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対価は必要

「敵だなんて、人聞きの悪い……。私はあなたに活躍の場を用意してあげているというのに……」

「そのお節介がどれだけ俺の寿命を削ってきたか忘れたわけじゃないですよね?」

「そのおかげで生き残れたような場面もあると思うわよ」


国有数の実力者である学園長は生徒の力量を見抜くのもうまい。

そして、その生徒がぎりぎりできないくらいの課題を課し、それをクリアさせることで実力を底上げしていくという方法を好む。

学園長となってからはもちろん担任を持つようなことはないのでその傾向も鳴りを潜めていたらしいが、ライヤが入学してきてからその悪癖は輝きを取り戻す。


「今は俺も教師なんですけど。それに、リヒター先生も」

「あら、そんなつもりは毛頭ないわよ? 生徒たちに良いお手本を見せるのも教師の務めだと思わない?」


もっともらしいことを、そんなこと微塵も思っていない顔で言う。

魔女めっ……!


「リヒター先生はいいんですか!?」


最後の希望とばかりにライヤは振り返るが、そこで目に入るのは力ない笑みを浮かべるリヒター先生の姿のみ。

既に全てを諦めてしまっている……。


「よし、いいでしょう」

「流石、話が早いですね」

「ただ、一つ条件が」

「言ってみなさい」


ライヤが思いのほかあっさり受け入れたので学園長もニコニコである。


「この試合が終わったら、学園長には俺とアンのペアと試合してもらいます」

「あら、いいじゃない」

「え……?」


乗り気なアンと、笑顔がビシッと固まる学園長。


「学園長の、後進の育成のためには教師の苦労も当然であるという姿勢に感銘を受けました。ぜひとも御自ら実践していただきたいと思いまして。とはいえ、学園長ともあろう方にただの教師が挑もうというのはあまりにも分不相応というものです。気心知れた同級生とのタッグでお相手願いたい」


それだけ言ってライヤはリヒターへと向き直る。


「普段から苦労させられてるんだから、これくらいのやり返しはさせてもらわないとですよね?」

「噂に聞いていた通りの人ですね……。まぁ、特に悪い気がしないのも事実ですけど。じゃあ、やりますか。お手柔らかに」


固まっている学園長をよそに互いの間合いを図りだした二人に生徒たちはひと際大きな歓声を上げる。

学園の教師になれる者同士の試合などそう見れるわけではない。

いつの間にやら三年生だけでなく、他学年の姿も増えている。

そこにはぼろぼろになったキリトを傍らに置いたイリーナの姿も。

折角なら見せたかった二人も到着したか。


さて。

お手並み拝見といこう。

暑くなってきました。

コロナも復活しつつあるとか。

皆様、お体にはお気をつけて。(風邪でダウンしてた)


ここまで読んでいただきありがとうございます!

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