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第五十一話 戦神の太刀〜我は戦を求める〜

 「くぅ……!」


 「ちぃ……!」


 こいつ、強えな。一回刃を交えただけでテイルはそう感じた。女性とは感じられぬ剛力。女性の筋肉で離し得ない、一瞬にして自分との間を詰めるばね。これが精霊の力というのだろうか。なんにせよ、警戒するに越したことはない。

  


 それに……………………













 「でけぇ…………」


 「ふぅぅっ!ん…………何か言ったかしら?」


 「いや、何も言ってねえよ!」


 ばれないように大声で言い返すが、ミルテリスの目を見る限り信じてはいないようだ。


 (しっかし、この大きさは反則だろう……)


 上段中段下段、左横右横いたるところから剣撃が繰り出される。それを、大剣ガリオンで穂先をいなしながらテイルは考えていた。


 (ちょっと怒ってたんで容姿までみていなかったから気付かなかったけど……かわいいじゃん。プロポーションも抜群だし)


 戦闘中にあるまじきことを考えるテイル。変態とは言わないでいただきたい、テイルもれきっとした成人男性なのだ。


 (あ〜あ、こうやって敵対することなんかなかったら真っ先にプロポーズするんだけど)


 そう思いながらも、大剣ガリオンを横に一薙し後ろに後退すると牽制代わりにどこから取り出しかのか小さな短剣を二本ほどミルテリスに向かって投げつけた。


 「ちっ!」


 投げてきた短剣を闇の翼ではたき落とす。だが、その一瞬の隙をついてテイルは足に氣をため地を蹴って宙を飛ぶ。そしてポーチから札を二枚取りだし、


 「六の舞、雷鳥天幻!」


 一枚目の札を宙に設置する。すると、札が黄金色に輝きだした。続いて、二枚目の札を自分の右腕に貼り付ける。そして地面に着地した瞬間、足に溜めていた氣を解放し一瞬でミルテリスの懐に潜り込んだ。


 「くっ………守れ、闇の翼!」


 闇の翼を展開し、防御態勢に入る。


 (早い……!少々侮っていたわね)


 人間でありながらこの速さ、そしてこの瞬発力。ふつうではあり得ない力をこいつは持っている。もしかして、こいつ…………


 テイルの右拳が闇の翼に当たる。じりじりと少しずつ手が焼ける感じがするがそんなことを気にしないかのようにテイルは渾身の力を込めた。

 その瞬間、上空に設置してあった黄金色の札がよりいっそう輝きを増した。そして、黄金色の札と呼応するようにテイルの右腕に貼り付けてあった札が青く輝く。呼応する二つの札が徐々に輝きを増し頂点に達した瞬間、上空に設置してあった黄金色の札から耳をつんざくような音とともに雷が落雷となってテイルの右腕に直撃した。

 驚くミルテリスをよそに、テイルはそのまま闇の翼に右拳を当て続け、そして叫んだ。


 「砲牙雷拳!」

 

 轟雷、普段であれば拡散するはずの雷。それを強制的に一点に凝縮させた一撃。札によって大気中の魔力を集め落雷を起こす。それが砲牙雷拳だ。

 威力は中級魔術より少々高めの中の上。こんな至近距離でぶっ放せば精霊であろうと体に風穴があくはずだ。

 



 だが、テイルはミルテリスの力をまだ知らない。




 「……………やったか?」


 一点に凝縮された雷のせいで一時的に視界がせばまる。だから、本当に当たったかどうかはこの光が収まるまでわからない。が、テイルは自分の右拳を通して確かな手応えを感じていた。この技であれば、どんな防御でもその防御を貫いて相手に攻撃することができる。

 視界が開ける。その場に倒れていることを予想していたテイルは右腕の札を剥がしてミルテリスが倒れているはずの場所へ近づいていった。技の反動で右腕がしびれ動かないが、この様子であれば勝てるはずだ。


