No.50 チャンピオンリーグ・決勝
もうすぐチャンピオンリーグも終わりですね。
第1部もあとこれ入れて4話ぐらいですかね?最後までお楽しみください。
剣と剣同士にしたのはカンナちゃんもそうですしライアンの実力が分かり易いからです。
ストレートの真っ向勝負を作りたくて決勝は同じ武器同士にしました。
訂正:ヤンのフルネームを後半で出していましたが、ヴェルヘルムじゃなくてヴィルヘルムでした。
モデルの方の名前をそのままもらっているのでめちゃくちゃ失礼ですね。申し訳ありません。
「よし、今日はここまで。明日は決勝だからな。ちゃんと休めよ」
「はい、ありがとうございました。ラトゥーシュカさん」
いよいよ決勝戦が行われる日の前日、今日はラトゥーシュカさんに最終確認として一通り剣術の稽古をしてもらった。
「本当の話、カンナの剣術ではライアンと肩を並べる事は不可能だ。全ての武器に当てはまるが数年もかけて一つの武器の技術を高める。このスクールに入学して卒業してからやっと1人前に扱われるし、なれるんだ。カンナはまだ生まれる前の雛と一緒だからな」
「確かにそうですよね。でも私の武器は剣だけじゃありません。今まで培ってきた武術やずる賢さがあります。…でもライアンさんはそれを全て知っている。私は今の自分を超えないといけないんでしょうね。そうしないと勝機がない」
「…そうだな。結局、最大の敵は対戦相手じゃなくて今までの自分だろうな。もう、いい時間だ。気をつけて帰れよカンナ」
そのあと、ラトゥーシュカさんと別れ寮に帰ると皆んなが駆け寄って来て声をかけてくれる。
「カンナ、お帰り。いよいよ明日は決勝だね。僕、カンナの戦えた事誇りに思うよ。ライアンとの試合頑張ってね」
「アーリフ君、カンナちゃんにプレッシャーを与えたらダメだよ。でも、ここまで来れるなんて凄いと思う。今日はゆっくり休んで決勝、頑張ってね」
「カンナちゃんが優勝したらドラゴニクヴァルガンは2年連続で優勝者を輩出するんやで。ヴァンダさんの時も初めてで大騒ぎやったし、負担になるかも知れんけど頑張って欲しいわ」
「…皆さん、ありがとうございます。でも、私自身どちらに転ぶのか最後までわかりません。最後まで諦めませんから見届けて下さい」
そのあとの夕食でガンテツさんの願掛けなのかカツ丼を出してもらった。
チャンピオンリーグの優勝者は卒業後、行方不明になる。
それは父が仕組んだ事だろう。
出来るなら、私がこのスクールを卒業する前に全ての謎を解き明かしたい。
このチャンピオンリーグは自身の通過点に過ぎないのかもしれない。
そう考えると、思ったより気分が楽だ。
ここまで来た自分の成果を無駄にしたくないし、優勝するチャンスももうないかもしれない。
でも、私には目的がある。その使命を全うするだけだ。
こうして夜は更けていった。
・
・
・
〜観客席〜
シュン「真剣勝負というのはこういうのを言うんだろうな」
タマミ「確かにそうだねー。もしかしたら、これって神様が仕組んだいたずらなのかなー?だって、決勝で戦う相手がスクールの中で唯一同じ武器同士なんだもん。運命感じちゃうよねー」
〜実況・解説〜
『さて、いよいよ決勝戦だね。いうまでもないけど、剣と剣同士の戦いだね。1年生のカンナがここまで勝ち上がるとは思わなかったよ。1年生で決勝と言うと、メイと4年生だったイオアン以来だからね。凄く懐かしいよ。これは名の如く真剣勝負になるけど、アンペルマンの試合予想を教えて欲しいな』
『同じ武器同士であれば、武器の性能関係なく守護霊動物や個人の技術、体格差に左右されます。だからこそ、この試合はライアン様が優勢だと考えるのが普通なのです。ですが、カンナ様はこれまでの試合不利な状況の中、全力を尽くされてきました。私達は見守るしかないでしょう』
『本当ですな。勝負は最後までわかりません。私達はその結末を見届け、祈るしかないでしょう』
選手の控え室、私は最終確認をして一つ深呼吸をする。
「ここまで来ちゃたね八咫烏さん。なんかあっという間だよね。チャンピオンリーグもそうだし、このスクールの1年もあっという間だった。もう、終わりなんだよねこの1年も」
『そうだな。おい、俺様の約束忘れてないよな。キラキラしたやつ取りに行くぞ。手に入れたら俺様にも見えるように頭のところにつけとけよ』
