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実力行使と言っても、最初は酸素や二酸化炭素等の元素記号を覚えてもらうだけだ。まずはここから始めなくては。
大「それでは1ページ目を見てください。この教科書の目次です。」
内容としては、ここからこのページまではこれを学ぶよ。的な感じだ。目次を見ていた生徒が何やらつぶやく。
レー「炎ができる仕組み?水の変化?風のでき方?何これ。そんなのあるわけないじゃん。」
これは、窓側に座っている狐人族のレーナって女の子だな。
だから俺はあえて言ってやろう。
大「何言ってんだこいつって顔をしてるな。まあ、最初はそれでいい。だが、お前らにはこの書物に書いてあることをある程度覚えてもらう。大丈夫だ。そこまで難しいもんじゃない。」
ありゃ?なんでみんなしんとしちゃうのかな?
とりあえず始めよう。
大「それではまず、炎の前に火というものについて説明していこう。まず、魔法が使えない者はこの世界ではどのようにして火を起こしている?」
アカ「先生。それは私たちに常識があるかをテストしているんですか?」
えーっと、廊下側の真ん中辺だからっと、人族の女の子のアカネか。
大「まあ、そんなところだ。とりあえず答えてみてくれ。」
アナ「はい。基本的には市販の火打石を買うか、炎魔法が使えるものを雇うかですが、前者の方が圧倒的に多いです。」
ふむ、理由は確か、魔法を使える人物が少ないからだったな。
昨日一応、あの学長にこの世界の常識を教えてもらったからな。そこら辺は知っている。
大「そうだ。では、その火打石でなぜ火が起きるのか教えてやろう。」
レー「大丈夫ですよ。みんなそれぐらい知ってます。」
大「ほぅ、では言ってごらん。」
レー「簡単よ。周りにある魔力と火打石にある魔力がが反応して火が起きるのよ。これぐらい常識です。」
大「では、その常識を非常識にしてやろう。【共有】」
俺は即興で作った魔法を使う。脳内に直接表示されるようにした。そう、ゲームの画面のような状態だ。そして【鑑定】を発動させる。
すると、生徒達が騒ぐ。
アレ「な、なんだこれ!?」
1番最初に叫んだのは人族の男の子、アレルアくんだった。
彼等の脳内には今頃、〔空気中の気体、及び魔力濃度の割合〕という言葉と、円グラフが出ていることだろう。
だが、俺は1つ間違えていた。この世界には割合も%、グラフなどの教育がかなり高度な教育だったようだ。やっちまったぜ。
まあ、いいや。酸素とかの説明をしないといけないしついでに、説明していくとしよう。