 「くっ…………、いってえ!こんの技、どうにかなんねえのかよ。メリットよりデメリットの方が多い気がするんだけど……」


 愚痴をこぼしつつも、右腕に氣を集中させて回復を図る。この技を使うと、相手の防御を貫いて攻撃できるかわりに自分の右腕が衝撃で一定時間の間使えなくなってしまう。使えなくなってしまうといっても、腕自体がその機能をなくしてしまうのだ。


 「さてと、これが終わったらレイオスの飯でも食べにいく……………………まじか」


 視界が開けた。だが、いるはずの場所にミルテリスはいなかった。










 「相手の力量も知らぬうちに飛び込むなんて……まあ、確かにあなたが強いのは認めるわ。だけどね、それだけじゃ私には勝てないわよ」


 背後から声が聞こえた。おそるおそる後ろを振り返ってみると、先ほどより魔力が増加しているミルテリスが闇の翼を大きく羽ばたかせながら空中で静止していた。


 (……ありえねえ。確かに俺の砲牙雷拳はヒットしたはずだ。何か仕掛けがあるのか?……魔力拡散、いやそれなら俺の右腕にまとっていた雷があたりに霧散して小規模のスパークを起こすはずだ。それじゃあ魔力反転……はありえない。それなら俺の体に直接帰ってくるはず、あと考えられるのは………………………まさか)


 「どう?私の力の正体、わかったかしら」


 テイルが考えているのをみて、ミルテリスが笑う。その整った顔立ちで笑う姿は、男供を虜にしてしまいそうなほどの誘惑を持った笑みだ。だが、テイルには悪魔が笑っているようにしか見えない。


 「………………魔力、吸収か?」


 「へえ、理解が早いわね。正解よ、テイル……だったかしら。なかなか頭の回転が速いじゃない、見直したわ」


 手をたたいてよくできました、とほめるミルテリスをよそにテイルは大剣ガリオンに手をかける。

 

 「そりゃどうも。……しっかし、チートな能力だなそれ。魔力吸収とか、魔術系は全滅かよ」


 「あら、そうでもないわよ?私の魔力吸収量を越える魔術を連続でぶっ放せば私にダメージを与えれるわよ?できればだけどね」


 「へっ、それじゃあこれなら食らうんだな?」


 大剣ガリオンをミルテリスに突きつける。だが、ミルテリスは臆すことなく闇の翼を消し地面におりたった。


 「食らえばの話だけどね」


  瞬間、テイルが飛ばした三本の短剣を闇の剣でたたき落とした。

  テイルが舌打ちをして、手を収める。


 「…………お前、名前は?」


 大剣ガリオンを腹の辺りにまで持っていき、抱えるようにして体を内側に丸める。腰を深く落とし、体重を足に乗せ、自分の思いを拳に集め。


 「私の名前は、……ミルテリス。闇の精霊、ミルテリスよ」


 「そうかい、なら…………ミルテリス。次はこの技を受けてみな。この技を受けて今と同じセリフが言えるかどうか……試してやる!」


 「あら、人間風情が試してやる、なんて。いい度胸じゃないの、試してご覧なさいな」


 「じゃあ、いくぜ」


 テイルの試してやる、という挑発にミルテリスが食いつく。すると、テイルはにやりと笑って大剣ガリオンの柄をきつく握りしめた。


 













 「一閃、………………霞舞!!」




 




 刹那、幾千もの刃が斬撃となってミルテリスに襲いかかった。

皆さんこんにちは〜イソです"(  ´   ▽   `  )ノ"ちわぁ


今回は、前回の話が短かったのでもう一つ投稿しました。いや〜〜あと2話でぐらいでテイル編も終わりか〜〜・・・・・・・・・・・・長っ!

 ああ〜、早くコメディーパートを書きたい(泣)ってか実際はもう書いているんですけどねwwただ週一更新に決めたんでそれを破るのはどうかと思ってまだ出してないんです。まあ、もうすぐ出るので楽しみに(?)に待っていてくださいです。

 あ、次の更新ですがもしかしたらまた二話連続投稿などするかもしれません。




 それじゃあ、□_ρ(ー`*)オチッ♪ε=ε=ε=ヽ(*´Д`)ノ~バイバイ

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