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第三十一話 パクリ疑惑

 どのくらい時間が過ぎたのだろうか。20分から時間は数えていないが相当な時間がたったのは確かだ。開けた場所に出た途端、デルフィナが急に立ち止まった。


 「……ここが、あなたの望むものがあるところよ。普通は入れないんだけど、あなたは特別。私に勝ったからね」


 そこは、円形状の広場のようだった。中央には、円形状の花壇がありその中央にはレイディアント学園の校章が刻まれた透明なクリスタルが天井から降り注ぐ魔法の光で、内部が光の乱反射を起こしている。その影響で、辺り一面はクリスタルから発せられる無数の光の束で彩られていた。

 その花壇を囲むように、世界一の白さを誇るラスレド石で作られた見事な長方形の腰掛けいすが設置されている。本棚には、複数の本を取るときに先に持っていた本を一時的に置いておく机のようなものも設置されていた。


 「勝ったって言われても……、頭を思い切り蹴ってしまったけどな」


 「あれは痛かった……」


 「す、すまん……」


 「いいわよ。あれは、私も悪かったし」


 だが、女性を手加減せずに蹴ったというのは忘れようがない事実だ。レイオスは、普段はそんなことはしないのだが、戦闘となると感情が乏しくなって女性でも手加減せずに蹴ってしまう。それが、レイオスの悪いところでもある。


 「ほら、そんな顔しないで。男女平等は良いことよ。女だから手加減するって言うのは、下浅な輩がすることよ。だからその分、あなたはいい方よ」


 そんなものなのか…………


 人の考えというのは人それぞれ違うらしい。ラピスなら絶対、手加減しないと殺すわよ、みたいな考えを持ってそうだが。


 「…………それにしても、なんて膨大なほんの量だ。こんなにあるなんて、どうやった集めたんだ?」


 近くの本棚から、一冊抜き出して本の表紙を見ながらデルフィナに聞いた。お金の簡単な稼ぎ方〜禁じられた呪文……後で借りようかな。


 「私もそれはよくわからない。ただ、一年に一度、大量の本が大陸全土から集められるの。ほかの大陸からも集められるから、ここの蔵書数は年々増える一方よ」


 (そんなに金があるなら、お金に困ってる人に寄付しろよな。特に俺とか。特にレムエムとか。特にラスカの一匹狼にとか)


 「それは大変だな」


 心の中ではそう思ってはいるが、それを口に出すようなへまはレイオスはしない。


 「ええ。そのせいで、私の仕事も増えてばかり。だから、授業もでれないことが多いわ」


 デルフィナが思い出したようにため息をついて、本棚から小さな本を取りだした。


 「これが、あなたが探してる本よ。本当は、管理人の私と校長、そして先生だけしかみれないんだけどね」


 デルフィナに差し出された小さな本を、レイオスは持っていた本を元の本棚に戻して受け取った。


 「レイディアント学園〜古代より伝わる塔の守護者と暗号の謎………………って、もろそんまんまじゃねえか! 絶対、こっからパクったな!」


 憤りを感じながら、本を開き内容を見る。その間、デルフィナは周りの本棚からめぼしいものを取り出していた。山積みにされていく本が、レイオスのすぐ後ろにあるとはレイオス自身全く気づいていない。どんどん積み重なっていく本は、重力の法則に耐えられずぐらぐらと危なっかしく揺れている。


 「ふん〜ふう〜ふふ〜ん」


 どんどんどんどんどんどんどんどんどんどん、デルフィナが放り投げた本がきれいに積み重なっていく。レイオスは本に熱中しているため、気づいてはいない。デルフィナはというと、本を探すのに熱中し始め、積み重なっていく本の高さも忘れている。


 「……………………よし、なあ、デル。この本、借りてもいいか―――」


 そのとき、レイオスは見た。天高くそびえる本の山を、そしてその本の山がレイオスの方に傾いているのを。そして、デルフィナが鼻歌をしながら未だ本を積み上げているのを。


 「…………へ?」


 間抜けな声が出た。もし、アシルたちがここにいれば笑っていたかもしれない。それぐらい、間抜けな声だったのだ。


 ついに、臨界点を超えたのか本の山が少しずつレイオスの方へ傾いてきた。急いで立ち上がり、逃げようとするがとどめとばかりに、デルフィナが本を数冊本の山へ投げる。ちなみに、デルフィナは本が傾いていることなど気づいてはいない。


 「ちょっ、待て、この本の量はやばいだろ! あっ、ぎゃああああああああ!!」


 目前へと迫った、本棚を見て叫ぶ。だが、その叫びは落ちてくる本の雪崩にかき消されてしまった。


 「ふん〜ふふう〜ふふん〜ふん〜」


 雪崩が起きても、気づかずに後ろに本を投げ続けるデルフィナ。レイオスの叫びも気づかず鼻歌をし、なおかつ図書館の管理人というのに本を投げている。

 

 「ふふふふん〜ふん〜ふんふんふう〜ふっ」


 怪しげな歌を鼻歌で表現している。そして、未だに積みあがる崩れた本の山の下でレイオスは気絶していた。それから数分後、レイオスがデルフィナに救出されたのは辺り一帯の本棚に収まれていた本がほとんど、レイオスの上におかれた後であった。

 ……え、文字数が少ない?そんな馬鹿な〜〜…………すんません。これしか思いつきませんでした。

 で、でも大丈夫ですよ!たぶん……ま、まあそれはおいといてと、三十話で言ったと思うんですが、合計アクセス十万越えを記念して何かしたいと思っています。


 1、一気に十話掲載


 2、挿絵挿入

 

 3、皆様が考えたストーリーを外伝として書きます


 の、どれかです。どんどん、投票(?)してください!お待ちしております!

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