海と龍
「海に行くわよ!」
試験成功の祝いをかねて、数日の休暇が出た。リリアがそんなことを言ったのは休みの二日目。夏の日差しはいよいよ盛り。万物が明るみ、生命を謳歌する青い夏の時候。休暇でただ暇をした挙句、会社に居残っていた武が捕まった次第である。
「海って、海ならそこにあるじゃないですか」
「違うわよ!海水浴に行くの!」
神部は港町であるからして、当然海の街である。少し高いところに登れば、水平線が持ち上がってくるし、朝の海風に潮の香が混ざる。鳥の声と言えば鴉より鳶より鴎だ。
海に行きいなら走って飛び込めばいいのだが、この若き天才は満足いかないらしい。
「こんな暑いとこに来たのに、考えてみれば海に行ってなかったわ」
「まあ着いた途端に倒産間際でしたからね」
「私海水浴に行ったことないのよ!内陸の田舎にいたから」
「僕もそういえば行ってないなあ。冷えるところだったので」
「じゃあ一緒に行きましょう!」
どうも決定事項らしい。しかし行くといっても、歩いて海に入るだけで無いが楽しいのか。どうも無精者の武にはよくわからない。しかし連れていかれた先で、そんな小さな了見は粉みじんに砕かれた。
造船所の敷地内にあるからには海も近い。むしろ境界線の過半が海である。波除の堤防を上ると、飛行機が浮いていた。このところ睡眠時間より長く見つめた機体だ。
「なぜここに試作機が?」
「決まってるじゃない。これで行くのよ。ここからもう少し南にビーチがあるんでしょ?水上機仕様に改造してあるから、これなら一っ飛びよ!」
小旅行のために飛行機を飛ばすらしい。整備費も燃料も安くないが大丈夫なのか。
「試験飛行が成功したから、ボーナスが出たのよ。八洲一周だってできちゃうわ!」
顔に出た疑問を弾丸の速度で退ける。なるほど、高給取りの派遣技術者で、賞与も貰えばまとまった金だ。青海産業もここで有り金を惜しむわけにはいかないのだろう。
「でも誰が操縦するんです?複座ですよ、これ」
「私に決まってるじゃない」
「できるんですか!?」
「当り前よ。飛ばせない飛行機なんて、作っても楽しくないでしょ!」
かなり強引な理屈だが、分からなくもない。リリアは呆けている見習いをいそいそと座席に詰め込むと、身を乗り出してプロペラを回す。その僅かな回転を呼び水として、エンジンが駆動を開始した。爆音の中、叫び声で会話をする。
「帰った時大丈夫なんですかー!?二人じゃ格納できませんよ!」
「ちょちょいとクレーンを作っておいたからー!帰った後で堤防の脇に置いておけばいいのよ!」
積極性が過ぎる。どこから時間を捻出しているのか本当にわからない。本当にそんな適当でいいのかはともかく、機械の機嫌は良好なようだった。軍楽隊の太鼓のような子気味良い連打音を後ろにして、たちまち雲の国へと昇っていく。
本当なら後部座席に座るものが航法などを行うのだが、武はそんな教育を受けていない。リリアが自分で地図を見て、海岸線と見比べながら進んでいく。
「おお、高い!」
「そうでしょうそうでしょう!気持ちいいでしょう!」
「はい!」
帝都の一番高い建物でも、いや新大陸美州の摩天楼といえど、これ以上の景色は望めまい。天翔ける者のみが許される、文字通り天上の絶景だった。モザイク画のような神部の街並み。これまで横からしか見てこなかった、淡道島の豊かな緑が眼前に広がる。
そして海だ。大海原だけは、この高みからでもなお雄大である。知の力に驕っても、なお偉大なるものがあるのだと教えてくれる。
「この程度の高さだと、まだちょっと丸いくらいにしか見えないけれど。もっと高く、月に届くぐらい飛べば、地球が真ん丸に見えるはずよ」
