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予定確定

「どこまでこの話をもっていくのがいいでしょう」

「まぁ、とりあえずは暗部で扱ってもらうのがいいでしょうね。目的もはっきりしないままで今アンに余計なリソースを割かせたくはないので。というか、あの先生についても暗部は掴んでなかったんですか?」

「私に情報が来ていないだけという可能性もありますが……」

「非効率ですよね。学園内に居を構えている先輩ならあの顧問の情報も集めやすいはず。そういった動きは無かったのでしょう?」

「私の把握している限りでは」

「俺も暗部とはいえクラブを監視されていたら気づくでしょうから、今まで放置されていたのは間違いないかもですね。これ、顧問の目的によってはヤバいですよ? なんせ、イリーナが絡んでいる」


第二王女が洗脳に近い何かをされているとなれば戦争に勝るとも劣らない問題になり得る。


「とりあえず、俺も動かないでいいですよね?」

「そうですね、ライヤが踏み込んだおかげで顧問の怪しさがわかりましたから。今はライヤも目をつけられているでしょうから動かない方がいいでしょう。暗部にお任せを」

「用心してくださいね。暗部が気づいていなかったわけでなく、担当だった者が操られた可能性もあります」

「その通りですね」





「ライヤさん、布団貸してくれますか?」

「……なんで」


寮に帰り、ゆるふわモードに戻ったフィオナの作った晩御飯を食べている最中。

ヨルが謎の提案をしてきた。


「前から布団で寝てみたかったんです」

「俺はその間どこで寝るんだよ」

「? 一緒に寝ればいいのでは?」

「私と一緒でもいいよー?」

「なんでそれが当然って態度なんだよ。先輩に作ってもらえ」

「今日寝たい気分なんですー!」

「知るか!」


この頃本当にヨルのIQが下がっている印象がある。

朱に交われば赤くなるとはこのことか。

前はもっと落ち着いていたが。


「……寂しいんですよ」

「……騙されないぞ。先輩と寝ればいいだろ」

「バレたか……」


訂正。

貞操を狙っていやがった。

自分の立場がより危うくなってきたことを察知して王国の重要人物となるだろうライヤと既成事実を作ろうとしたか。

アンの話にあれほど理解を示していたのにそれを差し置いてライヤに迫ろうとするとはよほど精神的に追い詰められているのだろう。


「安心しろ。ヨルの身柄が俺か、王国の負担になったら放り出すから」

「私なんにも安心できませんよねぇ!?」


だが、ヨルにもわかっている。

ライヤの言葉は厳しいものでありながら、自分を出来る限り守るといってくれているものだと。

そして、「放り出す」という言葉。

「差し出す」じゃないことにもライヤの優しさが伺える。

なんだかんだ、ヨルもこの生活を気に入っている。


「(アン様の後なら、相手にしてくれるかな……)」


本当にライヤを好ましく思うくらいには。





「さて、今日もこれで授業は終わりだが、課外授業の日程が決まったので伝えておこうと思う。ちょうど2週間後だ。親御さんにもそう伝えておいてくれ」

「おやつはいくらまでですか?」

「600Gまでだ。だが、この上限だとみんなが知っているような店では一つも買えないだろ?」


それぞれに肯定の意を示す生徒たち。

金持ちどもめ。


「そこで、課外授業の2日前に俺が行きつけのお菓子屋さんに連れて行くことになった。一応、授業扱いになるらしい」


言うなれば課外授業前の課外授業。

課外授業の数は1つ以上となっているので制度的には何の問題もない。


「ということで、課外授業は2週間後。その2日前には親御さんから600Gお小遣いをもらってくるように」


ライヤも行きつけとはいえ、教師になってからは行けていない。

久しぶりの訪問になるだろう。


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