「えっ、メダルは無理だよ!?重いし…あっ、バッチの事か分かった考えとくね。取れたらの話だけどね」
『何言ってんだバカンナ。俺様が優勝に導いてやる。ちゃんとついてこいよ』
そのあと、ユニコーンさんが選手を誘導するアナウンスをかけている。
「もう時間だね。大丈夫、ちゃんとついて行くから。後は全力でやるだけ。行くよ八咫烏さん」
いつも通り青い防具を付け、作戦と靴紐を確認したあと立ち上がり、試合場へと向かった。
試合場内にはすでににライアンさんがおり、その周りには沢山の観客がいた。
今までのリーグの決勝戦より人数が多い気がする。
その中には今まで接した事のない人からの私への声援もあり戸惑いもあるが、今は目の前にいるライアンさんを見つめ、足を進める。
白線まで来ると、ライアンさんが話かけてきた。
「まさか決勝の相手がカンナになるとはな。…いや、ずっと前から気にはしていて試合の動画も全部チェックしたけどな。いや、決してストーカーという訳じゃないからな!!理事長と一緒にしないでくれよ!!」
「…えっ、父が私のストーカーしてるんですか!?そっちの方が驚きなんですけど」
試合前に何の話をしているんだと、審判さんは左右に首を振りキョロキョロしている。
「カンナ、試合前にこういう話をするのはやめよう。続きはまた今度な。勝っても負けてもこれで最後だ。お互い全力を尽くそう」
「はい、私まだまだ卵の状態でひよっことも言えませんけど、ここまで勝ち上がってきました。ライアンさんの相手として務まるかどうかわかりませんけど全力で挑みます」
審判「両者白線の前へ、武器を用意する者は顕現を」
「王よ顕現を許せ」 「八咫烏さん、顕現せよ」
『おいバカンナ。相手は体格差も技術もある。正面から交えようとすんなよ。俺様達はずる賢いのがいい所だからな」
「分かってるよ八咫烏さん。私は「魔女」だもん。相手を惑わさないと」
と言いながらニヤニヤと笑う。
審判「それでは、始め!!」
ライアン 0ー0 カンナ
試合時間 3:00
その合図と共に歓声が鳴り響いたと同時に私はライアンさんと剣を交える。
ギリギリと音を立てながら摩擦で火花が飛ぶ。
お互いグリップの位置が違うので刃先にガツガツ当たる。
守護霊という特殊な状況でなければ、折れているかもしれない。
「おい、「魔女」は剣も扱うのか?にしては不格好だな。押されてるぞカンナ」
「いいんですよ、それで。どうせ、悪は正義に負けるんです。なら正攻法でやった方がいいでしょ?」
押されてるのは想像の範囲内だ。
私はいつも通りポケットから弾を一つ取り出し、お互いの目の前で爆発させライアンさんが力を緩めたと同時にライアンさんの剣のグリップに、私の剣のグリップを上に持ち上げるように引っ張りライアンさんの剣をひっかけて上に飛ばす。
「八咫烏さん戻って、あの剣を上空に移動させて!!」
「させるか、レオン戻れ!!」
その言葉の後、ライアンさんに拘束技をかけ動きを停止させる。
ライアン 0ー5 カンナ
試合時間 2:50
〜観客席〜
ヴァニラ「やっぱりカンナのアイキドウは凄いわね。ライアンでさえ拘束出来るんですもの」
ヒデキチ「カンナ殿の得点源は剣での攻撃と同じく合気道もあるからな。まさか、こんな所で武道が役に立つとは思わなかった」
シャンラン「カンナは使い慣れてるよ。前より技をかけるスピードが早くなったね。これならトワコ先生の後を継げるよ」
アカリ「それもあるけど、カンナちゃん前より剣の使い手上手になってない?今日は正統派というか、真正面から挑むのかな?」
「まぁ、やってくるよな。ここは素直に先制点を譲るしかないか。剣なんかなくてもカンナなら素手でもよかったんじゃないか?剣いらないだろ」
「そんな事ないですよ。この剣はミランダさんからもらった大切な物なんです。これでライアンさんと戦ってボッコボッコのケチョンケチョンにして欲しいと言われたので約束は守ります」
「あいつ人騒がせにも程があるだろ。だが、俺も勝たないといけないからな。王よ顕現を許せ」
その言葉と同時に手を離すものの胴体狙いでライアンさんに斬りかかられてしまう。
ライアン 3ー5 カンナ
試合時間 2:40
(やっぱりライアンさんの咄嗟の判断力と反応が早い。でも私も負けられない!!)