「行けると思いますか?月」
まだ小説や夢物語でしか語られない世界。人間が、いや大地に生きとし生けるものたちが真空の黒漠を抜けられるのか。まだ誰も挑戦さえしていない。
「行けるわ。私が生まれる少し前に飛んだ機械が、今は私を乗せて雲の上まで運んでいける。私がおばあちゃんになるくらいには、きっと月にだって行けるはずよ」
それでもリリアは断言した。夢ではなく未来を見つめる瞳が、空に溶け込むよう。後ろからその横顔を見やる武には、超然たる女神かと錯覚するほど。だが彼女はどこまでいっても人間であり、それゆえに尊いのだ。
そして前方に集中し過ぎていたため、反応が遅れた。上に九八式とは別の翼が影をおとす。その翼長はこちらの1.5倍はある。
「おお!龍だ!」
「きゃあああああああああ!!」
操舵が思い切り乱れた。先の落ち着きは、たなびく雲より軽やかに消える。
「うわわあわわ!危ないですよ!そんな操縦桿を振り回さないで」
「何言ってるのよ龍よ、龍!逃げないと食べられちゃうわ!」
そこでお互いの文化の差異に気が付いた。八洲において龍は神の一柱として扱われる聖なる獣だが、西州においては悪逆非道にして英雄に狩られる怪物である。
「大丈夫ですよ!老いた龍の縄張りに入るならともかく、ここらにいるのは若いのだけです。好奇心が強いから寄ってきただけですから!水平飛行に戻って!」
「でもでも!丸のみにされちゃうわ!」
「こんな妙なの口に入れませんって!下には魚が一杯なんですから」
龍が近づくと、八洲の民なら寄ってたかって撫でまわすわ手を合わせて拝むわで、暢気なものなのだが。勝手が違うとはこのことか。右往左往するリリアの機体をまだつぶらな目の龍が眺める。本当に襲ってこないと納得するまで、武は曲芸飛行でかかるGの重さというものを、存分に体感することができた。
「この子って青っぽいのね!絵本で見た龍は赤い鱗だったけど」
「龍は環境によって大きく形態を変化させる生き物ですから……」
ぐったりした武の横で、素早く変わり身を終えたリリアは品評にいそしんでいた。
かつて数百種に及ぶと思われていた龍種が、実際のところ一属一科一種の孤立した種族であると結論されたのは、最初の飛行機が飛んだころとほぼ同時期である。
南洋で生まれ育つ時には、海蛇のような幼生体。そこから徐々に体形、体色、四肢の数まで変化して、母なる海から旅立つ。若い個体はそれでも海にとどまるが、やがて海産物では体を動かすエネルギーを賄えなくなる。
そうなれば北方へと赴いて、一年のほとんどを空中での長い滑空と、地下での冬眠に費やす老生体と化す。西州で見られるのはほとんどがこの姿だ。ほとんど動かないが、何かの刺激で狂暴になり、危険である。
巨体と怪力、火を噴くものまでいるが、最大の能力は言うまでも無く飛行。100km以上で風を切るリリアたちに平然と追いつくほどの飛行性能を誇る。
その源泉は金属とも違う不思議な光沢を放つ龍鱗。これが生体電気によって磁場を作り、その電磁波の雲に座して宙に己を固定するのだ。長く研究の対象になってはいるが、多量かつ有機的な弾力運用が必須なため、いまだ実用化には遠い。人の手の届かない生命の神秘だ。
南下するリリア・武機を追って、悠々と翼膜を広げる若い青龍。気に入られたらしい。
「ついてくるけど、親とでも思ってるのかしら」
「多分興味を持ったんだと思います。伝説のように、龍は綺麗なものを好みますから」
「あら!見る目がある子なのね!若い感性って素晴らしいわ!しっかり見とれるのよ!」
