No.53(End) 第11期生徒会始動
これにて第1部は終了となります。ここまでみてくださった読者の皆様本当にありがとうございました。
第2部は2、3週間程お休みをいただいて《10月1日16時》からのスタートとさせていただきたいと思います。
詳細や先行情報は同時投稿の、「作者から読者の皆様へ感謝の言葉&第2部に向けて投稿予定日や先行情報」をご覧下さい。
シャンランが文中で姐姐と言っていますがお姉ちゃんの事ですね。
シャンランの姉でなく違うキャラの姉の事を言ってます。
4年生の皆さんが卒業し、私達在校生ももうすぐ夏休みに入ると言う所、今日も授業が終わり校舎を出た時の事だった。
見慣れない黒いローブに紫のリボン、頭には黒に小さい白い花飾りがついたベレー帽を被り、その手には古めかしい絨毯を持っている。
帽子の下からは赤毛が見え、緑色の瞳をしている。
その姿から「魔女」を連想させ、マリアちゃんと同じぐらいと思われる女子生徒が私に近づいてくる。
「ご機嫌様。私シッディ・ファルマケイヤ・カレッジのルビアと申します。生徒会長さんはいらっしゃいますか?今年は本校共にシャトランスも600年と10年の節目を迎えると言う事でお祝いのお手紙をお届けに上がったのですが」
聴き慣れない学校名に戸惑いもあったが、ルビアさんのカレッジとは仲良くさせていただいているのかもしれない。
失礼にならない様に返事を返す。
「そうだったんですか。時期生徒会長でしたらおりますのでご案内しますね」
と校舎に戻り2階の生徒会室まで階段を使い移動している時だった。
私は前で先導する様に歩いていたのだか、後ろでルビアさんがぶつぶつと何か呟いている。
「全く、あの馬鹿共が手紙が来たって言わないから返事が遅れたじゃない。とんだ恥さらしだわ。魔法医薬学科に対する侮辱よ。異能学科の連中は何考えてんだが」
…なんだろう、学科によってジャンルが違うのかな?
魔法と医学、薬学が混ざったもの?
もう一つは異能、超能力みたいなものかな?
と言うか仲悪いのかなその2学科って。
気になりはするが、部外者がそう言う話に首を突っ込むのは良くないとおもい押し黙ったまま、生徒会室の扉をノックし扉を開ける。
そこには会長椅子に座りクルクルと回っているシャンランさんとその机を挟んでシェパード先生がいた。
どうやら2人で何か話している様だ。
「あの、シッディ・ファルマケイヤ・カレッジのルビアさんと言う方が創立10周年のお手紙を届けに来てくださったんですけど」
その言葉にシャンランさんとシェパード先生が近寄ってくる。
「アイヤー、あの伝統校の生徒さんネ?我、夏休みにサマースクールに参加するヨ。凄く楽しみネ」
「ありがとうございます。魔法医薬学科は夜間学級になりますのでご注意下さいね。お待ちしておりますわ。ではお手紙の方をお受け取り下さい」
とシャンランさんにお手紙を渡している。
しかし、その様子を見たシェパード先生は首を傾げている。
「お祝いの手紙なら総長のリ・タオユン先生からペルケレ先生に送られてきたと言っていたけど違うのかな?」
「あれは異能学科が勝手にタオユン先生に頼んだ正式なものではありません。このカレッジの代表学科は私達、魔法医薬学科の生徒です。実際に生徒数も多く、医学、薬学は勿論、難関大学への進学率も高いのは我が学科です。あんな馬鹿共と一緒にしないでいただきたいですわ」
その言葉に私達3人は思わず苦笑いしてしまった。
シャトランスでは皆んな一緒だし、寮対抗もないので対立意識を持つ事もない。
私もそのカレッジの様に学科が分かれていたらそうなっていたのかもしれない。
「あら、もうこんな時間ですのね。申し訳ありませんがこれからアジア方面で夜間の薬草観察と実験がございますの。それでは失礼いたしますね」
と窓の方に行き「Circulum(円を描け)」と言うとガラスが一瞬で人が通れる広さまで穴が空いてしまう。
「時間が経てば元に戻りますわ。それではごめんあそばせ」
と優雅に手を振りながら絨毯に乗って飛んで行ってしまった。
その様子を呆然と私達は見つめ手を振るしかなかった。
「…シャンランさん、魔法って実在してたんですね。ファンタジーの世界だけかと思っていました」
