表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/70

第四十八話 戦神の太刀

 「馬鹿野郎!頼むんなら面と向かって言え!」


 


 眼前に広がる業火から現れた蒼い竜、いや大剣ガリルレギオンを持った、ここに来たときに広場の中央に倒れていた男が煉獄の業火の中から現れた。



 あれは、何?


 先ほどまでガラクタ当然だった代物。そう、大剣ガリルレギオンが淡い光を帯びていた。それに応じて、テイルの体も淡い光を帯びている。


 なぜかはわからない。ただ、あの光はいやな感じがする。

 

 「闇を引き寄せし淵の餓鬼たちよ 主の名に従い我が敵を冥府へ送れ バゲガドゥ・オズヴァイーア・エルズーラ!」


 直感的にテイルを危険と判断したミルテリスが、闇の剣で空中に陣を描き呪文を唱える。すると、陣から暗黒色の液状の物体が溢れ出た。それは、徐々に何かの形をなし変形し始めた。


 「んだ、あれ?」


 ツヴァイト・レグレーベンを片手で抱えながら上空のドームにある突起部分をもう片方の手で握って体を支える。ツヴァイト・レグレーベンの体にはおびただしい切り傷があり、また魔力を探ったところ生きているのか?と、疑問に思うぐらい魔力が消耗していた。


 (ひでえ…………)


 なんとか、安静にできる場所を探して休ませねえと……。


 だが、ミルテリスが唱えた呪文を見てそんな時間がないことを悟った。

 陣から溢れ出た暗黒色の液状の物体は、もはや液状ではなくある形を作りミルテリスを守るようにそびえ立っていた。


 「おいおい、なんだかよくわからねえけどこれってやばいんか?」


 額に冷や汗がでる。武器を取ろうにも両手ともふさがっていてどうすることもできない。どうにか工夫すれば戦えないこともないが、陣から出た奴は両手でなければ倒せそうにない化け物だった。


 


 「ブルアアアアアアアアアアア!!」


 2メートルはある巨躯の化け物が現れた。外見は人とさして変わらない形をしている。だが、暗黒色の肌や鉄などの金属などに見られる光沢、大木の幹ほどもある足。顔の二倍以上はある両腕。赤い眼孔を宿した狂目。血なのかはわからないが、黒い物がこびりついた青い長髪。その全てが、人ではなく化け物と認識させられる。

 また、背中には翼?らしきものが生えており、上下に羽ばたかせながら空中に浮いている。そして、何より特徴的なのがその巨大な右腕に持っている武器。

 巨大な岩石からそのまま削りだしたような原始的な石斧。自分の身の丈ほどもあるその石斧は、一度食らえばそれだけで体が真っ二つに切り裂かれそうなほどのイメージを醸し出している。


 「うっそーん!?」


 予想だにしていなかった化け物の登場に、恐怖を通り越して笑いがこみ上げてくる。

 

 やべえ…………すごく、大きいです。


 「って、んな冗談を言ってる暇ねえよ!」


 急いで突起部分から手を離す。そして、一度ツヴァイト・レグレーベンを空中に放り投げると大剣ガリオンを抜き、両手で持つ。


 「三の太刀、風到震渦!」


 大剣ガリオンを業火の海に向け、回転させる。そして、氣を両手に集中させながら解き放った。



 轟ーー!


 

 一陣の風が、竜巻となって業火の海と衝突した。氣の力が付加された竜巻は煉獄の業火に圧されることなく周り続けた。そして、大剣ガリオンを背にしまうと上に放り投げていたツヴァイト・レグレーベンを両手で持つ、というよりキャッチするとそのまま竜巻の目に降り立った。腰にあるポーチから回復薬を二個ほど取り出し、ツヴァイト・レグレーベンの口に含ませる。


 「ぐっ、ごふ……がはっ!」


 だが、衰弱しきっていたツヴァイト・レグレーベンは回復薬を飲み込めなかった。せき込み、口から回復薬が流れ落ちる。


 「ちっ、飲めねえか。しゃあねえ、ちょいと荒療治になるが……」


 テイルはそう言うと、ポーチから札を取り出した。サブトヴァズと戦ったときに使った札と同じ物だ。

 それをツヴァイト・レグレーベンの顔、腹、そして自分の胸に貼り付ける。


 「四の舞、水枯繰雷!」


 札が光を纏った。ツヴァイト・レグレーベン顔の札は黄色に、腹の札は青に。そして、テイルの胸に貼り付いている札は上半分が黄色に、下半分が青色に光輝いていた。

 

