8話 勘違い!
(お約束・テンプレキタァ~~~~!)
どうも皆様こんにちは、内藤彰です!
目の前にいらっしゃいますは、アルム王国第二王女
シャナサ・アルム・フルーメン様でありますからして、ものすごい嫌な予感がしております。
「あの?どうかされましたか?」
逃避をしている俺に、王女様は話しかけてきた、
「いえ!何でもありません」
慌てて返事をする俺
「そうですか、ではあらためて、盗賊の襲撃から助けていただきありがとうございます」
王女様は、俺に頭を下げて礼を言ってきた。
「いえ!俺、いや!自分も旅の途中で襲われていたかもしれないのでお礼なんてもったいない、頭を上げてください」
慌てていたためか、しどろもどろな俺に王女様は笑顔を向けてくる、
「いえ!助けていただいたのは事実ですから、お礼はしっかり言わないと」
王族なのにええ子やぁ~!
「ほら!リーナ、貴女も助けていただいたのですからお礼はしっかりしなさい」
リーナと呼ばれた騎士は、王女様の言葉に、俺を警戒しながらも自己紹介と礼を言ってくる。
「助けていただきありがとうございましたシャナサ様の近衛騎士団隊長のリーナ・フェン・ボルトです」
うわ!ワンブレスで言い切ったよ!
しかも!(てめえなんか来なくてもあたし達だけで守りきれたんだよこの野郎!)って副音声がつきそうな目付きしてるよ。
俺は少し引きながらも、
「ドウイタシマシテ」
完全な棒読みで返事をする、そんな応酬が続くかと思いきや、森からナルとルカが出てきた。
「アキラ~!森の中の盗賊は仕留めておいたよ」
ナルが期限が良いな、逆にルカは元気がない?怪我でもしたのか?
「ナルが3人仕留めた、今回はナルの勝ち、今夜のアキラの添い寝権利はナルにある」
添い寝権利って、そういえば、盗賊を倒しに森に入りながら賭けをしてたね君らは!そんなナルとルカに笑っていると後ろから剣を抜く音が聞こえた。
「言葉を話す狼・・・魔獣か!シャナサ様おさがりください!お前達、シャナサ様を護衛しこの場から即離れろ、私が囮になる!」
リーナは即断即決、剣を抜いた勢いのままナルとルカに斬りかかろうとしていた。
そんな事を俺がさせるわけがない、斬りかかろうとしていたリーナの前に回り込み、降り下ろされようとしているリーナの長剣を、手刀ではたき落とす、
「俺の家族に何しやがる!」
ナルとルカを斬ろうとしていたリーナを止めた、剣を落とされたリーナは、信じられないという顔をしていた。
「貴様!何をする、魔獣が現れたのだぞ!姫様を守る為にその狼の魔獣を『私達魔獣じゃないわよ』討伐・・・えっ?」
怒気を放ち、俺につかみかからんとしていたリーナはナルとルカの方を向く、
「貴様らが魔獣じゃないなら、一体貴様らはなんなのだ!」
落とされた長剣は俺に押さえられて拾えないため、腰にあるナイフを抜き構える。
「私達は神獣フェンリル、聞いた事ない?」
ルカの言葉に驚くリーナ、
「神獣フェンリル!そんなわけあるか!」
ルカの言葉に、全く聞く耳を持たないリーナ。
「ねえアキラ!元の体に戻してよ、見ないとこの女は納得しないみいだから」
ナルの提案に俺は頷く、両手の契約魔方陣に魔力をこめる、ナルとルカの体が光を放ち元のサイズに戻っていく、
「どう?まだ納得しない?」
元のサイズ、4メートル近い体になりリーナに見せつけるナル、
「そんな・・・本当に、神獣フェンリル・・・・・えっ!マジで?」
今マジで?って言ったか、こっちが素なのか?
リーナは驚きのまま固まっている、それを遠巻きに見ている、シャナサとシャナサを守る騎士は、
「あれ、どう見ても本物だよね?」
「えっ?マジで?神獣フェンリルってリーナ先輩のボルト伯爵家にいる一頭だけじゃないの?」
などと話をしている。
そんな会話が聞こえた俺は疑問を持った。
(フェンリルが別にいる!しかも貴族に飼われてる?マジかよ・・・これは王都についたらさがしてみないとな!)
そんな事を考えいると、
「そんなはずないわ!神獣フェンリルは我が家にいらっしゃる、貴様らは偽物だ!」
まだ信じようとしないリーナにナルとルカは呆れてしまう。
「信じないならもういいわ!アキラ、さっさと王都に行こう」
頑なに認めようしないリーナを放置し、先に行こうとするナルに声をかけるシャナサ、
「御待ちください、王都にいかれるのでしたらご一緒しませんか?」
シャナサの提案にナルは、
「現実を見れない人が一緒にいる旅なんて絶対に嫌!しかも私達姉妹の魔力も感じ取れない奴が、護衛の隊長なんて不安で夜も眠れない。だからお断り」
そんなナルの言葉に考え込む第二王女、
「そうですか、では1つお願いがございます!」
「何ですか?」
「王都に参りましたら、門番にこれを渡してください」
王女は、腕に着けていたアクセサリーを渡してきた
シンプルだが、それを感じさせない何かがある・・
・・・すいません、自分アクセサリーはわからないっす!
「わかりました、門番に渡せば良いのですね!」
「はい!それではこれで失礼します。」
王女御一行は、馬車に乗り王都へ向かった。
「さて、俺達も行くか!」
ナルとルカに声をかけ出発する。
その日の夜、ナルとルカの体のサイズを戻し忘れた俺は・・・賭けに勝ち、熱烈なナルの包容力に死にかけたのは余談である。