晴天の霹靂
運命の日は突然やってきた。
ある日、住民のかーちゃんが帰ってきた時に俺と同じくらいの生後半年かと思われるさび猫を伴っていた。
ビックリした俺は棚の後に隠れたが、ヒビって漏らしてしまった。
まあ、相手もヒビってパニックになって暴れていたからお互い様だ。
どうやら帰り道で踞っていた奴を棄てられたとみたのと昼間に一人で留守番が可哀想と俺の遊び相手に丁度良いと思って拾ってきたらしい。
有り難くない、迷惑な話だ。
この新入りが来た事によって住民はやっと俺が男と認めてくれた。
新入りはさびなだけあって女だったからな。
しかし、性別判明するのに半年かかるってどんな節穴だよ。
新入りは俺より一回り体の大きさが小さかったからチビと呼ばれた。
相変わらずいい加減な呼び方だ。
このチビがいる事に俺は納得がいかず、追い払おうとしたりしたがその度に俺が怒られる。
トイレも俺のなのにチビの奴もするから俺の専用として段ボール箱の中にしたらそれも怒られる。
ご飯を奴に取られないように早めに食べたらまたそれも怒られる。
ついでに一緒に病院に連れて行かれて予防接種の注射を打たれた、しかも1ヶ月位したらもう一回。
チビの奴は人間からすると目もクリっとした可愛らしい感じの顔つきで人間からしてみたら庇護欲をそそられるらしい。
俺の見た目は3ヶ月位の頃からハートの背中の模様以外は可愛くないそうだ。
可愛げのない顔とか言われたが、俺のせいではないし好き好んでこうなった訳でもないんだがな。
チビの奴に遊び道工も勝手に使われるし、遊んでたら邪魔されるし、抗議すると怒られるし、何もかもが理不尽だ。
しかも2匹になった事で通常のご飯もより安物になり、フリスキーで俺はアレルギー反応らしきもので血便が出た。
ちなみにチビの奴は逆に高級品のご飯で体調崩してた、安物な奴だぜ。
俺のまだ少しは快適だった生活を返せ~!
そうは言っても元には戻れないこの状況で仕方なく暮らす以外に俺には術はない。
なんてこった…でも、後から考えるとまだこの頃はマシだったのかもしれない。