「八咫烏さん、顕現せよ」
そのあと、胴体狙いで斬りかかろうとするがライアンさんに防がれてしまう。
このままでは点を取るチャンスが作れないので、一回退却する為、弾を5つ出しばら撒いた後剣で切り裂く。
「壁際に移動したみたいだな。なら挟み撃ちだ。レオン戻れ、あの煙幕に向かうぞ。八咫烏が偵察にきてるな、カンナも頭がいいからな。俺達のこの後の行動も読んでるだろ。…なら」
煙幕の中で偵察から戻ってきた八咫烏さんが状況を報告してくれる。
「ライアンさんとレオンさんで挟み撃ちならラトゥーシュカさんの試合と一緒だね。ライアンさんが囮になってレオンさんが本体になる。…ちょっと待って、それってライアンさんがリードしてて、ラトゥーシュカさんが逆転を狙ってて尚且つ胴体狙いが分かっての事だよね。…いい事思いついちゃった。ライアンさんはこの誘いに乗ってくれるかな?」
ライアン 7ー5 カンナ
試合時間 2:30
「カンナお前性格悪いぞ。絶対わざとやっただろ。「魔女」は決勝戦ですらお遊び感覚か。自殺点4点を入れるなんて正気の沙汰とは思えないな」
この状況に観客席はどよめいている。
こんなのタブー中のタブーだろう。
でもこれが私達にとって最善手だ。
これでライアンさんは同じ行動をせざるを得なくなる。
もし、他の手を考えていたとしてもだ。
『ライアンよどうする。このままあの魔女の元へいくか』
「いや少し考えさせてくれ。そもそもラトゥーシュカと同じ状況を作り出したとしてカンナが胴体狙いをしてくると思えない。…成る程な。カンナは俺達を誘導すると同時に、自分には色んな選択肢があると見せかける。疑心暗鬼の状況させてるんだ。つくづく恐ろしいな」
「ライアンさんこっちに来ないね。じゃあ、私達の方から行こうか?八咫烏さんは足が3本あるからくちばしをいれて4つ弾を持てるよね?人間と同じ速度で移動して欲しいの。私は八咫烏さんの速度に合わせられない。頼んだよ」
『まかせろ、俺様をなんだと思ってやがる。八咫烏様だぞ』
そのあと、左右の壁際に別れ移動し試合場内を包むように煙幕を作成する。
〜観客席〜
ワット「Foo!!魔女のご登場だよ!!カンナ君は本当に面白いと言うかクレイジーだよね!!」
ルイス「ついにカンナも頭おかしくなってきてんな。…いや、歴代のチャンピオンリーグの優勝者も変わった人達ばかりだったからね。強さ=変態度の法則でもあんのかよ」
クレア「私頑張って3位になったのに一緒の表彰台に登るのやめた方がいいかな?色々とレベルが違う気がするよ?」
「どっちかはカンナで、どっちかは八咫烏だな。見た目は一緒だ。でも人間と鳥類とじゃ違いがある。見るより、聞いた方がいいな。…右か!?王よ顕現を許せ」
ライアンさんの裏に回ろうと移動している時、近くで足音が聞こえてきた。
「ライアンさん!?でもどうして私がこっちにいるって分かったの!?…いや、もしかして。八咫烏さん、顕現せよ!!」
その言葉に丁度ライアンさんが煙幕の中に入ってきて剣を振りかぶってくる。
私はすぐその攻撃を受け止め、点を取られないように「ギリギリ」と剣を交えて抵抗する。
「迂闊でした。足音を聞いてこっちに向かって来たんですよね?」
「シャトランスの魔女は箒に乗って空を飛べないからな。わかりやすくて助かった」
このままでは押し負けると思った私は、八咫烏さんを霊体に戻し、ライアンさんを交わした後煙のない中央に向かう。
「八咫烏さん、実物顕現して。ライアンさんの足元狙いでいくよ。試合も後2分ここで点差を詰めないと」
そのあと八咫烏さんは低空飛行でライアンさんの所へと向かう。
私もそうだが剣の使い手は手元と足元がガラ空きになりやすい。