「何言ってるヨ。こんなの実在するわけないアル。私の頬をつねってみるヨロシ。絶対痛くないヨ。何かの夢ね」
その言葉にシャンランさんの頬をつねるが「イタイ、イタイ」と返事がかえってきたので思わず手を離した。
「世界は広いんだ。まだ私達の知らない力を持った人達や、それを集めた学校もあるだろうね。そうだシャンラン君、役員はどうするのかな?決まっていれば燕尾服も9月になって直ぐに届けてもらえるし、誰を役員にするか決まっているのかい?」
「そうヨ、役員を決めないといけないネ。夏休みそれをずっと考えているのも嫌ヨ。さくっと決めたいネ。そうだ!!カンナ、お前も生徒会に入るあるカ?我、歓迎するヨ。カンナが近くにいてくれた方が私としても安心ネ。大会や学業の成績も優秀だし問題ないヨ」
「えっ!?私がですか!?でも…。私なんかよりもっといるんじゃないんですか?上級生の皆さんにも相応しい人がいると思いますし」
そう言っていると、私の背中を押す様にシェパード先生がこう言ってくれた。
「カンナ君そんなに気を張らずとも生徒会役員は5人いるんだ。皆んなで支え合っていけばいい。それに2年生から役員の経験があった方が将来の為にもなるよ。今後、生徒会役員に選ばれる機会もあるだろうし、寮長に就任しても役員の経験が生かせるかもしれないしね。今でなくても3年生や4年生になった時にカンナ君の役に立つかもしれないよ?」
「シェパード先生ありがとうございます。私、生徒会に全然縁がなかったんです。ですが、これをきっかけに経験を積ませて下さい。拙い所や至らない点もあると思いますがよろしくお願いします」
そのあとお辞儀をすると2人が拍手をしてくれた。
「よし、あと3人ネ。どうしようカナ?」
とシャンランさん達の会話を聞いていると突然携帯が鳴る。
「ごめんなさい。何かワットさんから着信が入ったみたいでちょっと出てきますね」
と生徒会室を出て通話をする。
「Helloカンナ君今どこにいるの?皆んな集まってるからさ、一緒にアイスでも食べようよ。新作のフレーバー食べ比べ、いいでしょ?」
「いや、えっと今生徒会室にいた所なんです。役員にならないかって誘われて…あっ!!私、裏生徒会にも入っちゃてますよね?どうしましょう、このままじゃ私スパイですよ」
「AHH、カンナ君面白いね。「魔女」とか「スパイ」とかジョブ持ちすぎだよ。そういえばさ、他のメンバーってもう決まってるの?教えてよ」
「いえ、私とシャンランさんだけであと3人なんです。今シャンランさんも迷ってるみたいで、出来るなら夏休み入る前に決めたいんですって」
「あと3人か…ちょっと待ってて直ぐアイス食べてそっちにいくからさ。良い事思いついちゃたんだよね、僕って天才じゃない!!」
と言ってあと「ブチッ」と通話が切れてしまった。
通話も終わったので室内に入る。
「お待たせしました。何かワットさんがこっちに来るって言ってましたけど良いですか?」
「ワットが?あいつ何か企んでるヨ。まぁ、役員候補も多すぎて決められないし、何か案でもあるかもしれないヨ。ちょっとここで待ってみるネ」
そのあと、3人で話をしていると「バンッ」と扉が開けられワットさんに引きずられる様にルイスさんとクレアさんがいた。
「おい、てめぇワット何すんだよ!!何も言わずに網使いやがって!!」
「でも仕方ないと思うよ?ルイス、生徒会に入らないって言うんだもの仕方ないよね?」
「というわけで、今日から僕達は裏生徒会なんて嘘っぱちのものじゃなくて、本物の生徒会に入ります。丁度5人だし良いよね?シャンラン君、カンナ君?」
そのワットさんの言葉に私達は目を大きく開かせる。
「良いアイデアヨ!!元々3人は大会成績もいいし、ルイスはこの前から声かけてたネ。カンナは?こいつらクソガキアルヨ?あっ、でももうカンナは悪女だから大丈夫お似合いネ」
「ちょっとシャンランさん!!でも、頼もしい仲間なのは事実ですし、以前からお世話になってました。私もこのメンバーで納得です」
その言葉にシェパード先生は笑みを浮かべ近寄ってきてくれる。
「じゃあ、9月からの第11期生徒会メンバーはこれで決まりだね。役員の内訳はどうするのかな?副会長、会計、書記、総務があるわけだけど」
