14話 ギルド登録・4S&1G
男1人を先頭に、神獣2頭、ダークエルフ4人が朝の町を歩いている。
皆様おはようございます。内藤彰です。
いつの間にか大所帯になりつつあります。
神獣フェンリル・・・ナルとルカ。
昨日はメイドだったアルメア、肩のあたりで揃えた白髪に、褐色の肌、エメラルドのような瞳、整った顔、魔獣の皮を使った軽装でも目立つ妖艶な体、本当に昨日のメイドだったのか疑いたくなったが、昨日会った時は、薬と魔法で姿を変えていたらしい。
武器は長剣を腰に差しているが、何か魔力を感じるんだよ。
次にダークエルフ三姉妹のメイ・メル・メラ、
長女はメイ、白髪は腰のあたりまであり、瞳は紅く、顔もアルメアに負けじと美人である、体はなんと言うか・・・女豹?野性的と言うか無駄な筋肉がなくスラッとしている。
鎖帷子と手甲を装備し、武器は腰に差している双剣。
次女のメル、髪はポニーテールにして、瞳は姉と同じく紅い。顔も美人といって良いが、この子は兎に角胸がデカイ!武器は弓なんだが邪魔にならないのか?押さえ付けるためなのか窮屈そうな胸当てを着けているが無駄なような気がする。
三女のメラ、4人の中で唯一の金髪だが短く切り込んで逆立てある。瞳は紅く、姉たちに負けず劣らずの美人だ、武器は背中に背負った大剣、防具は鎧なんだが・・・その下は何も着けてないのか?ヘソは丸見えだし、腰のミニスカートみたいな鎧から綺麗なおみ足が見えております・・・4人とも眼福です。
因みに俺は・・・神様から貰った刀と、エルフの里で貰ったミスリルの糸で編まれた服を着てるよ。
そんな目立つメンバーで歩いていれば、当然目立つ、朝とはいえ人はいる。店を開けているオバサンから冷やかしが飛べば、冒険者のような奴等からは嫉妬の視線が刺さる。
「何か、これだけで疲れそうだな。」
溜め息をつくぐらい許して欲しい。
そんな視線が刺さり、冷やかしが飛ぶ中ジーナさんに場所を聞いてあった為迷わずギルドに到着した。
「ここがギルドかぁ~!」
木造三階建てでアルムギルドと看板をかがげている
。中は一階は受付と酒場、二階まで吹き抜けになっており、その二階には魔獣や魔法等、各種の資料を納めた部屋があるっとアルメアが後ろから教えてくれた。
中に入るとこれから依頼に行く冒険者達で賑わっていたが、俺達が入ると急に静まり返った。
「あれ?何できゅ『魔獣ダァ~!』あっ!」
並んでいた1人がナルとルカを見て大声をあげる。
「全員武器を持て、ギルドに魔獣が来たぞぉ~」
次々に自分の武器をとり、戦闘準備する騒ぎの中
俺の後ろから騒ぎをかき消す声が放たれる。
「静まりなさい!」
全員が声の主に注目するが、俺は主に近かった為耳を押さえてうずくまる。声の主は俺の一歩前に出て
「こちらの二頭は魔獣ではありません、こちらの方の使い魔であり、我々の仲間です。」
声の主はアルメアだった、アルメアの声を聞き、その姿を見た冒険者達は・・・違う悲鳴をあげていた
「ギャァ~~~!あいつは『白夜叉』じゃねえか、全員武器を下ろせ、殺されるぞ!」
「後ろの3人、『魔弾』に『紅姫』更に『金獅子』だぞ・・・『狂気の姫』達が帰って来た」
ギルド内はさらなる大混乱に陥りかけるが二階から声がかかる。
「落ち着かんか、貴様らそれでも冒険者か!」
四十代くらいで背が低く、顎髭がすごいオッサンが降りてアルメアに近づいてきた。
「久しぶりじゃなアルメア、元気にしてたか?」
「マスターも御変わり無いようで 」
アルメアが頭を下げて挨拶をし、後ろの3人も
「「「お久し振りです!」」」
アルメアと同じく頭を下げる。
「おう、お前らも元気にしてたか・・・ところで今日はどうした?二十ね『キラッ!』・・・何か、ようなのか?」
あれ?今アルメアが剣を抜きかけたような?