異種族にも自分の美意識が通じたのがよほど嬉しかったのか、どんどん機嫌がよくなる。この数十分で西州での常識を脱ぎ捨てたようだった。
そして一時間と少しで、瀬戸の海に映える真っ白な品が見えてくる。八洲有数の景勝地である白浜の輝きだ。
「わあ……」
真砂のきらめきを反射して、リリアの瞳が輝く。武も初めて訪れた砂浜の美しさに、感嘆を口にせずにはいられない。詩才はないのでありきたりなことしか言えないが。
「ずいぶんいい所ですね。八洲にもこんな場所があるなんて」
技術畑にいると、どうしても洋風かぶれになってしまうが、やはりいい国だ、と思う。
「うん!来てよかったわ!あんまり人がいるところには着水できないから、小さい入り江に入っちゃいましょ!降下するわよ!」
舵を左に切ってひねりこむと、坂を滑り降りるように下っていく。龍も、ここが目的地だと分かったのか、翼をたたんで海中へと落ちていく。頑丈な龍でもなければ不可能な急降下着水だ。あっという間に追い抜かれて、大きなしぶきがフロートを濡らす。
「あはは!速いわね!次の機体はもっと丈夫にしましょう。急降下もできるように!」
「あんな真似したら中の人間がぺしゃんこですよ!」
降りしきる海水の雨粒に続くようにして、波の小さな入り江へと着水する。リリアは操縦の方もなかなかの達者だった。角度が悪いと水切り石のように跳ねてしまうのだが、一回で機体を海上に乗せる。
三方は崖か急な坂、海に向かって台形に開けた、静かな浜辺だった。時が絵画のように切り取られた、石と緑の東屋である。ここで呆けていたら、そのまま何百年も経ってしまいそうだった。
「ようし!泳ぐわよ!」
静謐を叩き壊したのは、脱ぎ散らかされて舞う飛行服。リリアのものに間違いない。
「ななな何してるんですか!」
「見ればわかるでしょ」
「分かりません!」
「泳ぐのよ!」
男児の礼儀といてそっぽを向いた武だが、欲に抗しきれず、薄目で目線をやってしまう。
裸でも下着姿でもなかったが、彼にとってはそれに準ずる服装だった。腿の半分も隠さないような短いキルトに、胸全体を覆うさらしのような一枚布。もちろん女学生が使う水着というものの存在は知っていたが、そんなものは妄想をたくましくすることでしかお目にかかれないものだ。ましてここまで大胆な種類があるなど、想像だにしていなかった。
「なによ。最近の新大陸ではこれが流行りなんだから。婦人運動って知らないの?」
「ええ、知りませんとも!僕は田舎者なんですよ!だからもうちょっと慎みのある格好をですね!」
「そんなの私の勝手じゃない!ほら、あの子なんて裸よ裸」
飛行機雲のような細い指が、湾の開口部を指し示す。あの若い青緑色の龍が、えっちらおっちら這い進んでくるところだった。大きな羽をつけている分、空中では素早くとも、泳ぎは鈍くなっているらしい。それにしても警戒心のないことだ、とあきれる。
「龍には鱗があるじゃないですか」
「私だって毛ぐらい生えてるわよ」
「やめてくださいそういうの!」
「なによ、女の子は産毛も生えないって信じてるの?腕にも脚にも生えますよ。いつも剃ってるだけなんだから」
「ああ、そっち」
「そっちて何が?」
「いえ」
どうも分が悪い。というより墓穴を掘っている気がする。技師になるために勉強漬けになってから、数年女子との会話がなかったのだ。練度が圧倒的に足りない。
「ねえ、そっちってなにがどっちなのよ。気になるじゃない」
「泳ぎますか!」
もはやこれまで。瀬戸の海によって栄え海に滅んだ平家の心持ちでえいやと飛び込む。川で魚を取ったりしていたので、泳ぎは体が覚えていた。
「あら、調子が出てきたわね。行くわよ!」