「副会長はルイスでお願いするヨ。お前の姐姐の仕事がまだ片付いてないヨ。やってもらわないと我が楽できないネ」
「お前自分が楽したいだけだろうが!!まぁいい。わかった、引き受ける。カンナは総務の方がいいな。2年生だし、負担は出来るだけ減らしたい。あとは会計と書記だな」
「その2つだったら数字もそうだし、機械にも強いワットが会計をやった方がいいと思うよ?資料作成とか、打ち込み作業もあるでしょ?」
「ならクレア君は書記だね。よし、これで決まり。やっぱり旧知の仲だけあって連携が取れていいね。…来年からかなり大変な事になりそうだし、皆んな気合い入れていくよ!!」
確かに、手がかりも集まってきて謎が解明されていく中で不安感があるのも事実だ。
私達は協力してスクールの秘密を暴かなければいけない。
それは、生徒会であっても裏生徒会であっても変わらない。
そのあと、後日わざわざイギリスから制服店の方がきてくださって燕尾服の寸法を測ってもらった。
話を聞く所によると、あのルビアさんが通っているシッディ・フェルマケイヤ・カレッジはシャトランスのモデル校で創立の際、正式にその繋がりを認める証として、寮長のローブや生徒会の燕尾服を同じ制服店で制作してもらえるよう取り計らっていただいたという。
シャンランさんが言っていたサマースクールもシャトランスの定員枠が設けられていて参加生徒も多いんだそうだ。
女性でも着こなせるように、個々にオーダーメイドという形で作っていただけるという。
実物が届くのは9月の頭頃だそうなのでとても楽しみにしている。
こうして私達の1年は終わり夏休みを迎えた。
夏休みの初日、空港に着くが私の行き先はニホンではなくアメリカのロサンゼルスだ。
「カンナ、もうすぐ飛行機の時間アルヨ。早く来ないと置いていくネ」
「ライアン君今頃僕達を待ってるよね。早く行ってあげないと、僕に先駆けて美味しいもの一杯食べてるかもしれないよ!!早く行くよカンナ君!!」
「2人とも待って下さい。もうマイペースなんですから。でも私も早くライアンさんに会いたいです。元気にしてるかな?」
こうして私達はライアンさんの実家があるアメリカ、ロサンゼルス国際空港行きの飛行機に乗り込んだ。
「Guardian ・Spirit 〜ガーディアン・スピリット〜ファースト!」End
Next→「Guardian ・Spirit 〜ガーディアン・スピリット〜セカンド!!」
File1夏休み No.1対策会議
No.53(End)を読んでいただきありがとうございました。
自分でも初めてバトル物書いたにしては上手く出来た方だと思っております。
どうにかなるものですね。第2部では守護者もそうですし、新入生そしてBIG7と呼ばれる各国を代表する守護霊使いも登場と相変わらず騒がしくなります。詳細は前書きにも書いてある次の話をご覧下さい。
「シッディ・フェルマケイヤ・カレッジ」はイギリスのイートン校をモデルとした学校です。
昼間:異能学部(男子限定学科) 夜間:魔法医薬学科(女子限定学科)
と同じ建物の中で時間によって、男子校、女子校となる特殊な学校です。
詳しいお話は「サード!!!」第3部のお楽しみという事でお待ちいただければ幸いです。
その中でルビアちゃんが先行で出ていますが、名前の由来は薬草の一種である茜の学名ですね。
学名はラテン語表記ですので、ルビアと茜は言います。
呪文も実はラテン語でした。ですがちゃんとした発言が分からず、音声だけ聞いて空耳の状態です。
案外空耳呪文というのも面白いと思ましたので今後も違う言語でやるかもしれません。
このカレッジは13〜18歳までの生徒とシャトランスとは対象年齢が異なっています。
創立も600年と言っていましたが、イートン校も創立が1440年でこの物語の舞台である204Xに合わせると誤差もあるかもしれませんが600年となります。
次は第2部「セカンド!!」からNo.1「対策会議」をお送りします。
10月1日16時投稿予定です。連載が始まってすぐにシリーズの方にも掲載させていただきたいと思いますのでそちらからでも続けて読んでいただけると嬉しいです。




