笑うが正義
「あの、これっ!」
そういって渡された手紙らしきもの
(な、なんだこれは!ラブレター?ラブレターなのか!?)
苦節16年青春のセの字もなかった我が人生に、ついにやってきたセの字。この日ほどセという文字が輝いて見えたことはない。
(ああ、眩しい・・・セがまぶしいよぉ・・・泣)
震える手でその手紙を受け取ろうとする。
(おお、おお、おおおおおお)
手紙に触れるか触れないかの
ところで女の子が赤面しながら口を開いた。
「田中君に渡しといて!」
「は?」
ここで説明しよう我が名は鈴木健太どこでもいる普通の高校生だ。決して田中という名ではない。しかし、彼女は無常にもその口を開く。
「仲いいでしょ。おねがい・・・」
うるうるとした目で俺の目をまっすぐ見てくる。
(こ、これは田中に振られりゃ俺に振り向くんじゃね?フラグ、ビンビンじゃね?)
しかし、このまま受け取っては男として見られないだろう。一回、断ってみるか。
「え、でも自分で渡したほうがいいじゃない?」
無常にもそう告げる俺。かっこいい。
下を向き、今にも泣き出しそうになる彼女。
すると、上目遣いで最後であろう一言を絞り出した。
「おねがい・・・」
ズッキューーーーーーん
ええ、確かになりました心のベルが。
「わかった。しっかり渡してやるから泣くな。
美人が台無しだよ。これで拭きなさい。」
そういってポケットからハンカチを取り出す決まった。これで彼女の中の株はアベノミクスだろう。
「は?」
why?彼女は口元を引きつらせている。
伝わらなかったのだろうか、もう一度、俺は言う。
「ほら」
そういって、もう一度ハンカチを差し出す。
すると、彼女はゴミを見る目でこういった。
「きも・・・やっぱいいわ。」
ズッキューーーーーーーーん
またもや心のベルがなった。
彼女は、ラブレターを仕舞うとそそくさと去っていった。
な、なにがいけなかったんだ・・・
心の傷の深さを確認しながら俺は呟いた。
しかし、俺の青春をかけた戦いはまだ始まったばかりだった。
次の日、俺が教室に入ったとき、女子から一斉に睨まれは。
「きも・・・来たよ笑」
「うわー、やばい。」
「死ねばいいのに。」
オウ!ノウ!
なんてこったこれだから女子は困る。
昨日の噂がすぐに女子ネットワークを通じて瞬時に広まる。
(うわー、たまらんわー)
この発言は決して自分がMだからではない。とにかくたまらんのだ。
背中を丸めて、自分の席に座る。
すると、唯一の友である奴が面白そうにやってきた。そう、田中だ。
「よう、面白そうなことになってるじゃねーか。ハンカチだしたんだって?マジなのか?」
「ほっとけ」
「マジだったのか笑。まさかそこまでだったとは、アニメの見すぎだゾ✩」
「うっせー、お前ほどじゃねーよ。あと、☆やめろまぶしーだろ。」
「あのな、健太。現実がアニメ通りにはなかなかいかないぞ。そんくらい分別があると思っていたんだが、そうでもなかったらしいな。」
「そうだよ、永遠の中二病だよ。」
「中二病というかただの馬鹿だろ。あれ、馬鹿って漢字で書くと賢くみえね?」
「あー、はいはい。賢い、賢い。」
そんなこんな話していると。福本先生がやってきた。が、なぜか先生は俺をやけに見てくる。
「あれ、先生が見てくるぞ。フラグじゃね?」
そういうと田中はため息をついた。
「お前そういうところやめたほうがいいぞ。
女教師とのフラグなんてそうそう立たねーよ。女の先生だから女子からの情報も結構入ってくるんだよ。お前が昨日やったことを知ってるんだろうよ。」
「何!先生まで俺の敵なのか?」
「まあ、そうじゃないかな?良かったな!面白くなってきたぞー。」
「やめろ。お前はいいかもしれないが俺は最悪だよ。」
そういって机にうつ伏せになる。
「まあまあ、気を落とすなって。放課後、俺の家に来いよ。」
「わかったよ」
「じゃ放課後な」
「ほい」
田中は自分の席に戻っていった。
授業が始まる。
先生がなんかしゃべっているが右から左に受け流す。またもや、なにかしゃべっているが左から右に受け流す。
そうこうなるうちに放課後になった。
「久しぶりだなー、お前の家に行くのも」
「そうだなー、まあ、入れよ。」
「おじゃましまーす」
すると、誰もいないのか家は静まり返っている。
「誰もいないのか?」
「いや、姉と妹がいるよ。部屋の中にいるんじゃないか。」
