第2話 レベルアップ
ゴブリンを倒し経験値を獲得したことによってLvが4に上がった。
本来なら魔物との殺し合いで精神的にも肉体的にも疲労するはずだが、ステータスを閲覧出来る能力を獲たことで当の本人は舞い上がっている。
だって嬉しいから仕方ないでしょ!
「やっぱ実際にこうしてステータスを確認出来るようになると、強くなったって実感が湧くよな」
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フェルト 男 年齢:15 種族:ヒューマン
職業:農民Lv3/30
Lv4
HP28/28
MP9/9
筋力 10
耐久 9
敏捷 9
魔力 3
パッシブスキル
【根性Lv1】
魔法スキル
【水属性魔法Lv1】
ノーマルスキル
【格闘術Lv1】【剣術Lv1】【槍術Lv1】
【言語理解Lv5】
ユニークスキル
【鑑定眼Lv‐‐】【アイテムボックスLv‐‐】
称号
【選ばれし者】
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ゴブリンを1体倒しだけでLvが上がる。普通なら到底あり得ないことでついついステータス欄を疑っちまったが、さっきと比べて直感的にも力が強くなったことが自分にもわかった。拳を握れば以前にも増して指が食い込み、槍を振るえば空気を割く音。そんな音ですら今は心地よく聞こえる。
「こんなにLvがサクサク上がるんなら、もっと強くなりてぇなぁ」
ダンジョン以前の記憶はほとんどないが自分が弱者の位置にいたことは覚えている。
なんたってLv4でしかも職業が農民だからな!!
きっと家族みんなで毎日せっせと働いて高い税を払っていたに違いない。
泣かせやがるぜ!
覚えてないけど…
上流階級のお貴族様なら農民なんて職業についてないだろうし。それこそちゃんとした指導者のもと安全を確保された修練で聖騎士や魔法使いになってるだろう。
それに引き換え、現在の俺はよく分からんダンジョンで1人寂しくゴブリンの解体中。
なんで録に食えもしないゴブリンを解体しているかだって?
そんなの決まってる。魔石が欲しいからだ!
魔石は魔物の部位の中で1番高価な取引をされているもので、マジックアイテムの材料なんかにもよく使われる。
これで俺も億万長者!
には成れないけど、【アイテムボックス】だっけ?そのスキルのお陰で魔石以外にも持ち帰ることが出来そうだ。
《【アイテムボックス】道具や食材などといったものを無制限に収納出来る能力です。そして、アイテムボックスに収納している間は時間経過をしません。ただし、生きていたり動いているものは収納不可なのでお気をつけください。》
こいつは聞いても無いのに、ステータスに関わることになると急に説明を始めるんだよな。そんなに話したければ話せばいいのに。
なぁ、そう思わないか?
《………》
はいそうですか…
でもこの能力のお陰で助かっているのは事実だし、有り難いとは思っているよ。
現状問題、困っていることがあるとすればやはり武器だな。
【槍術Lv1】があるから槍でも構わないが、如何せん手入れがされていない。刃こぼれはあるし、場所によっては若干錆びていやがる。
まぁ使ってたのがゴブリンだし当たり前と言えば当たり前だが。
それに解体用のナイフに比べれば、マシになったかもしれないけどやっぱり新しい武器の方がいい。
いや、マジで!
今の槍を使っていたら遠くない内に壊れて使い物にならなくなるだろうし早めに換えた方がいいのも理由にある。
店もなく鍛冶士もいない所でどうやって武器を手に入れるか?
拾うんだよ!拾う!
は?こいつバカなんじゃね?とか思った失敬なやつらがいるかもしれんが忘れて貰っては困る。
ここがダンジョンであることをな!
何故ダンジョンなら武器が手に入るのか?
なにも絶対に手に入るとは限らないが、ダンジョンの中には強力な武器や防具などの様々なマジックアイテムがいくつか置いてある。小さなダンジョンにはマジックアイテム自体ないこともあるらしいが、ここの通路をみた感じそんなことはなさそうだ。
なら次にやることは決まっているだろ!
「マジックアイテムを探し当てることだ!」
マジックアイテムを探しつつLvアップもしていこう。
そして農民なんて職業からさっさと卒業してやる!
きっと次は戦闘職の何かに就いて無双しまくるに違いない。
そう考えていると体がうずうずしてきたな。
ならこんな所でじっとなんてしてられねぇ!
待っていろ、俺のマジックアイテム!!