属性判明!!
ついにやって来た‼俺の属性!
004
家からの長ーい道のりを得て、属性判定屋とやらにやってきた。その店は、魔女が住んでいそうな、半ボロボロで、つたがそこらじゅうから垂れ下がっていた。
ライルは、目線を落とす。家のボロボロな様にテンションが下がったのだ。
早く、属性が知りたい。そう思っているのは三人とも同じはず。なのはいいのだが、道のりで疲れすぎた。坂道は多い、草や木が生い茂っていて通るのに困難な道ばかり。2歳の俺には厳しすぎだろう?体力的にも精神的にもボロボロなんだが…
だっこしてもらえばいい。って?「あともうちょっとよ。」って言われておしまいさ。楽しいピクニック気分だったのに…どこもそう甘くはないってことか… 転生してきてまで、それを知らしめられるとは。はぁ。
「さ!ライル。ここに手をかざしてごらん。」
そう言われて指されたのは、紫色のクッションにおかれた、重そうな水晶。いかにもな感じだな。魔女が持っていそうな怪しい雰囲気を醸し出すそれは、俺の心を動かした。好奇心が勝った。
ライルは気付いたときには、もう手をかざしていた。
10分後…
「ライル君。だったかしら。属性、分かったよ。」
そういって声をかけてくれたのは、この店の店長らしき女性だ。
「2歳にしては、すごく良い子だったわ。普通の子なら、なになに?!俺の属性なに!っていって暴れるのに。」
は、はは。ガキだな。が、まぁそれはどうでも良いとして。
「お父さんお母さん、この子の属性なんだと思いますっ?」
彼女は被っていたフードがとれるくらいのスピードで立ちあがり、両親に話しかけた。
「そんなに凄いのか?!」
「私と同じ、水属性かしら?」
やっぱり母さんは水属性なんだ。それにしても、店長らしき彼女のあの反応は良いものととらえて良いのかな?
「聞いて驚いてくださいね。息子さんは、全属性が使えちゃいます!それに、凄い魔力の持ち主ですよ‼」
ぜ、全属性が使える!?最高じゃないか!水、火、風、土、光、闇この主な6種類を全部使えるのか!もちろん無属性も使えると思う。凄いこった。
「「!!」」
でも、両親は、あまり良い反応をしてくれなかった。ただ、驚いて声がでない。という様子でもない。完全に何かを恐れる顔をしていた。
そのあと、最悪な空気を我慢していられなくなった俺は、無理矢理笑い、「帰ろう!」と両親を誘った。両親は、お金を払い、「お邪魔しました。また来ますね」と作り笑顔で店を去った。
「や、やっとついた~!」
「お疲れ様。もう寝る?ご飯まで寝てきても良いよ。」
と母さんは言った。
「そうだな。ライル。パパと寝るか。久しぶりだな。」
どこかぎこちない笑顔で父さんは言った。
今日あったことについて、しばらくはなにも話さないことにしよう。また、こんな雰囲気になったら嫌だから。そう誓った。
次回、005 新しい友達。