「妹!?姉!?」
「やめろ、やめろ。女の兄弟ってめんどいだけだぞ。しかも、上と下とでサンドイッチだからたまったもんじゃないぜ。」
「まじか?いや、女がいるんだから羨ましいよ。」
「まあ、お前もそのうち分かるようになるよ。」
「そんなもんかねー」
部屋に入るとザ・普通というほど普通な部屋だった。
「うおー、ポスターぐらい貼っとけよ。」
「バカ野郎、いかがわしいものがあるとドン引きされるんだよ。姉もの妹ものだとしたら考えたくもないね。」
「へー大変なんだな。」
「まあ、座れよ。」
「うっす」
そういって手前の座布団にちょこんと座る。
「さて、お前、これからどうする?」
「由々しき自体ですね」
「このままやとやばいで」
「分かっておりますよ。」
「なんか策があるのか。」
「んー、こういうのはどうだろうか?」
「聞こうか。」
「媚薬っふぅ」
強烈なアッパーカットが顎にクリーンヒットする。
「おう、おう、おう、おうー」
「格闘ゲームみたいにエコー効かせて倒れんなよ。」
「うっせー、他にどうすればいいねん。」
「バカ野郎!!」
「なぜ!!」
またもや強烈なアッパーカットが顎にクリーンヒットする。
「おう、おう、おう、おう」
「もうええから」
冷静に切り返される。
「お、おう」
「ところで、俺に考えがある。」
「何?」
「部活や」
「ぶ、部活・・・」
「そうや、部活や・・・」
「アニメじゃね?」
「そうや、アニメや・・・」
「しかも、ベタじゃね・・・」
「王道と言ってほしいな・・・」
「部活てなんの部活?」
「モテるために切磋琢磨する部活や」
「あれ、お前、モテてるんじゃね?」
「へ?」
「だって、昨日のラブレターお前宛だったぞ。」
「は?」
「まあ、俺がつっかえしてやったぞキリッ」
「殺す」
田中が掴みかかってくる。
「あはは、捕まえてごらーん」
「うふふ、待てー」
いかにもお花畑が見えてきそうだがそれとこれとは180度いや、540度違う。
数分後
「まあ、部活はいいと思う。」
「やろ」
「だが、どうするよ。モテたいだけでは部活はつくれんよ。」
「ソコや、そこで妙案がある。」
「おお、何?」
「文芸部や」
「ほう」
「定期的になんかすればいい気楽な部活や(田中による偏見)他は自由に何やってもよし、しかも人数少なくてもOKだと俺は踏んでいる」
「ほう」
「どや」
「いいんじゃないかな」
「やろ」
「人数はどうすんの?確か3人以上じゃないとダメじゃなかったっけ。」
「おいおいおい、鈍いな。俺らには奴がいるじゃないか。」
「ま、まさか。」
「そう、そのまさかだ・・・」
翌日
学校の放課後、奴を校門で待った。
「あいたくねーよー」
「仕方がねーだろ。女がいねーとどうしたらモテるかわかんねーじゃん。」
「でも、あいつじゃなくても」
そのとき、黒髪ロングで黒縁のメガネをかけた奴が目の前を通った。
田中がすかさず声をかける。
「えみりー」
「おー、まーくん。久しぶりやねー」
「ひ、久しぶり船田さん」
「どうしたん、まーくん」
おっ、ツンデレか?
「実はなー、文芸部つくるんやけど一
緒に入ってくれないかなーと思って。」
「文芸部?いいよー、私、帰宅部やし暇してるからはいるー。」
「ほんとに?ありがとう」
「ど、どうもです」
「まーくん、ちょっとこっちきて」
「ん?」
2人でなにか話したいようだが、俺の耳にかかれば会話なんて筒抜けさ。さあ、なにを話してるのかな?
「あいつも一緒なん?」
「そやで」
「あいつ、抜きじゃダメ?」
「人数がなー」
「じゃ、私の友達連れてくるからそれでいいでしょ?」
「まあまあ、過去のことは水に流して、前みたいに仲よくしよーや」
「えー、ちょー嫌なんだけど」
「頼むよ。なんでもするから」
「本当に?」
「おう」
「じゃーOKだよー」
「ありがとう」
「じゃ、またねー」
「うん、ばいばーい」
くそっ、耳がよいとこういうことがあるから敵わん。何食わぬ顔で田中が戻ってくる。
「どやった」
一応聞いてみる。
「OKやってよ。感謝しろよ。」
「はいはい、よかった。よかった。」
「ん?どした?」
「お前、船田に好かれてるやろ。」
「へ、なんで?」
こいつ鈍感か?
「いやいや、絶対気があるって」
「ないな」
「なんで?」
「お前みたいになりたくないからな笑」
グサッ!!
