あれから2年…
あれから2年の歳月が過ぎた。少し俺も喋れるようになった。少しな。いよいよ、属性を調べに行く。
003
あれから、2年が過ぎ、3語程度なら話せるようになった。これも、大きな進歩と言いたいところなんだが、どうやら、この年で3語は普通のようだ。
「ママー。ご飯!まだぁー?」
「えぇ?!ライルまだ食べるの?さっき食べたばっかじゃない。」
「お腹すいたぁー」
こうは言ったものの、どうせくれない。
なので、ライルはリビングでごろごろ。
あー。現実世界でもこんな暮らしが良かったなぁ。今となっちゃぁ、ここが現実世界なんですけどね。
「ママー。一緒に、遊ぶ!」
仕事をしてるように見えて、趣味に没頭している母さんを遊びに誘う。言葉が喋れるようになってからの習慣だ。まぁ、でも、俺が言葉を初めて喋った時は、父さん母さんも、『『あぁーーーー!!喋ったぁーー!』』と、家中に響き渡るくらい大きな声でさけんでいた。鼓膜が破れるかと思ったよ。
それにしても、そろそろ字が読みたくなってきた。ごろごろしてるのは楽しいんだけど、最近無性に字の読み書きがしたくなってきた。2歳じゃ無理なのかな。頼んだら教えてくれるかな。うーん、、、
と、そこにルーラーが近寄ってきて。
「そうだ!ライル。何かしたいことはない?お勉強はまだ無理かもしれないけど、魔法とかなら、練習できるかもよ。魔法はイメージだからね!」
おぉ!ナイスタイミング!よくぞ聞いてくださった!
うしれしすぎて、大袈裟にガッツポーズ。
そうか、この世界には、やっぱり魔法があるんだな。父さんと母さんが使ってるの見たことないけど。
「やる!魔法!やる!」
「あら、魔法って初めて言ったのにもう、覚えちゃったの?さすがライルね。」
小さい時から、言葉がわかるって言う雰囲気を漂わせておいたおかげで、つい、現実世界で持っていた知識を口に出してしまっても、怪しまれなくなった。(俺って天才?)
「じゃあね、まずは、属性見てもらいにいきましょう!」
「ただいま~」
あ、父さん!
「あ、お帰りなさい!これから、ライルの属性見てもらいに行くんだけど、一緒にいきましょう!」
「属性か、俺無属性だからもしかしたらライルもそうかもなぁ。よし!行こう!」
「やったー!パパ、ママ、ありがとー!」
あ、4語でしゃべっちゃった。
「さ、行きましょう!」
どうやら気付かれなかったらしい。良かった。
ライル一家は、家を出た。家に残ったのは、太陽の光だけだった。
父さんは無属性なのか。でも無属性って、どの属性も扱えるってことなのかな?それとも無属性専用のがあるとか?母さんは何属性なのかな?髪の毛が水色だから、水属性かな?
産まれてから2年間外に出たことなかったけど、風が気持ちいい~!いい感じに田舎っぽいから、自由だし、広いし。都会よりはこっち派だよ。この世界の土の感触は、現実世界と変わらないけど、風は優しいなこっちの方が。太陽はちょうど真上。正午過ぎ。どこまでも続いていそうな位長い道を、父さんと母さんの間で手を繋いで歩く。
次回、004 属性判明!!
これからは、005、006と投稿していく予定です。