「今日は私達のギルドカードの更新と、こちらにいらっしゃる私達のご主人様、アキラ様のギルド登録に参りました。」
アルメアの爆弾発言に、ギルドマスターを含めた全員が凍りつく、
「すまんアルメア、ワシも年をくったみたいだ。もう一度言ってくれるか?」
ギルドマスターは耳をかきアルメアに聞き直した。
「ですから、ギルドカードの更新とこちらにいらっしゃる、私達のご主人様であるアキラ様のギルド登録に参りました。」
アルメアは、後ろにいるアキラの手を引き自分の前に立たせた。その次の瞬間、
「「「「「えぇ~~~~~~~~~!」」」」」」
ギルドマスターを含めた冒険者達の絶叫が響き渡った。
「アルメア、ご主人様って?お前らがこいつの下についたってのか?城からの依頼はどうした?」
いち早く立ち直ったギルドマスターは、アキラを指差しながら質問してくる。
「城からの依頼は白紙になりました。今からはアキラ様の従者です。」
アルメアの返答に頭をかきながら、
「わかった!城にはワシから確認をしておく、小僧のギルド登録とお前らのカード更新で良いんだな?」
アルメアは笑顔で頷く、
「ローザ、こいつギルドカードの登録と、アルメア達のカードの更新をしてやれ。」
「はい!」
受付にいたローザと呼ばれた女性が近づいてくる。
「小僧、アキラと言ったか?」
ギルドマスターはアキラの目を見る。
「はい、内藤彰と言います。こちらの呼び方だと、アキラ・ナイトウになります。」
挨拶をしてくるアキラに笑いながら、
「ワシはアルムギルドのマスター、ギリム・ノーチスじゃ、種族は見ての通りドワーフじゃ、困った事があったら訪ねてこい!」
自分の名を名乗り、アキラと握手をして二階に上がっていった。
「久しぶりねアルメア、会えて嬉しいわ」
「ほんと久しぶりねローザ、あなたも、かわりないようで安心した。」
どうやらローザと呼ばれた受付の人は、アルメアの顔見知りのようだった。
「アルメアこちらの方は?」
アキラの問いに、
「アキラ様、この子はローザ、私達がギルドに登録した時からマスター共々お世話になった人です。」
ローザはこちらを向き笑顔で、
「こんにちアキラさん、アルムギルド受付担当のローザよ、種族はエルフよろしくね」
「よろしくお願いします。」
ローザは金髪の髪を上でまとめて串のような物で固めている。瞳はグリーン、優しそうな顔と目をしている、スタイルは良いのだが残念な事に胸は無い、
「アキラさん・・・どこを見ているのかしら?」
殺気を感じたアキラは一歩下がって敬礼し
「美しい御姉様に見とれておりました!」
必死なアキラに笑いながら
「まったく・・・登録と更新をしますから受付に来てください。」
受付に向かい歩き出すローザの後を着いていく4人・・・あれ?4人?ナルとルカは?
〔私達は外で寝てるから終わったら起こして〕
〔騒がしすぎるのイヤ!〕
念話が二人から届いた。騒ぎになる前に外に出てたようだ。
「それではアキラさん、こちらに記入をお願いします。アルメア達はギルドカードを出してね。」
アルメア達はギルドカードを提出し、アキラは渡された羊皮紙に、名前・種族・年齢・武器・使える魔法の属性の欄があり記入してローザに渡す、
「はい、ありがとうございます。では確認します
アキラ・ナイトウさん、種族は人間、年齢は二十歳、武器は刀(聞いたこと無い武器ね?)、魔法の属性は・・・フザケテルんですか?」
あれ?なんか間違えた?
「使える魔法の属性が全部って何ですか?アルメア達でも最高て3つの属性なのに、全部ってバカにしてるんですか?」
えっ?そうなのという顔でアルメアの方を見ると、アルメア達は頷いていた。
「全部の属性が使えるのって、何か問題があるんですか?」
アキラの質問に
「問題があるんじゃなくて使える人がいないから問題なんです!私のしる『じゃあ!』・・・えっ!」
アキラは一本ずつ指を立て立てた指の上に順番に火・水・土・風・氷・雷・光・闇の魔力の小さな玉を作る。
アルメア達とローザは驚愕する。
「「「「マジですか!」」」」
魔力の玉を消し
「信じて貰えて何よりです」
なんかの悪戯が成功した子供のような顔で話しかけてくるアキラ、
「流石、アルメアがご主人様と選んだ人ね。規格外だわ・・・ギルドカードを作るのでこちらの水晶玉に血を一滴垂らしてください。」
出された水晶玉にナイフで少し切った親指から血を垂らす、アルメア達も同様に血を垂らした。
「はい、これで登録は完了です。カードができるまで十分程掛かりますので、あちらでお掛けになってお待ち下さい。」
アキラ達は酒場の席に着き、飲み物を頼みギルドカードの完成を待つ・・・十分後
「アキラさんお待たせしました。」
ローザに呼ばれ、受付に行く
「こちらがアキラさんのギルドカードになります。ギルドランクはG、アルメア達のギルドランクはS
大変だろうけど頑張ってね」
ローザに応援さる『はぁ~い』と返事をするアキラ
「さて、ギルドの説明なんですけど?」
「それは私達がするからいいわ」
ギルドの説明をしようとするローザをアルメア達が止める。そんなアルメア達をニヤニヤしながら見るローザ、
「そうね!Sランクが4人もいるから説明は彼女らからしてもらった方が良いわね」
ニヤニヤするローザに頬を赤く染めるアルメア達
「ではアキラ様、登録は終わりましたので行きましょう!」
アキラの手を引きながらギルドを出ていくアルメア達の後ろで『頑張ってねぇ~!』っと手を振るローザがいた。
前回アルメア達の描写が無かったので書いたら長くなりました。
次回は町中の買い物とアルメア達の奮闘編みたいな感じになります。