俺の心が斜め35度からえぐられる。
そう、あれは中学生の頃だった。
俺たち三人組は幼馴染だった。
当時、まあ今もだが女友達がいない中で唯一の存在だった。
鈴木健太
田中雅人
船田絵美里の三人でいつもなにかしら連絡を取り合っていた。
しかし、我らにはついにやってきたのだ。
思春期というやつが。
幼馴染イコール彼女的なことを某ゲームで知った俺はいけるんじゃね?と短絡的な発想により告白することにした。
しかし、直接いうには恥ずかしかったのでメールで告白することにした。
大好きだよー
この一言。
いける。絶対いける。
総確信した俺はいまかいまかと返信を待ちわびていた。
が、返信は来ず。
次の日、学校に行くとなんだか妙な雰囲気を感じ取った俺はこれはやばいと瞬時に察した。案の定、彼女によって噂は広がり、影で笑われることとなった。
当の本人は俺を露骨に避けるようになり、中高一貫の学校なのでそのままの状態で現在に至るという悲しい結末になった。
めでたし、めでたし。
「いやー、あの時はマジびびったよ。まさか告白するなんて笑。あいつ自分でも性格悪いって言ってただろ。こういうことは慎重にならないと偉い目に遭うってわかるだろ。」
「しらねーよ。いけると思ったんだよ。わりーかよ」
「いや、全然いいよ面白いし。」
「はあー」
ほんと、女が絡むとろくなことがない。
やつらは男に何気ない素振りで、勘違いさせ「男って馬鹿ねー」と純情を弄ぶのだ。(超偏見)
しかし、やっぱり女の子と付き合いたい。
勿論、三次元の女の子だ。
そういえば、1次元の女の子ってどんなんだろう。
ただの棒しか思い浮かばない。
2次元は萌え~な感じが鮮明にイメージできる。
4次元はどうだろう。
4つ目の方向といえば人間が認知できない世界であろう。
人間が認知できない世界とはなんだろう。
認知できないということは5感でとらえられないということだ。
では考えられるのは一つだ。
オカルトしかない。
もっと焦点を絞ると幽霊が一番わかりやすいかも知れない。
見えず、聞こえず、触れず。
しかし、分かる人にはわかるという。
これは、新たな次元ではないかと考えられるのでないだろうか。
うーん、難しいなー
「おーい、起きてるかー」
「うっせーな。今考えてるんだよ。」
「現実逃避の間違いだろ。」
「今、人類の究極について考えてたんだよ。現実逃避など浅はかなことしねーよ。」
「「そんなこと考えてる暇があったかどうやったら英美里と仲直りできるか考えろよ。」
「甘いな」
「何?」
「大は小を兼ねるとと言うだろう。つまり、そういうことだよ。」
「はいはい、わかった。わかった。ところで今から職員室に部活の届出しようと思ってるんやけど行くやろ。」
「おう」
2人でしょうもない会話をしながら職員室に行く。
田中がドアを開ける。
「失礼しまーす」
遅れて俺も入る。
「失礼します。」
すると、田中は迷わず奴のもとへ向かっていく。
(え?まじで?)
焦る俺をして目に田中が話しかける。
「福本先生、ちょっといいですか?」
「何?」
そう、その先生とは俺らの担任の福本だ。
田中の後ろに隠れている俺を発展するとおもちゃを見つけた子供のように目を輝かせて話しかけてくる。
「あら~、鈴木くんじゃないの~。」
「はい、どっからっどう見ても田中です。」
「聞いいたわよ。あなたまたやらかしたらしいわね。」
「へぇ」
「え?何?なにをしたの?ほら、ほら、行って味噌。」
「味噌もへったくれもないですよ。被害はどのくらいですか?」
「もう、我がクラスは全滅ね。明日にはもう2クラスは敵の占領下に置かれるでしょう。」
「くそっ、味方はいないのか。」
「ん~、男子のコアな人には受けたらしいわよ。彼らは味方よ。」
「おお、我が軍にはまだ希望があったのか。」
とここで田中が水を差す。
「ところで先生、部活の話ですが人数がこの通り揃ったので顧問よろしくお願いします。」
そういって、部活の紙を先生に渡す。
「あら、絵美里ちゃんじゃない。やっぱりこうなると思っていたのよね~。またあの時みたいに楽しく出来たらいいわね。」
こっちに目配せされた、無視しようとするがその豊満な胸に吸い寄せられる。
「あら、あら、あら、あら~。どこみてんのよ~。そんなんだから絵美里ちゃんに嫌われるのよ~。」
「先生はエッチい男の子は嫌いですか」
「いいえ~、むしろウェウカムだけど私旦那がいるからねー」
(人妻!)
