消えない天使
ドアを叩いた。
そのドアは、なんなのドアなのだろうか?
そんな実態の無さそうなドアを叩いた。
すると、ドアの向こうから階段を登るような足音がかすかにしてきた。
静寂した空間に響く足音、それはとてつもない不安感と安心感が同時に襲ってきた。
僕はドアの向こうに声をかけた。
「もしもし、だれかいますか?」
しかし、無言だった。
ただただ、階段を登るようや足音だけが響く。
そんな不思議な音に、僕はドアに耳を当て耳をすませた。
すると次第にその足音は、複数の足音に変わっていった。
ドンドン大きくなる音は、何もない空間をざわつかせた。
そうしていくと今でもドアを破られそうなほどの音になっていった。
僕は冷汗を掻きながら後ろに後ずさっていった。
気の焦りだろうか?
後ろに気が付かず後ずさっていった結果、
僕は大きな穴に落っこちてしまった。
助かろうと僕は羽ばたこうとした。
そんな僕は落ちていく瞬間に記憶が蘇って行った。
神様から天使の権利を剥奪される日が今日だったということを....。