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きらきらのかいぶつ

作者: 俐月

 


 先生に言われた。


「君の笑った顔は、お星さまみたいにきらきらしてるね?」


 よくわからなくて、ぼくは首をかしげた。


「ぼくの顔は、お星さまじゃないよ?」


 先生は、ちょっとこまったみたいにわらった。

 ぼくは、とうぜんのことを言っただけなのに、どうしてこまったんだろう。


 きらきらってことばだけが、

 ぼくの頭のなかに、ずっとのこっていた。


 ゆめに、きらきらってかいぶつが出てきて、

 ぼくをおいかけてきた。


 ぼくはいやになって、

 きらきらをやっつけることにした。


 そのまえに、

 きらきらの正体を見つけないと。


 朝おきて、ごはんを食べながら見るテレビにも、

 学校に行くまでのみちにも、

 友だちがもっている物にも。


 たまには、教科書にだって、

 きらきらは出てくる。


 もうすぐクリスマスだから、

 外にはきらきらのツリーもたくさんあるし、

 夜には、先生がぼくの顔と同じだと言った、星もある。


 ぼくがやっつけたい、

 きらきらは、どれなんだ。


 先生のことばを思い出した。


 ――もしかして、

 ぼくの顔が、ひかってたってことかな。


 家のせんめんじょで、かがみをのぞいてみた。

 あのときみたいに、にっとわらう。


 でも、やっぱり、

 ひかってなんかいない。


 それからも、

 たくさんのきらきらを、

 何日も何日もさがして、見つけたけど、

 わからなかった。


 きらきらたいじに、むちゅうになっていたら、

 二学きが、もうすぐおわりそうになっていた。


 友だちと、

 しばらくのあいだ、会えなくなるなぁ。


 そう思って、

 ぼくは、ゆうきを出して、

 すきな女の子に、こえをかけることにきめた。


「か、か、かぜ、ひかないでね!

 三学きも、なかよくしてね!」


 だれかとはなすたびに、

 したをかむぼくを見ても、

 かのじょは、からかわない。


 そんなところが、すきだった。


 今日も、かのじょはわらった。

 うれしそうに、大きくわらった。


 そのとき、

 むねのおくが、ぱっとした。


 ――きらきらだ!


 ひかっているわけじゃない。

 でも、たしかに、

 きらきらして見えた。


 それから、ぼくは、

 また、さがしはじめた。


 おとうさんと、おかあさんが、はなしているとき。

 クリスマスプレゼントをもらったときの、

 ぱっと、はじけるみたいな、

 むねのあったかさ。


 年まつ年しの、にぎやかなじかんに、

 はつもうでを行きかう、

 人たちの顔。


 年があけて、

 ひさしぶりに会った、友だち、そのもの。


 よく見ると、

 ぼくのまわりには、

 ぼくの思う、きらきらが、

 たくさんあった。


 ――こんなに、きらきらが、あったんだ。


 よくわかんないから、

 やっつけようとしてたし、

 やっぱり、よくわかんないけど、

 これは、いいものなんだ!


 そうして、ぼくの日じょうは、

 いつのまにか、

 まえより、すこし、

 きらきらしはじめた。




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