「心のこえが聞こえてるぞ健太」
「おいおいおい、そこは超えてはならない一線だぜ。」
「まあまあ、教室は別館の奥が空いてるから使っていいいわよ。がんばってね。」
「はい、先生のために身を粉にして頑張ります。」
俺は、卒業式のようなかっこいい直角ターンを決め職員室から出て行った。
「ここか」
「ここだな」
302と書かれた教室の鍵を開ける。
中に入ると窓が空いているのか風が吹き抜けていて気持ちが良かった。
「ここが俺たちの秘密基地だー」
「おー」
「銃の準備は出来てるかー」
「おー」
「構えー、放てー」
そのとき、教室の扉が開いた。
「何してんの?」
「うおっ」
「きもいんですけど。」
「すいません」
「ちょっと、まーくんと話したいから出て行ってくれるかな?」
「はい」
そそくさと教室から出る。
「ねー。まーくん」
「何?」
「さっき何でもするっていたわよね。」
「おう」
「帰り道に思いついて急いで先生に教室聞いて戻ってきたのよ。」
「はあ」
「でな、してほしいことがあるの。」
「なんですか?」
彼女はいかにも吹き出しそうになって非情にもこういった。
「鈴木に告白して」
「はああああああああ?」
「いいぞ、入れ」
「おう」
なんだか田中の顔が赤い
「どうかしたか?」
「いや、なんでもない。」
「そか」
教室に入ると絵美里は窓の空いたところから身を乗り出し外を眺めていた。
(パンツ見えんじゃね?)
「まあ座れや」
隅っこに積まれた椅子を対面式に2つ並べそういった。
「お、おう」
(なんだ、なんかあるのか)
2人が座ったところで田中が口を開いた。
「じ、実はな」
「おう」
「そのだな」
「お、おう」
なんだ、なんだこの感じは
田中は目に涙をにじませ顔を真っ赤にして言葉を振り絞るようにこういった。
「す、すきなんや。お前のことが」
「・・・」
開いた口が塞がらないとはこのことだ。
体中に電気が走り
思考が止まる。
「実はな、ずっと前からお前のことが好きだったんや。」
オーマイガーこいつは何をいってるんだ。
くわばら、くわばら。
ロシアの殺し屋おそロシア。
ああ嫌だ寒気がスルー。
・・・と、乾いた声が思考を遮った。
「あははっはははっははh、あはははっはははあー、げほっ、げほっ、げほ」
なんかむせてるし
「あー、おもしろ、え、告白されてよかったじゃん、つきあちゃえよ二人共。」
田中が泣きそうだ。
「お、お前の差金か?」
「そうよ、友達と思っていた人に告白される気持ち分かった?ちょー受けるんですけど」
「おまえなあー」
「なによ、あんたが悪いんでしょ。」
「だって、男と女の友情ってないんだろ。」
「そうね、少なくともあなたとの友情はないわ。」
またもや、大声で笑われる。
こりゃ、さすがに我慢の限界だ。
殴ったろうかと思ったが男としてそれはヤバイではどうするか。
同じ目に、つまり辱めを受けてもらうのだ。
そう、答えは一つしかない。
スカートめくりだ。
その短いスカートをめくってやる。
そうと決まれば言葉はいらない。
音速を超えて、物理の限界を超える。
宇宙と一体になり、神となる。
その右手。
つまり、ゴットハンドでスカートの裾を掴んで一気にめくる。
「チェストーーーーーーーー!!!」
「ぎゃややーーーーーー!!!」
バッチーーーーーーーーん!!!!
彼女のビンタが神である私の右頬を貫く、そのとき、さらに上の天から声が聞こえた。
「右頬をぶたれたら左の頬を差し出しなさい。」
「どうぞ、左もぶってください!」
「望むところよ!」
バッチーーーーーーん!!!
両手で左右の頬をぶたれた俺は、その後、小一時間土下座した。
だが、心は晴れやかだった。
白wwww
「で、これから何するの?」
「そやな・・・」
二人共口を閉ざす。
「っていうか、部長って誰?」
「一応、俺です。」
「はあ、田中?却下」
「は、はい」
「鈴木にしなさい。」
「俺ですか?」
「そうよ、バツよ、罰。」
「分かりました。船田様。」
「よろしい。」
(ああ、思い出すぜ。いつもこんな感じだったな。)
(そうだな、いつも振り回されていたな。)
田中とアイコンタクトを取る。
「なによ」
「「いえ、何もありません。」」
「で、鈴木何するのよ。」
「はい、とりあえず、なにか文芸をしたら良いと思います。」
「ちょっと、あんたが仕切りなさいよ。なんで私が仕切ってるわけ、意味わからないんだけど。」
「はい、ええと、ゴホン、それでは各自、まずは親睦を深め合うためにお話しましょう。」
「はーい」
「へーい」
そそくさと自分の席に座る。
隣には田中、田中と俺の前に船田が座っている。」
「はい、先生。」
「何かね田中君」
「話すって何を話すんですか?」
「アニメでよくね?」
「え、まだアニメなんか見てるのキモイ。」
「うっせーよ、アニメは人生だよ。」
「人生といえばイクラナドだよな。」
「そうだよな、あれは神だわ。」
「おれ、ケーの作品全部持ってるぜ。」
「マジかよ、レライト貸してくれよ。」
「いいぜ、今度家来いよ。」
「え、何、きもいんだけど、やめてくれる。」
俺が問う。
「そういえばさ、なんで女子ってキモイっていうの?」
「あっ、いい質問だぜ。」
「だって、キモイからだけど。」
「そうですか。」
「そういえば絵美里ってなんか続けてる趣味ってあるの?」
「ライトノベルかな?まあ、携帯小説も読むけど」
「ラノベかーそれだったらなにが一番お気に入りなん?」
「俺がいないかなあれはよかった。」
「あー俺もみたわー。」
「まてまてまて、俺は見てないぞ、オタクの話やめろ。」
「オタクちゃうわ!」
バシーーーん!!!