自分の弱点が相手の弱点である可能性に賭け、アカリさんにいわれた足元を選んだ。そのあと、点差のカウント音が鳴る。
(よし!!私の思った通りだ。でもまだ優位に持ち込めるまでの点数じゃない。特に3点の胴体は勝敗を左右する大事な得点だ。ここからは3点狙いで行こう)
ライアン 7ー7 カンナ
試合時間 2:00
〜実況・解説〜
『やっとここで1分経過だね。序盤にしてはかなり両者とも激しい攻防を繰り広げていると思うよ』
『途中カンナ様が自殺点を入れた時は思わず鳥肌が立ちましたぞ。ですが、その後のライアン様の行動を見るに自分の考えが読まれて動けない状態だったのかもしれませんな。カンナ様はそのあと取り返しているわけですから無駄な行動ではなかったように見えますぞ』
『この勝負、僕達が思ってる以上にお互いの心理を読み合って駆け引きをしていく。そんな戦いになるだろうね』
「今同点か、なら奇襲作戦で行こう。しばらく煙幕の中にいるか。獲物は逃さないからな」
「…ライアンさん動いてないよね?いや、見えていないだけで本当は移動しているのかもしれない。ここは剣でガードしながら作戦会議しようか。前半の1分を見てると自分でも思ってる以上に動けてるとおもう。でも、後半になるとお互いの手の内が見えてくるし、攻防も激しくなってリードする事自体が難しくなると思う。だから私としては引き分けに持ち込んで延長戦終了後の胴体の数が私の方が多ければいいと思う。だから最後の1:30で必ず胴体をライアンさんより多くとっておきたい。どうかな?八咫烏さん」
『いいんじゃねぇか?だがそうすると7ー10の後、胴体をやり返されたら10ー10になっちまう。するとお互い胴体の数が2回と2回で拮抗だ。そうなると拉致があかねぇ。バカンナ調整しろ、相手に2点を3回取らせてお前は胴体を2つ取る。したら13ー13で引き分けに出来る。相手にそれがバレた時点でリードされるぞ。ちゃんと相手を騙せよ』
2点を3回取らせて、自分は胴体を2回取る。
しかもこれは回数をずらせないし、失敗は許されない。
「…わかった、やってみる」
今ライアンさんは煙幕の中だ。八咫烏さんでも位置がわからない。
狙われるとしたらどこからだろうか?背後の可能性が1番高いだろう。
私はわざとおびき寄せる為に左右は首を振って辺りを確認するが後ろは確認しなかった。2点を相手に取って欲しいなら胴体を相手に向けられない。なら!!」
そのあと、すぐ煙幕の中からライアンさんが現れる。
やっぱり体格がいいだけあって一歩一歩が大きい。
私はわざと手を大きく振ってライアンさんから逃げる。
〜観客席〜
シーグリット「あら、決勝まできて鬼ごっこでもやるつもり?楽しそうね、私も混ぜて欲しいわ」
アポリナル「シーグリット何ゆうとんの!!カンナちゃん頑張りーや。めっちゃええ試合してんのに2人に失礼やろ。何ラトゥーシュカも笑ろてんの?」
ラトゥーシュカ「いや、カンナは良いプリマになれると思っただけだ。白鳥の湖のオデットとオディール、純粋な姫と悪魔の娘どっちの側面も持ってるからな。1人2役やってるようなもんだろ。良い演技だって言いたいだけだ」
アスピリディオン「でもカンナは面白いよね〜。弱いと思わせて強かだし。でも本当に強い人って強い事を相手に悟られない人なんだろうね〜」
私も逃げようとするものの剣をそのまま持って動いていた事もあり、ライアンさんに追いつかれて大きく振っていた腕を掴まれる。
「ライアンさん、離して下さい!!」
と体から離れるように剣で抵抗し、振り向き様に胴体を突く。
(あと2点が2回と3点が一回。試合もあと1分、チャンスをものにする!!)
