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こうして僕は、パティシエになった。
職業、「パティシエ」
プロローグ
其処は一見穏やか芳醇な香り漂う、実に寛やかそうに見える処である。
しかし、実際にはめまぐるしく刻一刻と状況の変化する戦場の様な処だ。
私は、とあるケーキ屋で働いている。所謂「パティシエ」と云うものだ。
「自称進学校」と謂われる高校から大学へ進学せず、地元のしがない製菓の専門学校に進み、そこから就職し、3年程立った、特別抜きん出た才能も無い様な百万凡愚が内の1人である。
突然だが、貴方は「パティシエ」と云ったらどの様なイメージを持つだろうか?
「お洒落」「華やか」「楽しそう」「面白そう」等の肯定的なイメージだろうか、
若しくは、
「辛そう」「厳しそう」「修行が大変」「給料が安価い」等の否定的なイメージだろうか。
この問いに対する答えは恐らく千差万別であろう。其れ程この仕事が世間で認知され、一定数の人間が此の職業を志し、挫折するからである。
と私は思う。
因みに私の答えは…-------------
此の場で答えを申し上げたいのは山々であるが、私は未だ道半ばの人間。
もう少々、研鑽を重ねた後に結論を出させて頂きたく存じます。