「ぐふうーーーーーーーーーー」
「いやー、こういう作品だと女子が叩くとかなりの威力があるよねー。」
田中がすかしてやがる。
「なんか面白いことないのー」
「あるよ」
俺が答える。
「絵美里はかわいいなー。」
「はあ?」
「結婚したいくらい。」
「バカじゃないの」
「むしろ婿に行きたい。」
「紐じゃん。」
「君になら養って貰ってもいいよ。」
「私は嫌なんですけど。」
「ほら」
前髪をかきあげながら英美里の手を取る。
「結婚してくれ。」
「ぷっ、あはははっははは。バカじゃないの。」
「君のためならバカにもなれるよ。」
「じゃ、私の願いを聞いて。」
「なんだいハニー。」
「そこの窓から飛び降りて。」
ここは三階だ。とびおりたら大変なことになる。
しかし、飛び降りてみたら面白そうだったので飛び降りえみることにした。
「仰せのままにお姫様。」
「え、マジ。」
「とうっ」
三階から飛び降りてやる。
ついでになにか叫んでやる。
「俺は英美里が好きだー」
宙に浮く感じだ。
おお、これが無重力か。
上手くバランスをとり両足で着しし受け身を取るために前転する。
じゃーん、無傷、俺かっこいい
「うお、マジでやりやがった。」
「え、本当にありえないんだけど」
「おーい、降りて来いよー。」
2人が急いで降りてくる。
なんだかたくさんの生徒に囲まれてきた。
「なんだ、なんだ」
「え、誰が好きって?」
「絵美里ちゃんらしいよ1年2組の」
「まじ、てかありえなくない。」
ははは、皆我の勇姿に感動してるな。
すると、英美里と田中がやってきた。
田中はニヤケが止まらなそうだ。
英美里はなんか怒ってるのかな
バシーーーーーーん
あっ、これマジのやつだ。
「あんた、頭おかしいんじゃないの、怪我したらどうするつもりよ。」
目を潤ませて叫ぶようにそういった。
とにかく謝るしかない。
「ごめんなさい」
「ふざけんじゃないわよ。自分なにしたかわかってんの?」
「すいません」
「もう知らない。帰る。」
群衆をかき分け彼女は帰っていった。
すると、興味が無くなったのか群衆は散っていった。
「おい、またやらかしたな。」
「見ての通りだよ相棒。」
「明日、やばいだろうな。」
「承知してるぜ。」
「あれ、マジなのか。」
「なんだよ」
「絵美里が好きだーって叫んでいただろ。」
「いや、誰でも良かったんだよ。」
「そっかー」
ため息を吐く田中
「まだ心の傷はうまってないんだな」
「そうみたいだな」
「あの時の告白結構本気だっただろ。」
「もちろんだぜ」
「だろうな、じゃあ、なぜお前を振ったんだと思う?」
「なんでだ」
「今までの関係が壊れるのが怖かったのだとよ。3人での環境を守りたかったらしいぜ。」
「ほう。」
「それなのにお前が告白してえらいことになりそうだったから。友達に相談したらいつの間にか広まったらしいよ。」
「おう」
「それからだよ、お前に対してそっけなくなったのは。」
「なるほど。で、なんでお前が知ってるの?」
「本人が相談しに来たんだよ。どうしたらいいかとよ。」
「あれ、フラグじゃね?」
「お前のそういうところ直したほうがいいよ。なんというか2次元的な発想は。少なくとも友達として寄りを戻したいだけだと思うよ本人は。」
「そっか」
「まあ、帰ろうや。」
「おう」
俺はこの時初めて気づいた。いや、気づきたくなかったのかもしれない。
現実の女の子は2次元の女の子と勝手が違うと。
次の日
「お、やつが来たぞ」
「うわ、マジかよ」
「キモいんですけど。」
「ないわー」
教室に入るとそういう声が聞こえる。
(まあ、確かにないな)
席に着くと案の定、田中がやってきた。
「おい、放課後話があるから職員室一緒に行くぞ。」
「はーい」
放課後
早っ!
