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保健室という響きが良い

「……ということで少し前の形の海洋諸国連合の形になったわけだが……」


いくらウィルたちのほうが先に学校に通っていたからと言って、優位でない科目が一つだけある。

諸国連合に関する歴史の授業だ。

ライヤにとっても授業をするのが大変な科目である。

なにせ、まったくもって知らないことだから。

王国には住んでいたし、もちろん学生時代に王国氏について学んだ。

文献も多く残っているし、資料が豊富に存在する。

しかし、それは王国がかなり長きにわたって安定して存在しているからに他ならない。

成り立ちが闘争の連続で、それが落ち着いてもそれぞれが独立した統治をおこなっていた海洋諸国連合では年表を作るだけでも不可能なレベルだ。

例えるなら、江戸時代の各藩の年表を横並びで作れというようなもの。

それぞれの国の歴史書を集めて照らし合わせていき、確認していく作業が必要である。


流石のライヤも諦めていた。


「ざっとこんなもんしか諸国連合全体については言えることはない。今、王国の学者たちが諸国連合の歴史を紐解いてるけど、いつまでかかるかわかったもんじゃないしな」


歴史に触れている文書なんて探せばあとからあとから出てくる。

それに新しいことが載っている度に更新する作業が必要なのだから、終わりなんてほぼない。

歴史学者なんて何してるんだと本気で思っていたライヤだが、今は頭が上がらない。

途方もない作業の繰り返しである。

まず間違いなく変態しかなれない。


「と、いうわけでひとまずはズンバに関する歴史だけでも学んでおこう」





「お疲れ様です」

「本当に疲れたー! 教科書を作る段階からとか、教師の仕事じゃないだろ!」


教室と同様に簡易的にできた保健室のベッドで横になるライヤ。

ヨルが基本的にいる場所になるが、今稼働しているクラスは一クラスだけなので座学の時間などは特に暇なのだ。

え? 授業中にライヤは何してるのかって?

もちろんヴィヨン先生に授業をお願いしてサボっているに決まっている。


「あんまり褒められた行為ではないんですけどね?」

「しょうがないだろ? これくらいしないと癒されないんだよ」

「むぅ……」


納得がいかないという様子のヨルだが、それは今現在ライヤの頭がヨルの腿の上に乗っているからである。

ぷにぷにとした柔らかさと暖かな体温が授業で疲れた体と心を癒してくれる、気がする。


「こんなところ生徒に見られたらどうするんですか」

「大丈夫だ。そのあたりは抜かりない」


保健室に通じる廊下に風魔法で薄く膜を張っている。

誰かが通ればわかるし、教室までの距離は30メートルほど。

風魔法で加速してこない限りは十分に取り繕える。


「またそんな無駄に高度なことを……。そんなことせずに普通に横になるだけのほうが回復するんじゃないですか?」

「それはない」


真面目な顔で断言するライヤにたじろぐヨル。


「ま、まぁ、そう言ってもらえて少しは嬉しいですけど……」


そんな可愛いことを言いながらなで……、と髪をすくように頭をなでてくれるヨル。


なんだ、うちの嫁最高か?

ここ最近ではかなり早い更新になりましたね。

そんな日もあります。

ラッキーと思ってもらえれば幸いです。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

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