リリアはどこで覚えたのか、流線型に身体を狭めて見事な飛込を披露する。人魚のように、浅い海底まで一気に沈むと、水底の白砂をすくって掲げてみせた。
「ぷはっ!海って気持ちがいいわね!ちょっとしょっぱいけれど、広くていい気分!」
「瀬戸は水がきれいで波も穏やかですから。八洲海だとまた違うんですが」
「あなたは、確か北の方の出身よね?」
「ええ、東北です。まだ貧しい場所ですよ。緯度からいえば、ラインラントに近いですね」
「そうなの。私の故郷はラインラントでは南の方だったから、ちょうど同じくらいかもね。って、きゃあ!」
浮かびながら話している間に、龍のが近づいてきていた。話の輪に入れないのがつまらないのか、リリアにぐいぐいと頭を擦り付けてくる。
「ちょっと、つっつかないでよ!こっちにはあなたみたいな上等な鎧は無いんだから!」
「やっぱり飛行服の方がよかったんじゃ」
「重くって泳ぎにくいじゃない!つまんないわ!」
文句をつけつつも、龍鱗の散乱光を鑑賞している。場所によっては高額な通貨にもなる自然の工芸品だ。生のものを触れられる機会など滅多にない。
武も羽の付け根あたりを指先でなぞってみる。ひんやりとした、水晶のような肌触りだった。感触を気に入ったのか、リリアは大胆にも頸周りに抱き着いた。くすぐったいのか、龍は大きく身をよじって、ついには首をもたげる。
「あはは!高い高い!飛行機もいいけど、これはこれで楽しいわね」
「危ないですよ!喉のあたりは神経が過敏なので触らないでくださいね!」
「分かってる分かってる!」
リスクを許容できると思えば、とことん大胆になれる人間だった。すっかり冒険小説の気分らしい。龍の方もまんざらでもないのか、小さな獣を落とさないよう、ゆっくり砂浜のふちを巡っていく。
「この子、どこから来たのかしら?やっぱり南の島?」
「一時期はそうでしょうけど、この大きさなら一度大陸の北に行って、またこっちに帰ってきたのかもしれません」
「ふーん、あ、そうだ!タケル、地図を出して!地図!」
またも気ままなお願い。水上機の後部座席に、カエルのようにべたりと張り付いて、大きめの絵図を引き出す。何をするかと思いきや、放り投げた地図を広げて龍の横顔に垂らしている。
やりたいことは分かるが、どうやってその発想になるのか。龍は賢い生き物だが、画像の情報を理解できるほどかはまだわかっていない。
「ねえ、あなたどこから来たの?私たちは今ここ、このちょっと突き出たあたりの海岸なんだけど。西州に行ったことある?ほらここね」
「あんまり口元によらない方がいいですよ!牙が鋭いんですから」
武が小言を言っていると、ぐい、と龍の首が回る。落っこちてしまうかと身構えたが、空中で機動できるだけあってリリアの平衡感覚は優れていた。身体を横に回して、布団のように首にかかる。
古い青銅器の色をした鼻づらで、ひげの一本が動く。おおよそ黒潮の流れに沿って地図をなぞり、凍土の平野を通って地球を巡った。
「おお!」
「へえ、けっこう色んなとこに行ってるのね。旅行好きなのかしら?」
リリアはのんびりつぶやくが、武としてはそれどころではない。龍種の知性の高さを証明する出来事をこの目で確認したのだ。
「こ、これは帝大に報告すべき大発見ですよ!雑誌、いや新聞に載るかも」
「いいじゃないそんなこと!新聞には飛行機のことで載ればいいわ!今日は遊びに来たのよ。遊べー!」
リリアの指が武を指し示したことが、なんらかの刺激になったのか。碧い鱗の龍は回頭して、着衣で浮かぶ少年へと進路をとる。大柄な蛇身と翼が波をたて、不可避的に周りの浮遊物を打った。