パラドックスが起きるぐらい早い。
時間って不思議。
[行くぞ」
「はーい」
2人で職員室に向かう。
また、何かあるのは百も承知だが。
「失礼します」
奴の所に向かう。
「福本先生、お話ってなんですか?」
「あら、来たのね。」
「うっす」
「3階から飛び降りたらしいわね。しかも、英美里は好きだー。とかなんとか言って。笑」
「笑ってもらって光栄です。」
「普通なら、気持ち悪ががれてしまうものだけど。あの子もあんたたちに対しては優しいんだから。いい加減気づきなさいよ。」
「はい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
「で、ここから本題なのだけど。彼女、部活辞めたいって言ってきたわよ。」
「マジっすか。」
「ちょうど、あの子も来たようだし、はなししなさいな。」
ドアが開き英美里が入ってくる。
下を向きながらこちかまで歩いてくる。
「先生、話ってなんですか?」
「もう察していると思うけどそういうことよ。」
「私、部活やめますから。」
「待ってくれ。もう一度頑張ってみないか?」
「あんたはいいのよ。問題は鈴木の方でしょ。」
「その節は、誠に申し訳ございませんでした。」
「いい?私、好きとかそういうのないから。
ただ友達として前みたいに楽しく遊べたらそれでいいのにどうしてわかってくれないのよ。」
彼女の瞳から大粒の涙がこぼれる。
「まあまあ、そのことはさっき鈴木くんにちゃんと言い聞かせておいたから。もう一度、やり直してみない。」
「もう一度、もう一度ってなんですか、私頑張ってみようって一度やってみようって頑張った結果がこれじゃないですか。もう私関わりたくありません。」
そのとき、俺の脳裏にある選択肢が舞い降りた。
1スカートめくり
2土下座
1+2仰向け土下座
さあ、どれにするか迷うな。
(おおっとそれはやめときな)
(相棒)
(俺が知恵を貸してやるよ)
(まじか)
(胸だよ)
(胸か)
(そうだ胸だ)
(あはは、相棒そりゃねーぜ)
(だろ、だがおまえならやれるよ)
(よし、期待されてるんならしょうがねー。やってやるさ)
(ぶほっ、テラワロス)
「何二人共笑ってるのよ」
すんごい目で睨まれる。
「私帰る。」
と彼女は職員室を出て行った。
「追いかけなさい。」
「うっす」
絵美里の背中を2人で追いかける。
「まって」
立ち止まる絵美里
「悪かった。思春期の至で脳内お花畑の俺が悪かった。俺もあのときみたいに3人で楽しくやりたい。だから許してくれ。」
無言の絵美里
「2度とこんなことは言わないから許して欲しい。絶対にだ。」
土下座する俺。
あれ、昨日も土下座してね?
「じゃあ」
振り返る彼女、流れるような長い黒髪が印象的だった。
「絶対にだよ。」
そういって、笑う彼女には一筋の涙が頬を流れていた。
領土
「それでは、北方領土について話そうとしましょうか。」
「そうだな」
「いいわよ」
「皆さんご存知のとおり北方四島は日本固有の領土だ。」
「はい先生。」
「なんだね田中君。」
「なぜ日本固有の領土なんですか。」
「いい質問だ。ワトスン君。戦前、北方四島おろか、千島列島は我が国の領土であった。」
「ほうほうほう」
「しかし、太平洋戦争で、日本が降伏する前に不可侵条約を破ってソ連が攻めてきたのだ。」
「はい、先生」
「なんだね、英美里くん。」
「不可侵条約とはなんですか。」
「いい質問だ。マリーアントワネット君。」
「不可侵条約とは両国とも戦争しないということだ。しかし、連合国の計らいでその条約を破るように仕向けたんだ。結果、北海道より北の領土は全てロシアのものとなったと。そういうことだよ。うん。」
「じゃあ、パンがなければケーキを食べればいいじゃない。」
「はっはっは、その通りだよハニー。」
「どういうことだよ。」
「バカ野郎。」
「なぜ!」
「この海よりも深いマイハニーの格言がわからんか。」
「なんだよ」
「知らんわ!ボケ」と俺
「ボケとは何だ。クソ。」
「くそとはなんだアホ。」
「アホとは何だバカ。」
「やめて!私のために争わないで。」
「でも、マイハニー、ワトスン君が君を馬鹿にしたのだよ。」
「いいのよ、ワシントン(鈴木です)、彼は私の彼氏だから。」
