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16話 ダークエルフ誓い夜

ドアノブを掴んでかたまったアルメア達と考え込む俺、


「とりあえず、夕飯にするか?」


俺の提案に静かに頷いてドアを閉める。


皆様こんばんは、内藤彰です。

森のサムソン亭に戻ってきたら、何故か部屋が改造してあり、その部屋にはアルメア達がいました。


ジーナさんは、いったい何を考えているのでしょうか?


アキラは服を着替えて部屋を出る。


タイミングが良かったのか悪かったのか、アルメア達も同時に出てきた。


4人の服装が目に毒です。


アルメアは、体のラインがハッキリと出るシルクのような生地のシャツと長ズボン。


メイは、胸の谷間がハッキリ見える程切れ込みが入ったシャツにスパッツのようなピッチリと張り付いたズボン。


メルは、タンクトップに短パン・・・胸の部分が盛り上がっているため、タンクトップの横から少しはみ出てるよ。


メラは、メルと同じくタンクトップなのだが、胸の下から切り取ってあるためお腹丸出し短パンもギリギリで切り取ってある・・・昼間の装備もこんな感じだったけど、露出狂なのか?


俺・・・上下スエットみたいなのを来てますが何か?


こんな扇情的な4人と食堂に行く・・・間違いなくトラブルがあるよね。


食堂に入ると、他の宿泊している冒険者達の視線が集まる。俺はその視線の中に入っていないので空いている席を探し座るがアルメア達は座った俺を当たり前の様に囲んで座る、勿論視線は俺に刺さる。


「あらアキラ君、降りてくるの早かったわね?」


席ついた俺達にジーナさんが近づいてきた、これはチャンスだ!部屋の事を聞こう。


「ジーナさん!あの部屋は何なんですか?どうして部屋が扉一枚で繋がっているのですか?」


「だってアキラ君、お城でやらかしちゃったんでしょ?」


ジーナの返答に目を丸くするアキラ、


(城であったことを何で知ってるんだ?)


アキラの驚いた顔に対してドヤ顔する。


(この街で起きたことで、私が知らない事は無い)


顔で語っていた。


「とりあえず、夕飯ください。」


ジーナへの抗議・質問を諦めたアキラは夕飯にした

その日の夕飯は鶏肉のような食感の肉や沢山の野菜が入ったカレーに似た料理だった。


うまかったので大盛りで二杯も食べてしまった。


ナルとルカには大きな骨つき生肉、アルメア達も美味しいっと食べていた。(メルだけは大盛り三杯をペロリとたいらげ、デザートのケーキまで食べていた。)


夕食も終わり、部屋へ戻るアキラ達、何を話すでもなく廊下で『おやすみ(なさいませ)』と言い合い各部屋に入る。


アキラはそのままベットに入り、満腹になった気持ち良さからそのまま意識を手放し深い眠りに落ち、ナルとルカもジーナが新たに用意したクッションの上で眠りについた。


その深夜・・・アキラの部屋につながるアルメア達のドアが開く、ナルとルカは反応するも口に指を当て懇願する顔のアルメア達を見てまた眠りについた。


アルメア達は夕食の時の格好では無く、漆黒のローブを纏いアキラが眠るベットの横に並ぶ、


(3人とも、本当に良いのね?)


アキラを起こさない様に小声になりながらも、真剣な顔のアルメアに『何をいまさら』という顔をしおのおの真剣な顔になり頷く。


ベットにだらしなく寝ているアキラの横に膝まずく4人、ナルとルカはそれを察し体を起こし見届けるかのごとくアルメア達の後ろにたたずむ。


「我ら4人、これより先、命尽きるまで我らの主となるアキラ・ナイトウ様に忠誠と命を捧げます。いかなる苦難が降りかかろうと共に生き、共に喜び、共に悲しみます。我らダークエルフの神タナトスに誓いここに宣言します。」


4人はアキラの左右の手の甲に誓いの口づけをする。


この誓いは、ダークエルフがその生涯の中でも一度しか使えない言葉、いや神言と言うべき言葉だ。


アルメア達はそれを迷わずアキラに使った、その神言を口にした4人の後ろから、


「我、神獣フェンリルが1人ナルがそれを見届けます。」


「同じく、神獣フェンリルが1人ルカがそれを見届けます。」


ナルとルカは、アキラに4人の後ろから魔力を放ち

4人の誓いを見届けると宣言した。


月の光りが優しく差し込む中、アルメア達の誓いが厳かに終わる。


アルメア達は誓いを見届けてくれた、ナルとルカに

一礼をし部屋に戻ろうとする。


部屋に戻ろうとするアルメア達を見て、ナルは真剣な表情を崩しニヤニヤしながらアキラを見て


「アキラァ~起きてるんでしょ?」


その瞬間、ビクッとアキラの体とアルメア達の体が反応する。


「クッ・・・ナル、いつから気がついてた?」


ベットの上で体を起こし頭をかきながらナルを見る


「いつからってねぇ?ルカ」


「アルメア達が部屋に入ってきた時から起きてた」


ナルとルカにはバレバレだった。


アルメア達は顔を真っ赤にして『あの、あの』としか言えてない、


「ダークエルフの誓いの神言なんて初めて聞いたわ、アキラ、ちゃんと面倒みなきゃダメよ!」


ナルはニヤニヤしながらアキラを見る。


「うん、アキラ、アルメア達の面倒みなきゃダメ」


ルカは表情を変えないが笑っているのか?


アルメア達は・・・アキラが起きていたのに全く気がついていなかったので、恥ずかしさのあまり固まっていたが目はしっかりアキラの方を見ている。


そんなアルメア達を見たアキラは、


「誓われてしまったものはしょうがない、お前らがそれで良いならずっと着いてこい!」


アキラの言葉に嬉し涙を流しながら、


「「「「はい!どこまでも御一緒します」」」」


とベットにいるアキラに抱きついてきた。


ベットで4人に抱きつかれているアキラを、ナルとルカは優しく見守っていた。


その頃廊下では、


「ムフフ、アキラ君やるわねぇ~!4人共迎えちゃうなんて、これは更なる部屋の改築が必要になるかもね。年上のお姉さんとして正しく導いてあげねばならないわね」


宿の客や、食堂の常連が見たら回れ右して逃げそうな邪悪な笑みを浮かべて部屋を覗くジーナ。


アキラやアルメア達、神獣であるナルとルカですら覗かれている事に気がついていなかった。



アキラ達のこれからを予想し、笑みがおさまらないジーナを空に浮かぶ月だけが見ていた。

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