「ちょ、溺れる溺れる!」
「わあ!沈んじゃダメよ!立ち泳ぎに移行しなさい!」
「んな無茶な!」
「ぐるる」
騒ぎが楽しくなってきたのか、気分の上がった龍が全身を波打たせる。結果、二人揃って塩水の味をしっかり覚えることになった。
二人して笑った。天井の太陽は、真上で雷光のように白熱している。
普通ではちょっと味わえない体験に、肌がふやけるまで浸かってしまった。気の長い夏の太陽も、そろそろおねむになる刻限である。
夜間飛行は危険が伴う。暗くなる前に飛び立たないといけない。
「またねー!風邪ひかないようにね!」
「むしろ僕がひきそうなんですが」
「安心しなさい。低めに飛んであげるから」
龍は浜を寝床に決めたようだった。海岸を区切る左右の崖を橋渡しするように寝そべる。その大蛇のような青い影に思いきり手を振りながら、リリアたちは水から離れた。
生乾きの飛行服は高空では少し辛い。誘った側としてリリアも気を使ったのか、高度300程度で低速飛行に移る。まだ空気に余熱が残るが、その分湿気が蒸発して、丁度いい肌寒さになる。
「龍ってあんなふうに寝るのね」
「小さいうちだと海に浮かんでいることも多いようですが、あの大きさだと難しいでしょう」
「やっぱり結構大きな子なの?」
「こんな南ではあまり見ないくらいには」
最近、大きな龍が現れることが多い。大体は歳をとるうちに、黒潮か親潮に沿って北上していくものなのだが。
「餌が少ないのかな」
「あるいは追われたのかも」
「追われた?」
「ゲルマンの大移動よ。大きな動きがあるときは、より巨大な何かに押し出されたのかも知れないってこと」
理系だけあって、仮説も論理的だった。だが龍を押し出すなど、どんな生物なら可能なのか。西日が眩しい。武は眼を守るように、暗くなる空へ首を振った。
「あれ?」
「どうしたの?」
「いえ、何かの群れが、いや龍だ。龍の群れ」
東の空を、帯のように隊列を組んだ巨獣が行く。最後尾は地平線のさらに先だ。
「本当。上がってみましょう」
そう言うなり、操縦桿を一気に引いて上昇する。薄い空気がゴーグルを叩き、数分のうちに2000mあたりまで到達していた。風が剃刀のように湿気を剥いでいき、その分の体温を奪っていく。
すでに山を見下ろす高度にもかかわらず、龍鱗のゆらめく光はまだ高い。成層圏にまで達する古龍の軍勢が、境なき空に縄を張るようにのたうっていた。
「どういうこと?あれは」
「さっぱりです……。老いた龍が群れるなんて聞いたことがない」
光の縄は、やがて輪となり、下界を睨む単眼となる。やがて夜が水平線から押し寄せてくると、より合わさっていた個体たちがほぐれていき、何処かへと去っていった。
「あの龍、あれに追われたのか?」
龍は老いるほど強い。加齢による衰えよりも、成長することで強化される度合いの方がずっと大きいのだ。あの青い龍も、はるかに巨大で力の強い群れに怯えて、本来の住処より南に逃げたのかもしれなかった。
「なんだか、不気味ね」
リリアの声色にはっきりとした怯えがあった。無謀ささえ感じるこの少女が、なぜ気味の悪さを感じたのか。疑問は後で氷解したが、それはすべてが過ぎ去った後になる。
「行きましょう。専門でもないことに頭を悩ませてもしょうがないですよ」
「…ま、そうね。軍に納入する前に、最後の調整もしておかないと」
大戦終了後の夏。空に極光のごとき輪がかかったと、幾人かの飛行士や民間人、天文台なども証言した。しかし現象が短時間であったこと、光自体それほど強いものでもなかったことから、政府では議題にも上らず、新聞雑誌の欄をいくらか埋めただけであった。