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第四十二話 始まりの時

はい、連続投稿です。まあ、これも文字数が少ないですが(汗



 「………………ここは?」


 白く光輝く木と黒く輝く木が密集している森、その場所にレイオスはいた。辺りを見回すとなぜか、レイオスがいる場所だけ木々がなく、不思議な魔力の流れが感じられる。先ほどまでいた場所と違って、今、レイオスがいる空間は殺伐とした雰囲気の場所だ。


 「俺、エディスト・ハウレグスに心臓を貫かれたはずじゃ……!?」


 あわてて自分の胸を見る。だが、心臓を貫いたはずの傷はなく、そのかわり、今までなかったものが浮かび上がっていた。


 黒い紋章。胸を中心として半径10センチほどの黒い模様がレイオスの体に刻まれていた。


 「これは?」


 軽く触ろうと腕を動かす。が、その時レイオスはあるもう一つの不可解な点に気が付いた。


 「右腕が、ある?なんでだ、確かに切り落とされたはずなのに」


 何をされたのか、反応することもできずに切り落とされたはずの右腕。その右腕が、まるで幻のように自分のところに戻っていた。

 恐る恐る、右腕を動かしてみる。上、下、左、右、回転。少し力を込めると腕の筋肉が盛り上がり、手をゆっくり握ったり開いたりしてみると何の痛みもなく反応し、動かすことができた。


 「動く…………幻じゃあないのか」


 レイオスはもう一度、自分がいる場所を見た。白く輝く木と黒く輝く木、その他には何もなくただ、不思議な魔力を感じるのみ。


 どうしようか、と迷っているときだった。


 「やっと来てくれたのね」


 そのとき突然、背後から声が聞こえた。あわてて後を振り向くが、誰もいない。


 「こっちよ、こっち」


 今度も、背後から声が聞こえた。後ろを振り返ってみても誰もいなかった。だが、先ほどまで白い木と黒い木しかなかった場所にあるものがあった。しかし、レイオスがいる場所からではそれがなんなのかはよくわからない。ただ、黒い点でしかない。

 

 「…………行くしかないか」

 

 不思議に思いつつも、レイオスは黒い点の場所まで歩いていった。



















 「これは…………」


 たどり着いた先は魔術陣か魔法陣かはわからないが、見たこともない陣が白い石に刻まれている場所だった。周りはまるで何かを取り囲むように五角形の白い石柱が八本立っている。その石柱には一人の女性と男性が彫られており、仲が良さそうに手を握りあっている。だが、その女性のところだけが黒い石でできていた。

 

 「なんだよ、これ…………」


 次に、レイオスは中央に置かれている、いや、元々あったのだろう物をみた。


 あったのは、女性の石像だった。背中には対なる翼が四つ生えており、何かに救いをさしのべるように手を開いて差し出している右手には黒い、とても黒い玉が乗せられている。だが、左手にはそれとは逆に怒りを表すように拳がきつく握られていた。そして、その右手には力を表すかのようにとても白い剣が握られている。服は、白いローブで覆われており、顔は少々細めの眼をしている。だが、顔立ちは整っていてとてもきれいな女性の像だ。


 「これ、どっかで見た気が…………気のせいか?」


 陣の中へ入ってみる。一瞬、何かが起こるのではないかと思ったが、特になにも起こらず陣の中にはいることができた。


 と、その時


 「ようこそ、レイオス・ウォーリア。光の王、あなたがここに来るのをずっと待っていたわ」


 突然、石像の口が動きレイオスに喋りかけた。そして、今までまばゆいばかりに白かった石像が胸のあたりから徐々に黒い色へと変わっていった。


 「がっ!?」


 いきなりだった。体が、レイオスの体が、胸に現れた紋章が徐々に広がり始めていた。石像に呼応するように、徐々に、徐々に体が紋章で覆われる。腕、足、手、顔、すべてが紋章で覆われる。


 



 レイオスは感じた。闇が、漆黒の闇がレイオスのすべてを覆うのを。


 


 「ようやく、出てこられたわ。礼を言うわよ、レイオス」


 (体が、動かない……!)


 体の言うことが聞かない。誰かに操られたかのように、腕が少しずつ、自分の意志とは関係なく動く。そして、完全に黒い石像となってしまった右手の玉にレイオスの右手が触れた。冷たくもなく、温かくもなく、ただ





 恐怖・憎悪・嫉妬・怠惰・傲慢・憤怒・強欲、さまざまな闇がレイオスの頭の中に流れ込んできた。











 「あ、ああ、う・・・・・・うわああああああああああ!!」


 意識がかすむ。体が崩れ落ちるのが薄れゆく頭の中でもわかる。


 「それが、あなたの力よ」


 薄れゆく意識の中でその声は聞こえた。女性の声。どこかで聞いたような懐かしい声。


 「さあ、目覚めなさい」


 とても、温かくて心地よい感情が流れ込んだ。とても昔に感じた感情。それは、レイオスに喜びを教え、悲しみを教え、感情を教えてくれた母の感情。なぜ、この者がこの感情を持っているのだろうか?だがそんなことはもう、どうでもよくなっていた。ただ、この感情に浸っていたい。そう思ったとき、レイオスの感情が完全に消え去った。

















 目の前で眠るように意識を失ったレイオスを見て、彼女は微笑んだ。まるで、我が子に対する感情のように。だが、彼女はすぐに感情を押し殺した。今まで、レイオスが生まれてからいままで、こういう日があったときのために準備を行っていたのだ。自分の感情だけでこの儀式を失敗することは許されない、絶対に。


 「そうでしょう、レイオス」


 しゃがみ込んで、レイオスの頬をそっとなでる。愛おしく、優しく、それでいて悲しみを含んだような動き。




 「始めましょう、あなたに力をあげる。もう二度と誰にも負けないように。そして…………





  私と一つになるために」





 心が混じりあう。感情が交じりあう。思いが混じりあう。力が混じりあう。すべてが混じりあう。






 すべてが溶け、全が一となった。

 ども〜、こんにちは。イソです。連続投稿の第二弾でしたね。まあ、文字数が本当に少ない……(泣


 さて、今、更新を毎週月曜日の夕方頃にしているんですが毎週土曜日に更新日を変えたいと思っています。決めたばっかりなのに変えるのは、読者様方に大変失礼だとは思うのですが諸々の事情により、土曜日にしかパソコンを触れなくなってしまったんですよね(泣


 ですので、次回から毎週土曜日に更新したいと思っています。


 作者の勝手な都合により、読者様方に多大な迷惑をかけることをお詫び申し上げます。


 誠に申し訳ございませんでした!

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