ライアン 9ー10 カンナ
試合時間 1:00
「八咫烏さん、あと1分だよ。今は離れよう。終了までに相手に攻撃しておけば大丈夫。この点数なら引き分け狙いでもいいから!!」
(さてと、この発言でライアンさんに引き分け狙いの選択肢が出てくるかな。私は絶対3点取って9ー13にするけど、ライアンさん視点だったら自分が3点取って私が2点を取る逆パターンもある。それでも12ー12で引き分けに出来る)
「…成る程な。カンナは引き分け狙いか。すまないがその話乗ってやれないぞ。それはカンナの為でもあるんだ。延長戦に入ったら体力持たないだろ?自分に勝算があって言ってるのか?」
「…まだ、わかりません。でも、延長戦1分で1回でも攻撃できればチャンスはあるかもしれない。いえ、その状態を作ります。私が絶対勝ちます」
両者剣を構え睨み合う。一歩もお互い譲れない。
これは心理戦だ。相手の“本当”の目的を知る為の心理戦。
(多分、ライアンさんは引き分けがベストだと思ってる。延長戦に入れば私の体力がもたない。逆転するチャンスがあるとライアンさんは思ってる。でも本音は言えないし、私が本戦内で逆転を狙ってる可能性すらある。あと30秒、ここは踏ん張りどころだ)
観客席も静寂に包まれる。
誰もが皆んな次の行動を待っているのだ。
〜観客席〜
ルーシー「あーもう何でカンナは動かないの!!相手をボコボコにしちゃうの!!」
アーリフ「カンナにはカンナの考えがあるんだよ。…多分僕の考えで合ってるかな?この試合、延長戦に入ってようやく勝負がつくよね?」
ラントユンカー「アーリフも気付いてたか。やはり基礎は覚えておかないとな。カンナは間違いなく勝ちを狙ってる。あとはライアンが乗ってくれるかどうかだ」
後25秒…20秒…15秒とお互い睨み合いながら時間が過ぎていく。
私がポケットに手をかけた瞬間ライアンさんが動いた!!
剣を持つ腕を狙い攻撃してくる。これで11ー10。
そのあとすぐ私が胴体に向かって弾を投げつける。
ライアンさんは至近距離にいる。投げれば赤の煙に変わりこれで11ー13だ。
その動きにライアンさんは煙幕の中から弾を投げる為に伸ばした腕に向かって一瞬で突きを入れる。
ここで本戦が終了し、延長戦へと移った。
ライアン 13ー13 カンナ
試合時間 00:00
『いやぁ、最後まで白熱した戦いだったね。最後の方お互い膠着してどうなるかと思ったけど最後の最後で動いてきたね。僕もハラハラドキドキしちゃたよ。さぁ延長戦だね。勝利の女神はどちらに微笑むのかな。最後まで楽しみだ』
ライアン 13ー13 カンナ
延長戦 1:00
「おいバカンナあと2点でもいい必ず取れ。じゃねぇと逆転出来ねぇぞ」
「勿論、何度だって取り返すから」
(この延長戦は地獄の1分だろう。攻撃しなければ相手に同点狙いがバレる。八咫烏さんが逆転しろっていったのも私達が同点狙いなのを隠す為だ。でもそれに釣られて本当に攻撃するって事は相手に近づく事でもある。かなりリスキーだ
「八咫烏さん、私は最後の攻撃に備えて下がるよ。八咫烏さんは弾を持ってライアンさんの近くで弾を爆発させて足止めしておいて!!」
「おいカンナ待て!!ゲホゲホ、試合場内煙幕だらけじゃないか。ストック30個全部持ってきてんのかカンナは!?…俺もここまでだと引き分けで…。まずいな、今胴体の回数が多いのカンナか!?しくったな、レオン俺達は胴体狙いじゃないと勝てない。いくぞ、後40秒だ!!」
『何という事だ、あの魔女の手の平で踊らされていたというのか。ライアンよ我々に敗北は許されぬ。あの蛇に負けた恨み今でも覚えおるぞ』
煙幕の中へ移動した私は壁際まで更に移動し、近づいてきてもいいように剣を構える。
(多分、延長戦に入れば自分が何点取らなくちゃいけないのがライアンさんもわかっている筈。2点狙いか3点狙いか?もし、胴体の回数が分かっているなら3点狙いで私から2点を受けて16ー15で逆転。私も3点狙いなら16ー16で引き分け。
分かっていない状態で2点狙いをしてきたらどのパターンでも私がその分取り替えせれば引き分け、敗北濃厚。私の攻撃を回避できれば違うかもしれないけどそうはさせない。…もうどのパターンでも答えは出てる。ライアンさんは必ず胴体を狙ってくる!!)
