表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

頭に刺さっている三毛猫

作者:あやかぜ
三毛猫症候群――。
それは、いまだ原因も解明されぬ奇病の名だった。

発症者は生まれたとき、頭部に生きた三毛猫が刺さるように癒合した状態で誕生する。
猫は血を流すこともなく、胎児の成長とともに頭蓋、神経、血管の一部として融合していく。
その異様な姿は、まるで人と獣の境界が崩れたかのようだった。

確認されている症例は、世界でわずか数名。
いずれも日本人だった。
そしてその多くが、猫の寿命とともに命を終えた。

最初の記録は、戦後間もない寒村で生まれた少年だった。
母はその子を必死に守ろうとしたが、村は「異形の子」「呪われた血」として家族を追いやった。
少年は、15歳のある冬の朝、凍てついた川のほとりで短い遺書を残して命を絶った。

――こんな姿で生まれたくなかった。

その言葉は、社会を揺るがせた。
国は急ぎ、三毛猫症候群保護法を制定した。
学校、職場、地域社会での差別を禁じ、彼らの権利を守る法整備が進められた。

だが、法律ができても人の心は変わらなかった。
好奇、恐れ、憐憫、差別――。
それらは形を変え、言葉を変え、発症者に降りかかり続けた。

そして今。
またひとり、その宿命を背負う命が、この世に生まれようとしていた。
誕生
2025/07/03 17:56
三毛猫症候群
2025/07/03 18:01
ミコ
2025/07/03 18:07
子守唄
2025/07/03 18:55
心の壁
2025/07/03 19:07
光と闇
2025/07/03 19:25
母の名は
2025/07/03 20:06
幼稚園入学
2025/07/04 07:56
失われた自由
2025/07/04 08:02
マスゴミ
2025/07/04 08:15
守りの輪
2025/07/04 08:29
ユウトのお願い
2025/07/04 08:45
天才の目覚め
2025/07/04 08:48
伝えたい
2025/07/04 09:32
母の涙
2025/07/04 11:05
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