 光が一段と輝きを増した瞬間、それは起こった。


 「うっ……」


 回復。

  

 魔力が潰えたはずのツヴァイト・レグレーベンの傷が、瞬く間に直っていった。

 が、それと同時にテイルの呼吸が荒くなり魔力の量が愕然と減る。


 「くう……こんの野郎、かなりの魔力を取りやがって」


 テイルが行った技は、自分の魔力を相手に分け与える技だ。札に封じ込めておいた雷の精霊によって自身とツヴァイト・レグレーベンの魔力回路を一瞬だけ直結させ、そして水の精霊によって魔力を送るという荒療治技だ。もちろん、地の属性を持つツヴァイト・レグレーベンだからこそできた技。レイオスなどの他の属性を持つ者にこの技をやったら、いろんな意味でやばいことになる。


 「ブルアアアアアアアアア!!」


 青い髪の化け物が吼えた。心臓をも凍てつかせるような深く、そして殺気を込めた声。


 くる……!


 大剣ガリオンを抜き、両手で構える。腰を深く落とし大剣ガリオンの切っ先を地面につけ、氣を練る。

 心が躍り出す。強敵、ただそれだけの存在だけで体の筋肉が喜びをあげ敵を殺せと騒ぎだす。

 


 テイルは目を閉じた。脳裏に浮かぶ、白い世界でみた男。それは自分。力を使うことをおそれ、周りの目ばかりを気にしていた軟弱な自分。今、その自分に終止符を打つ時。


 


 父上、今こそ守る者のために我を解放するとき。お許しください……



 




 「我はイスキューオー……」





 

 生まれる大地に墜ちた一族






 「地に逆らいしは守るためなり」






 墜ちてなお戦い続ける一族






 「力を得しは守るためなり」






 ただの一度も敗走は許されない






 「意志を強くし友を尊え」






 古より伝わりし剣を複製し





 

 「我が願うはただ一つのみ」






 古き剣と融合させ形と成し






 「我が名はテイル・ロスウェー」






 守る者のために剣をとれ







 「宴の始まり戦の始まり我を解いて力としよ」








 戦の大地 今 蒼き竜となりて駆け抜けん






 「我は…………戦神なり!」



 


 守るために、ただひとえに守るためだけに力を振るう。そのために俺は生きている。自分の命など関係ない、守る人をただ守り抜く。そう、









 仲間のために。






 

皆様、こんにちは〜〜イソです"(  ´   ▽   `  )ノ"ちわぁ


え、文字数が少ない?しょうがないじゃないか!アニメに夢中になってたんだよ(殴



え、え〜すいませんです。はい。調子に乗ってました。


さて、テイル編ようやく主役のテイルが出てきましたね。いや〜、これだけ出すのにどんだけ時間がかかってんだか…………すいません。


来週の更新なんですが、自分、ちょいと羊蹄山に上ってくるんでもしかしたら金曜日に更新するかもしれません。山……v(´  ・   ω   ・  `)vピースピース♪いいよね、山って。なんだか原始に戻るみたいだよ。


あ、それとこれはどうでもいいことかもしれませんが自分、「みてみん」という絵の投稿サイトの方でブログを始めました〜〜。「イソ」って検索すれば出ると思います。ちなみに、このミテミンというサイト。小説家になろうのうめさんが管理しているとかなんとか。まあ、小説家になろうがやってるんで安全な場所です。一度寄ってみてはいかがでしょうか?

 ブログの主な内容としては、更新報告・ネタ話・他者の面白い小説の紹介などなど・・・・・・をやりたいと思っています。もし、見てもいいという方がいらっしゃるのであればぜひ見ていってください!


それでは、ばいちゃサヨーナラー(_´Д`)ノ~~.。・:*:・゜`☆、。・:*:・゜`★*

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