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あいつ
朝。
教室に入ると、あたしはびっくりしてしまった。
普段にぎやかな教室とは裏腹にがらんとして、何も音がしない静かな教室だった。
「うわー、静かじゃん」
隣にいる真来をチラッと見ると、真来もちょっとびっくりしていた。
耳をすませると、時計の秒針がチッチッチッチッと聞こえる。
普段はうるさすぎて聞こえない、初めて聞いた秒針の音。
「早く来すぎたかもね」
「まあ、いーじゃんいーじゃんっ!他の人もそろそろ来るでしょ。」
真来は、自分の席についた。
今、8:00だ。
普段は今の時間帯が生徒たちがたくさん来る頃。
「ね、暇だし校門で待ってない?」
あたしが真来に言うともちろんOK してくれた。