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高円寺ほるもん短編小説集  作者: 高円寺ほるもん
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妹は学校でモテるみたいで彼氏がいるらしい……

 俺は、高校3年生。


 3つ年下の妹がいる。俺とは仲がいい。


 童顔で、とても中学3年生には見えない。


 だが、妹は学校でモテるみたいで、彼氏がいるらしい。


 このことを尋ねると照れるのか、いつも話をはぐらかす。


 俺は妹が変な不良と付き合って騙されないか、いつも不安だ。


 まあ妹の方は、俺の気持ちなんてさっぱり理解していないんだろうが。


 今日土曜日は、妹とちょっと離れたところにある遊園地近くの駅で待ち合わせをしている。


 俺は午前中、ちょっと友達と会う約束があって、それが終わった後、電車に乗ってきた。


 腕時計を見ると、待ち合わせ時間の10分前だった。妹の姿はない。


 メッセージアプリに連絡を入れようとしたが、もうすぐ時間だから待ってみようと思った。


 約束の5分過ぎに電車が到着して、妹がこちらに歩いてくるのがわかった。


 改札を出て、俺のところにやって来る。


妹「待った?」


俺「いや、大丈夫だよ」


妹「お兄ちゃん、遊園地行く前にどっかでお昼食べよ」


俺「うん。何食べる?」


 近くのファミレスに行くことにした。


 ファミレスまで二人並んで歩こうとした時、妹が言った。


妹「うふふ。お兄ちゃん。あたしね。子供できちゃった」


 俺は、えっ?と思って、妹の横顔をまじまじと見た。


 そして、心配していたことが現実に起こってしまったと思った。


 ああ、ついに彼氏とヤッちまったのか……


 ちゃんと避妊しなかったのか? 中学生だって避妊の知識くらいは……


 そんなことを今言ったって、後の祭りか……


 そうか……


 パパとママに話す前に、俺に相談しようと思っているんだな……


 でも中学3年生で妊娠したとわかったら、大騒ぎになるだろうな……


 俺は、とても憂鬱な気分になった。


 しかし、この妹の無邪気な笑顔はなんだ?


 まったく暗いところなんてないんだが。


 そんなに子供ができたことが、うれしいのだろうか?


 俺だったら、そんな気分にとてもなれないだろうなと思っていたら、妹が言った。


妹「お兄ちゃん、何を暗い顔をしているの? ファミレスはあたしがおごってあげる。だってこの駅まで子供料金で来られたんだもの。得しちゃった」


 へっ? もしかしたら……


俺「おい、子供できちゃったって、子供料金で来ちゃったってことか?」


妹「うん、そうだよ。さあ、あたし何食べようかなー。お腹すいたー。お兄ちゃん、何にするー?」


俺「……」


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