「何、聞いてないよ。マイハニー。」
「残念だったわね。あなたには飽きたのよ。」
「くそ、じゃあ決闘だ。ワトスン君。」
「望むところだよ、ワシントンくん。」
「たけぽんで勝負だ。」
「ルールはなんだ。」
「より素晴らしいたけぽんを言ったほうが勝ちだ。」
「よし分かった。俺が先行で行くぜ。」
「こい」
「たけぽん!!!」
そのたけぽんは草木を実らせ、生い茂り、小鳥たちはさえずり、子供たちは歓喜の涙を流した。
「なかなかのたけぽんだ。」
「しかし、まだ甘い、俺のたけぽんを見してやる。」
「こい」
「たけぽん!!!」
そのたけぽんはワトスン君の脳髄を刺激し、思いのままに操り、ひざかっくんをさせ、倒れたところにすかさずシュートを打ち込んだ。」
「ごーる!!さすがワシントン私はあなたが勝つって信じていたわよ。」
「甘いな!ワシントンくん。」
「なに」
「ルールはなんだったかな}
「あっ」
「そうどっちが素晴らしいたけぽんを叫んだかどうかだよ。」
「くそ」
「さあ、どっちが良かったかな、マリー」
「んー」
ドックン、ドックン、ドックン
「ワシントンくんの勝ち」
「なに?なぜだマリー。」
「私、弱い男には興味がないの。」
「そんな、マリーひどいよ、マリーったよ。」
「あなたのギャグのほうがひどいわよ。ワトスン君。さあ、ヨリを戻しましょワシントンくん。」
「結構だ」
「なに」
「腰が軽い女には興味がないのでね。」
「ひどいわ、ワシントンくん、マリーったわ。」
「待て!」
「なんだ、ワトスン君。」
「こうなったら戦争だ。」
「はっはっは、自分の力では勝てないから、人のちからを借りようとはな。浅はかなり。」
「それ、エンジェルビートじゃんね。」
「うっせー、とにかく戦争なら受けてやるさこい。」
「まて」
「「なに」」
「私も参加させてもらうわよ。」
「「なぜだ」」
「あなたたちは弱いのよ。私のほうが強いに決まってるはわ。」
「「望むところだ」」
こうして文芸部による三国志が生まれた。
ワシントン軍は北に、ワトスン軍は南西に、マリー軍は南東に軍を構えた。
「さあ、どう攻めますか。ワシントン大将。」
「まあ、そう焦るでないシャーペンよ。中折れしては元も子もない。まずは消しゴムをちぎって投げるのじゃ。」
「お任せ下さい。大将、この身、文字通り削ってご奉仕致しまする。」
「任せたぞ、先代のアンパンマソの血を引く唯一の一族よ。」
「ははっ、では言ってまいります。」
「うむ、任せたぞ。」
「敵襲、敵襲!」
「どうした、鉛筆よ。」
「マリーとワトスンが同盟を結んで我が軍に攻めてきたようです。」
「なに!やつら、やはり結託しておったか。」
「どうしますか大将。」
「まあ、そう焦るでない。消しゴムを呼び戻して皆で筆箱にこもるのじゃ。」
「籠城ですね。分かりました。」
「我が軍の筆箱は高級なゆえそう簡単には落とせまい。皆の衆、ワシントン城へ向かうのじゃ。」
ワシントン城内
「ついにきたか」
「はい、我が城は完全に包囲されています。」
「うむ、兵糧攻めか。」
「はい、やつらは攻めてくるつもりは無いようです。」
「よし、チャンスじゃ。」
「なんですと」
「皆を呼べ」
・・・
「全員、揃ったかの」
「はい、全員揃いました」
「よし、まずは定規、分度器隊。」
「はっ」
「お前らは行軍するときの飛んでくる消しゴムを防ぐ盾となるのじゃ。」
「盾でですか。我らは敵を斬る武士道に生きるものです。硬さを活かして敵を叩き切る。
それが我らの武士道です。」
「すまぬ、勝つにはこれしかないのだ。こらえてくれ。」
「分かりました。大将のためなら致し方ありませぬ。大将に尽くすのも武士道、いとおかしですね。」
「うむ、それとシャー芯部隊」
「はっ」
「お前らは、細かく折って相手に飛ばしてやるのだ。」
「なんですと、我らは相手を貫くのが仕事それなのに折って投げるですと。」
「すまぬ、勝つにはそれしかないのだ。」
「分かりました。それも槍道、昇進致します。」
「うむ、では全軍出撃じゃー。」
「おー」
どどどどどどどどどどどどどどどどd
「何事、何事じゃー」
「マリー、どうしよう。どうしよう。」
「なにが起こったか説明せい。」
「奴らが今まで見たことがない戦い方するんだよー」
「なに」