「八咫烏さん、これでもう最後だよ。ライアンさんの攻撃を読んで絶対勝つよ!!」
そのあと、剣をもう一度構え直し待っているとライアンさんが来る。
私はすかさず駆け寄り胴体に向かって突きを入れようとする。
(ライアンさんにここで逆転されるわけにはいかない!!ここはもう相討ち狙いだ。ライアンさんにも胴体しか選択肢がない!!)
「カンナ、よくここまで俺の行動を見抜いたな。だが、俺は優勝するぞ!!もう犠牲は必要ない俺だけで十分だ!!」
その言葉に私はハッとする。
チャンピオンリーグは呪いの玉座なのだ、でも誰かは座らなくてはいけない。
(ライアンさんは最後まで勝ちを狙ってる。なら胴体じゃない、2点を2回手元に当ててくる!!)
「ライアンさん、貴方までいなくならないで下さい!!その玉座に座るのは私です!!」
そのあとの10秒はまるでスローモーションでも見ているかのようだった。
私が胴体で突きを入れようとして来る時、ライアンさんはその上から腕を攻撃して来る。
私は一瞬の判断で剣を手放し、ライアンさんの内側へ潜り込む。
(ここで、攻撃しても下がっても間に合わない。それに試合場で1番安全なのは相手の内側だ!!)
倒れ込むと同時にブザーが鳴った。
ライアン 13ー13 カンナ
(胴体の回数 ライアン…1回 カンナ…3回)
延長戦 00:00
「ブハッ!?」
多分試合のルール上防具のセンサーが反応してしまうのを避けてライアンさんにキャッチしてもらえずそのまま床にスライディングしてしまった。
「大丈夫か、カンナ!!すまない、今のはキャッチしておくのが正解だったな。起き上がれるか?」
とライアンさんに肩を貸してもらい立ち上がるが、154cmと180cm近くでは足が地面に付かなくなる。
「ありがとうございます。ライアンさん。自分でいうのもなんですけどすごくいい試合だったと思います。今までの集大成ですね。全力でぶつかる事ができてよかったです」
「まさか本戦の時から誘導されてるとは思わなかった。カンナはハリウッド女優にでもなる気か?素直にお前は強いし、誰よりもずる賢かった。完敗だおめでとう。でも清々しい気持ちだ。やっと俺を超えてくれる人に出会えたからな。
重荷が取れた気がする。俺が優勝しなくていいんだってそう思えたからな」
そのあと、煙幕も晴れてきて観客席を見ると沢山の人々の声援と拍手が聞こえてきた。
「これはお前に向けられたものだ。ちゃんと答えてやってくれカンナ」
その言葉に押され、一歩前に出て手を振ると今まで以上に大きな声援が聞こえてきた。
その皆んなの反応に感動し、思わず涙が出てしまった。
「八咫烏さん、本当に良かったね。私、優勝できて本当に嬉しいよ」
『当たり前だろバカンナ。ちゃんと約束守れよな。俺様にも見えるようにつけるんだぞ』
「勿論だよ。ライアンさん、これから表彰式ですよね?一緒にいきましょうか?」
〜観客席〜
ヨハンナ「おめでとうカンナちゃん。私凄い感動しちゃった」
キマイラ『うぅー、うえーん。私もバッチ欲しいよヨハンナ。次はリベンジしようね!!』
マリア「姉さん達何で泣いてんの?そんなに感動する事?私には理解出来ないわ」
ヨハンナ「マリアも入学したらきっとわかるよ。気になってわざわざスクールの見学にきてくれたんだよね?」
マリア「別に、進学先をどこにしようか悩んでいただけ。姉さんが4年生の時に私が入学してこれば留学先でも身内がいるし心強いと思っただけ。でも私は信じたくないし、見たくもない。こんな守護霊達と一緒にいて何がしたいの?兄さん達が言うのお前の守護霊はヒュドラだって。あんな怪物と一緒にいられるわけないじゃない」
ヨハンナ「マリア…。ちょっとでもいいのカンナちゃんもね最初は嫌がってたけどこうして力を合わせて大会で優勝した。マリアも前向きに考えて欲しいな」
マリア「…考えとく」
そのあと、私、ライアンさん、クレアさん3人の表彰式が行われた。
賞状とメダル、そして私には10個目のガーディアンバッチが贈られた。
校長のペルケレ先生からコメントをもらう。
