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15話:20世紀末の特長

 政治の世界では自民党の一党支配が崩れて、新生党、公明党、社会党など連立与党が誕生し、連立内閣で社会党の村山富市さんが1994年6月30日に首班指名で首相に選ばれた。その後1995年8月8日に第二次改造・村山内閣が発足したが連立内閣も崩壊が早く1996年1月5日 に村山富市首相、退陣を表明。野党連立内閣が1年半、18ヶ月で終わりを告げた。1996年1月11日、橋本龍太郎内閣発足し、以前の様な自民党一党支配にもどった。

 

 あれだけ、ていたらくだった自民党を見限って国民が野党連立内閣に希望を持ったが自民党よりも決められない無責任内閣の失態の連続で失望し自民党で我慢する悲劇的な選択を取らざるを得なくなった。その他、世紀末のこの時期の特徴として、かつての偉人達が大きな時代の転換期を象徴する様に、この世を去って行った。歴史順に書いてみると以下のようになる。


 1996年1月7日に芸術家の岡本太郎・享年84、歌手の三橋美智也・享年65。1996年2月12日に歴史小説作家の司馬遼太郎が死去・享年72、1996年8月4日に 映画「男はつらいよ」の渥美清が死去・享年68、1996年12月8日、大横綱・大鵬のライバル柏戸・当時の鏡山親方の死去・享年58、1997年8月31日にダイアナ元英皇太子妃、パリで事故死。9月5日マザー・テレサ死去。


また、日本のバブル崩壊のツケを払う様に日本の大きな金融機関、保険会社が倒産、統合という実質的な破綻救済が国民に知られない様に静かに行われていった。太平洋銀行の受け皿会社としてわかしお銀行設立。設立の経緯としては、さくら銀行、富士銀行、東海銀行、三和銀行などからによる2度にわたる支援を受けたもののバブル崩壊とその後の地価下落によって不良債権処理が進捗せず1996年3月太平洋銀行は経営破綻した。


 1996年3月29日に発表された4行声明に基づき太平洋銀行を救済するための具体案の検討が開始されるが受皿銀行の設立に関しては、さくら銀から公正取引委員会に対する事前相談の席で4行出資によって受皿銀行を設立することに関しては「一定分野における競争を実質的に制限する事となるおそれがある旨の指摘」があった。こうした事で1996年6月6日、さくら銀が資本金の全額である400億円を出資し、わかしお銀行を設立。


 さらに富士、東海、三和の各行はわかしお銀に総額933億円の劣後ローンを供与した。この他、預金保険機構から1170億円もの金銭贈与を受けた。1996年9月17日、わかしお銀は営業を開始。中小企業を中心に営業を展開し、頭取にはさくら銀常務経験者が就任したほか、支援三行や日本銀行も役員を派遣した。また1996年10月には、さくら銀が金融法人部内にわかしお室を設置した。


 こうしてバブル時の負の遺産が一般庶民に知られず密かに処理され日本の銀行が再編という名で、数多く潰れた。2001年4月、さくら銀が住友銀行と合併し三井住友銀行の完全子会社となり名前が消えた。これは例えて言えばバブルという祭りが終わりを告げて提灯の火が静かに消されている様子に似ている。これら湯水如く使われた多額の銀行への融資は、国民の税金、預金が使われたのだ。


 つまり、バブルの問題の本質とバブルをうまく処理できず、国民、一般庶民に一言の謝罪もせずに多額の退職金をもらって任期を満了して日銀総裁、大蔵大臣が退職した。つまり大蔵省の責任は一切追及されずに手打ちとなった。そのため、こういう事がその後も続いて日本の財産、国力が弱まり、そのツケが全て国民に押しつけられることになっていった。

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