「こちらが飛ばした消しゴムは全て跳ね返され、向こうからは硬いシャー芯の雨が」
「くそ、消しゴムの時代は終わったのか。」
「そうだ、新たな時代の幕開けさ。」
「ワシントン」
「ここまで来てやったよ。ありがたく思いな。」
「者共、出会え出逢え。」
「甘いな、全員、折れたシャー芯の餌食さ。」
「くそっ、我らしかおらぬのか」
「いやお前だけだよ」
持っていたシャー芯をワトソンに投げる。
「うお」
ワトスンは倒れた。
経験値5が入った。
「ふん、雑魚め」
「くそう!!」
マリーは鉛筆を振り回す。
シャー芯を投げた。
「うお」
マリーは倒れた。
経験値1000入った。
おや、ワシントンの様子がおかしいぞ。
ワシントンは進化してワシントンの父になった。
そして、ワシントンの父は全領土を支配し、第一次文芸部三国志に幕を下ろした。
「今日はこのくらいにして帰りましょうか」
「そだね」
「おう」
「おもしろかったわよ。前の時みたいだった。」
笑った彼女は印象的だ。
夕焼けをせに3人で久しぶりに帰路に着くのであった。
仏教とはなんぞや
「仏教とほかの宗教の違いって何かわかる?」
「なんや」
「神という概念がないということだよ。」
「ほう、なかなか知的なこと言うやんけ。この前のテスト何点やったっけ。」
「ほっとけ」
「ねえ、何点よ。」
「見せたくねーよ」
「じゃあ、みんなで見せ合うのはどうよ。」
「いいんじゃないかな。やろうよ。」
「えー、わかったよ。明日、中間テストの結果用紙持ってこいよ。」
「「らじゃー」」
翌日
「皆の衆、持ってきたかー」
「おー」
「では、現代文からいこう。勿論、俺からな。」
カバンからテスト結果を取り出し高らかに宣言する。
98点
「なに」
「やるわね」
「ほらお前らは何点だよ、ほら、行って味噌。」
「今度は俺のターンだ。ドロー。」
カバンからテスト結果用紙をキレのある角度で取り出す。
67点
普通!!
「ぶほっ、え、67点?低っ低っ引っく(笑)」
「うっせー押すな引くなボケ。」
「じゃあ、私の番ね。ドロー。」
120点
「へ?マジで」
「大マジよ」
「なんでメーター吹っ切れてんだよ。」
「おまけ問題があったからそれでを解いたのよ。」
「そんな問題あったっけ、田中」
「ねーよ。もしかして、あれじゃね。」
「あーあれか。」
「な、なによ。」
「お前、普通コースだろ。」
この学校では偶数クラスは普通コース、奇数クラスは進学コースなのである。
中高一貫なので自称進学校を名乗っている割にはそこそこのレベルなわけであるが。
うちの学校では、外部受験生のほうが勉強できるので、
高校受験を経験してない怠けたものは中学の成績で普通コースに落とされるのである。
ちなみに、田中、鈴木は一組。
船田は二組である。
「ぶほっ、テラワロス。ない胸張って出した結果がそれかよ。」
「あー、英美里はそういう感じだったよねー」
「う、うるさいわね。っていうか胸あるしCだし。」
「本当か?」
「本当よ・・・」
「お前、嘘つくとき髪よく触るよな。」
「へ?」
「小さい頃からの癖だよ。ほら、本当のこと言って味噌。」
「ギリギリ、C」
「つまり、限りなくCに近いBだということだな。」
「うがうわ。Cよ。Cだもん。」
「はっはっは、見苦しいぞ。それにしても、お父さんは情けないよ。こんなちっさく育ってしまって。」
「ごめん、、パパ、でも頑張って、鶏肉食べたのよ。」
「知らないのかい。それは迷信だよ。」
「そうなの?」
「ああ、かわいそうな絵美里、いっそこのまま心中してしまおうか」
「いやっ、ぱぱ、やめて。誰か助けてー。」
「そこまでだ。鈴木。」
「なに。」
「この世の悪は全て俺が滅ぼす人呼んでたなーーーーーーーーーか。」
「動くな、それ以上近づくと。この娘を殺るぜ。」
「甘い」
「なに」
光よりも早く鈴木の脚を払う。
そして、倒れた鈴木をスズキの刺身にしてやる。」
「ヒヤッはーーーーー。正義は勝つ。」
「パパーーーーーーーー」
「じゃあ、この娘はもらっていくぜ。あばよ。」
「まって、せめてお経だけでも。ほうれん草ーほうれん草ー」
「うわ、体がーーー消えるーーーーー。」
「ぱぱ、私一人でも強く生きていくからね。」
FIN
「ええ、話や」
「え、そうか」
「今日の部活は終わりー。」