第四部:風岡夏純 5
小さく首を傾げ自信なさ気に告げる茜へ、わたしは理解を示して頷く。
「なら、九時くらいで良いかな。九時に駅裏に集合。なるべく人目につかないようにしよう。愛の方にはわたしからもう一度連絡入れてみる」
「わかった。明日も休みだから余裕あるし、それがせめてもの救いだね」
ぎこちなくはあるけれど、そう言って晴樹は笑ってみせてくる。
「……車の方は貸してもらえることになった。つっても、あんま山奥までは入って行かねぇぞ? 傷なんて付けちまったら、もう乗せてもらえなくなっちまうからな」
通話を終えた竜次が、スマホをポケットに捩じ込みながら言ってくるのを聞いて、わたしは
「ありがと」
と短く応じておく。
それから、三人を順番に見つめ、真面目な口調で話をまとめた。
「なるべくなら、今日中に目的を達成したい。どれくらいの時間がかかるのか、探すべきエリアの規模も把握しきれてないけど、頑張るしかない。集まるときはライトを忘れないで。真っ暗で何も見えませんじゃ本末転倒だから」
「オーケー。それはオレが後で買っておくよ」
唯一言葉を出して返事した晴樹と目を合わせて頷き、わたしは氷の溶けきってしまったコーラに口を付けた。




