわからなかった、その意味が。勝つ、そうしたら自分に仲間ができる。ほめて貰える。強くなれる。そう思っていた。だけど、










 今ならわかる。その意味が。









 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」





 










 足に力を込める。手に力を込める。肺に力を込める。心臓に力を込める。腕に力を込める。心に力を込める。思いに力を込める。血管がちぎれようと肺がつぶされようと筋肉が引き裂かれようと命がなくなろうと関係ない。ただ、力を込める。それが自分にできる精一杯の悪あがき。













 力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を込める力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を力を!!
















 守るための力を込める!

















 「俺は!負けられねえんだあああああああ!!」


 何かにひびが入る音がした。そして、テイルを貫いていた無数の闇の剣が見るも無惨に砕け、そして消える。それと同時にテイルを囲っていた陣も跡形もなく消え去った。


 「なっ!?そ、そんな馬鹿な!」


 信じられない、そんな目で目の前の光景を凝視する。自信の中に眠るレイオスの記憶から作り出した断罪の剣をアレンジした破滅の剣。レイオスの体を借りているのとレイオスの魔力が自分の中で使えるためこの剣を作れた。その強度はただの魔力も通っていない武器では壊せるはずもなく、ましてや生身の人間が気合いどうのこうので壊せる代物ではない。壊せるのは魔力を通した武器、それも最上級の魔力を込めた武器。そして精霊だけだ。なのに、この男は………………テイルは………………



 「があああああああああああああ!!」


 テイルの二回目の怒号とともに、完全に闇の剣が全て砕けてなくなる。そして、大剣ガリオンを拾うと右腕を天に願うように大きく掲げた。


 「俺は、イスキューオー!古より伝わる最強の戦士!俺の体に流れる血よ、今、その鎖を解き放て!俺の名は、第36代目イスキューオー頭領。そして最後の一人、テイルロスウェーだあああああああああ!!」


 瞬間、天に届かんばかりの叫びとともにテイルの右腕が一瞬にして元の状態へと戻った。あり得ない方向に曲がっていた骨は正しき位置に戻り、筋肉は結合され骨と骨の間は瞬時に融合し神経は前にもまして強靱になる。

 それと同時にテイルの髪が輝き始める。青く青く青く蒼く。光を纏った蒼い髪は美しく艶があり、この世のものとは思えないほど神秘的だった。


 「天に隠れるは怪しき神 地に降り立つは心優しき竜なり」


 右膝を前に出し、しゃがむ。左足を後ろに下げる。両手を前に持っていき、顔を覆い隠す。目をつぶり、心を無にする。


 「心優しき竜 仲間を連れて天へと向かう 天に隠れし怪しき神 力を以て竜と戦う」


 大剣ガリオンが宙に浮き、テイルの目前の地面に突き刺さる。両手を大剣ガリオンの刀身に合わせる。


 「一人一人崩れゆき 残るは優しき竜一人のみ 涙流れるその眼 写すは仲間の力」


 少しずつ、刀身に触れながら柄へと両手を上げてゆく。触れた箇所の紋章が光を放ち、徐々に刀身が黄金色へと変わってゆく。


 「怪しき神に降り注ぐ 守る力を携えた 一騎当千の優しき竜 力をその牙に宿し 一陣の刃となる」


 両手が大剣ガリオンの握りに触れる。ゆっくりと目を開き、握りしめる。


 「今 その優しき竜となりて向かわん 力の象徴その身に宿し 我を通して心を宿せ!」


 大剣ガリオンを引き抜き、そしてその体勢のまま上半身を左足のつま先を意識して左斜めに大きくねじり込ませる。切っ先を左足の横に並べ、息を深く吐きそして止める。


 「………………あと一回だけ言うことを聞きなさい。レイオスの体、たとえ傷を受けたとしても元通りにして返して上げるから」


 そういって、必ず殺す闇の剣を構える。そして、微量ながらも空気中に残っていた魔力を一つ残らず吸い尽くす。私の魔術でほとんど消えたと思ったにも関わらず、思っていた以上の魔力が自分の体の中に入る。


 「………………いいこね。………………………………いくわよ、テイル!」


 最初の目的はツヴァイト・レグレーベンをできる限り傷を負わせレイオスに体を返すはずだった。だが、逆に倒したばかりか今度は蒼い髪の男テイル、消えたはずのイスキューオーと戦っている。





    おもしろい。




 「この剣の真髄は、触れることで発動される!」


 闇の翼を大きく広げる。後は、全力を以て戦うのみ。






 「いくぜえええ!!神地蒼竜第一の牙、守牙!」


 


 「いけええええ!!ガルズ・バルヴァン!」


 






 




 


 叫ぶと同時に二人は突進した。テイルは大剣ガリオンを地につけたまま、ミルテリスは必ず殺す闇の剣を突き出したまま。


 「があああああああああああああ!!」


 「はあああああああああああああ!!」


 ミルテリスが大きく跳躍した。そして、サナトス・ランスを無詠唱で一発放ち闇の翼を羽ばたかせ上空から襲いかかる。

 

 「ガルズ・バルヴァン!」


 必ず殺す闇の剣を突き出す。サナトス・ランスによる目くらましから派生した上空からのガルズ・バルヴァンによる一撃。これがミルテリスに残された最後の力。残りの力はレイオスの体のためにとっておかなければならない。


 「うおおおおおおおおおおっ!!」


 だが、テイルはサナトス・ランスを無視してそのままミルテリスめがけて跳躍した。サナトス・ランスがテイルの右腹をかすめる。だが、かすめたはずの右腹は一瞬にして元の形へと戻った。


 (超高速再生……っ!)


 ミルテリスが舌打ちをする。


 「だけどっ!空中じゃこの剣はかわせないわ!」


 必ず殺す闇の剣をテイルの顔面に向かって突き出す。かすり傷だけでも負わせれば私の勝ちーーー!


 



 「俺はっ、お前に勝つ!!」


 テイルが大剣ガリオンを左に振るった。瞬間、ミルテリスの必ず殺す闇の剣の刀身に大剣ガリオンを当てる。


 (なっ、き、軌道が!?)


 「守牙は守りの技だ!このくらいわけねえんだよ!」


 左に振るった大剣ガリオンを力で制す。そして、













 「食らええええええええ!!!!」





 蒼い竜の牙が、ミルテリスを貫いた。

皆さん、こんにちは。イソです!ついに、テイル編も次で終わりとなります!いや〜〜、長かった………………今回は少々長くなってしまいましたので一話だけの更新となっております。申し訳ございません。


追記:どうでもいいことなんですが、自分、FC2でブログを始めました〜〜。もしひまであれば見てください。


http://ison110.blog84.fc2.com/blog-entry-1.html


が自分のブログです。小説の更新や自作絵、日記などいろいろ書くつもりです。もし、感想などがありましたらそちらに書いてもらうと原動力になりますです!それじゃあ、さようなら〜〜!

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