表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

幸せだった日々?

とりあえず、アパートの住民に育てられる事になった俺は昼間は段ボールの中にタオルと共に入れられた。

住民は両親と娘が一人で平日昼間は仕事と学校で家にはいなかった。

夜は遊ばれてから住民の手の上で寝かせられた。

牛乳はお腹を壊す可能性があるからと猫用のミルクと哺乳瓶を買ってきて与えてくれた。

段々と周りも見えるようになって、動けるようになり段ボールから出られるようになったらゲージに閉じ込められた。

排泄がトイレでちゃんと出来ないかららしい、俺が悪いのか?

まだ刺激して貰わないと上手く出来ない時もあったけどな。


アパートの住民と俺の悪戦苦闘の日々だったが、それなりに過ごしていた。

ある程度やりたい事がやれるようになった頃、新たな試練が追加された。

それは体を洗われる事だ。

猫の匂いが部屋につかないようにと風呂が好きになるようにって2週間に一回の頻度でやられた。

好きになんぞなるかってんだ、普段あんまり思ってもないけど俺は猫だぞ、基本的に濡れるのは嫌いだ。


まあ、そんなこんなゲージも狭くなった頃には閉じ込められなくもなり、平日昼間は一人でのんびりと夜と休日はもてあそばれてたけれどもゆったりした日々を過ごしていた。

食事も歯が生えてきたらミルクから離乳食、離乳食の缶が無くなる頃には普通のキャットフードと成長していった。

夜の寝る時はミルクが無くなってからはおっぱいが恋しくてかーちゃんの指を吸ったりしてた。

トイレは時々怒られながら徐々に一定の場所でするようになった。

段ボールの中の方が落ち着いて出来るんだけどな。


ちなみにアパートはペット不可だったらしく、住民は俺の飼い主になってくれる人を探してたから暫く名前もつけずに俺の鳴き声を真似してミーとよく言っていた。

そのうちに飼い主になってくれる人も現れなくて名前が無いと不便になったみたいだが、ミーと言われるので俺が反応してたからそのままミー。

しかし、ミーでは名前じゃないとその地方の特産品のみかんを名前にしてしまおうと何とも適当な理由でみかんと名付けられた。

毛色は全くみかんの欠片も入ってない、白地に黒シマの斑模様なのにな。

ちなみにこの頃にはまだ男か女か分かって貰えなくて女だと思われていたのだった。

そういや、オスだったらアジとかサバって名前にしようとかほざいてたな、いい加減な奴だぜ。


そんな感じのまあまあ幸せだった日々は約半年続くのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