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客人の待遇

「ちょうど魔力切れだ……」

「お疲れ様。ゆっくり休んで」


ヨルを王城にあずけたライヤはその後すぐにまたエウレアの領地へと戻ってきていた。

馬車での移動なら片道丸2日ほどかかる旅程を1日で往復したことになる。

いくらライヤと言えども、この日程をこなすためには魔力が空になるまで飛ぶしかなかった。

これを見ると、某RPGゲームの呪文であるル〇ラとかは凄い。

一度訪れたことがあれば指定できる場所の制限はあるものの、距離に関わらず同じMPで行けるって性能バグっているだろう。


「それで、お父様はなんと?」

「俺たちと一緒でこちらから出来ることはないって結論だったよ。まぁ、王様も外交に直接かかわってるわけじゃないから大臣に聞いたらまた変わってくるかもだけど。そこまでは俺は知らないな」

「そうね。何かあればまた私に連絡が来るでしょうから、教えるわ」

「たのむ」


ライヤは気付いていない。

自然と戦争へ向けて身内へと巻き込まれているという事に……!



翌朝。


「さ、じゃあ帰るわよ」

「え!? もうちょっとだけ遊んでいかないのか……?」

「王女はそんなに暇じゃないのよ」

「なんで俺は昨日必死こいて戻ってきたんだ!? もう王都にいれば良かったじゃん!」

「あと30分で出発よ。早く荷造りしてきてね」

「話を聞いてもらえますかね!?」


哀れである。





「……ということがありまして」

「へぇー、楽しそうだねー」


王都へ帰還後、たまりにたまった公務を消化しろと流石に各方面から怒られたらしいアンは王城の自室に缶詰めすることとなった。

結果、ライヤの生活に少しばかりの安寧(?)が訪れたのである。


「先輩的にはどう思います? 戦争まで秒読みだと思いますか?」

「んー、そうだねー……」


今はライヤがフィオナに相談を持ち掛けている状況だ。

暗部として実働しているフィオナの意見は参考になるとライヤは思ったのだ。


「暗部として話すわけにはいかないからー、私個人の意見でいいかなー?」

「もちろん。俺が聞いてるのは先輩ですから」

「んふふー……」


にまー、と笑うフィオナ。


「嬉しいこと言ってくれるねー。じゃあ、話すけどー。戦争にいかに早く発展するかどうかは、そのヨルさんがどれだけ早く王国にいることがバレるかだと思うよー?」

「なぜです? 事実はどうあれ、ヨルが王国にいると言ってしまえばいいのでは?」

「諸国連合がうちを侵略しようとしているならねー。理由が何であっても勝てば問題はないし、他国も口は出せないよねー。でも、今回は諸国連合が必要に迫られて戦争を起こすわけでしょー? そんな疲弊した国が確信もない情報で戦争を起こしたら、それだけで他国は諸国連合に対して攻撃が出来ちゃうよねー」

「……なるほど」


要するに、力関係の問題だ。

戦争を始めるには、それなりの理由が必要だ。

全世界を敵に回していいから戦争を始めるなど、よほどのことがないとできないし、成功する望みも薄い。

現に地球において今までに2度あった世界大戦では世界に挑んだ側が最終的に敗北している。

諸国連合のような小さな国家がそんなことをしたら周りの国に潰されるのがオチだろう。

つまり、他国にこの戦争は正当なものですよと証明するための

明確な材料がいる。

そして現状、一番火種になりやすいのはヨルの存在ってことか。


「私たちも目を光らせてはいるけど、暗部でも把握できないことはあるからねー。王城に働いている人に諸国連合の人が紛れ込んでて、ヨルさんの存在がバレちゃうってことはあるかもねー」

「まぁ、そうだろうな……」


とは言っても、王城以外にヨルが安全に隠れられる場所など、思い当たりはしない。

現実的に、一番長持ちするのはアンの自室で匿っていて一切外に出ないようにしてもらうか。

もしくは王妃の部屋か。

どちらにせよ外出は禁じられることだろう。

どちらもよほどのことがない限り特定の人物しか入れないため守りやすい。


「その辺りは王様も考えるとは思うけどねー。ひとまず、そんな感じじゃないかなー?」

「ありがとうございます、先輩」

「いえいえー。お礼なら、胸をもんでくれてもいいんだよ?」

「肩なら揉んであげますよ。なんですかそのお礼の仕方は」


ライヤはお礼に肩こりがひどいという肩をもんであげましたとさ。

その際、あまりの気持ち良さに身もだえするフィオナが小刻みに動くので肩こりの原因が躍動し、艶めかしい声を上げていたことはここに明記しておく。





「先生! もう入っていいか!?」

「ダメだ。準備運動くらいはしっかりしとけ。足をつった時とかに準備運動をしなかったからだって言われるのは面倒だろ?」


夏休みの学校イベント。

プール授業がやってきた!


ここまで読んでいただきありがとうございます!

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