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01.プロローグ
「ユノってば騙されやす過ぎ。やっぱり俺が傍についてないとダメだな」
からかうような口調とは裏腹に、ユノを見つめるブルーの瞳はどこまでも温かい。
出会った頃は、無表情で、無機質で、最低限のコミュニケーションしか取れないようなロボットだったのに、今ではユノのことを何よりも大切に“思って”いる。
「無茶はしないで。次壊れちゃったら、もう知らないんだから」
「了解。命令として受理した」
「もう!ふざけないで!」
そう言うユノの唇は、嬉しそうに弧を描いている。
ふいにブルーがユノの両手を取り自らの方に引き寄せ、その瞳をまっすぐ見つめた。
見慣れているはずのアイスブルーの瞳に、ユノの心臓は急にドキドキと跳ねる。
「心配かけてごめん」
「うん」
「ロボットの俺を大切にしてくれてありがとう」
「うん」
「これからもずっと一緒にいてほしい」
「うん……」
ユノはブルーの背中に手を回し、その存在を確かめるように抱き締めた。
これからどんなことが起きてもブルーとなら乗り越えられる。
ユノはそう確信していた──