「カンナさんおめでとうございます。1年生での優勝者は1回目のグデーリアン・ヴィルヘルム・ヤンと5回目のジェーン・メイさんと合わせて3人目ですね。現在連覇した生徒はチャンピオンリーグにはいません。更なる高みを目指して頑張って下さい」
「はい、ありがとうございます」
そのあと大きな拍手が鳴り響いたあとライアンさんから声をかけられた。
「カンナ、エキシビジョンは誰とやるんだ?今のうちに決めておかないと大変だぞ。ヴァンダさんも前回入退場口で待ち伏せされて大変だったからな」
「えっ、そうなんですか!?えっと…あっ!?そういえば学年別もチャンピオンリーグにも出てない人がいますよね?私戦ってる所見たかったんです。お願いしてみようかな」
その言葉にライアンさんとクレアさんは凍りつく。
「カンナやめた方がいいと思うよ?いま凄く疲れてるのにシャンランと試合したら死んじゃうじゃないかな?」
「カンナ、負けてもいい。無事に帰ってこい。今のお前にあの戦闘狂を止めるのは無理だ!!」
「えっ、そんなにですか!?」
そんな事言われたら逆に気になってしまう。
「…死ぬ気で行こうか八咫烏さん」
『本当に死なれたら困るぞ。俺様、霊界に戻らないといけなくなるだろ』
そのあと、観客席の方へ行きシャンランさんを探す。
先頭列にいる人に声をかけるとシャンランさんまで声がかかり前に出てきてくれた。
「カンナ、我お前が勝つなんて思わなかったネ。決勝戦いい試合だったヨ。最後まで瞬き出来なくて目が乾燥してしまったね。じゃあ始めるヨ、カンナ。手抜いてると天界まで飛んで行っちゃうネ」
(…それって物理的な意味で何かな?それとも死んじゃうって意味での言葉なのかな。どちらにしても危険かも)
「はい、よろしくお願いします!!」
そのあと、エキシビジョンマッチが行われた。
No.50を読んでいただきありがとうございました。
普通こう言う大会って4年生で最後に優勝させるものだと思いますが、展開が押していまして早く優勝させないと次に進めないんですよね。第二部は歴代の守護者との戦いですしね。
今大会はレベルでいうとかなり低く設定しています。実は「ファースト!」と「サード!!!」しかリーグ戦を行わないのでカンナちゃんを優勝させるならここしかありませんでした。
「サード」になると最後の方で出てきたマリアちゃんは12期生で入学してきて、他にも11期生と12期生と新入生を追加する予定で半分はメンバーが変わる予定です。
歴代の守護者は武器性能やスペックが様々で同じ守護者でも強弱があります。
カンナちゃんはその中で下から1、2番目ぐらいですね。これは多分変わらないでしょうね。
主人公だからと言って優遇はしないつもりです。
チートは個人的にはつまらないと考えてしまう人なのでもし、ライアン死亡ルートの場合カンナちゃんは鏡のまま進行し特訓回もなかったでしょうね。
カンナちゃんに慢心させてライアンにボコボコにしてもらう予定でした。
ですので鏡の状態ではカンナちゃんは優勝できませんし、優勝させません。
あっても2位止まりですからね。
とは言え今進行してるルートが個人的にはしっくり来ているので作者としては満足しています。
大会で優勝したライアンは卒業後誘拐犯に連れて行かれ行方不明になります。
それをカンナちゃん達が助け出そうとする訳ですが、残酷な結末が待っているという筋書きです。
とはいえ、守護者の法則も守れましたからね。これで良いと思います。
カンナちゃんの母国語である日本語で10月は神無月と言います。
元々、偶然カンナという名前にしていて本当は苗字は神社の社、カンナも神の付く名前にしたかったので近未来でも使えるような環奈という名前にしていました。八咫烏が日本神話の出典で神社と縁があるからですね。
神という意味では合ってるので許してください。
タマミちゃんの苗字が水月で無理矢理水無月に見えたので、兄弟を作ればええやんけ。とキョウを作ったのは内緒です。最初の試練でもタマミが6番、カンナちゃんが10番を引いていました。ビンゴも10番でしたね。
その時はミランダと一緒でした。
水無月と神無月、語呂が似てるのでいいかなと思います。
次はNo.51「チャンピオンリーグ・エキシビジョンマッチ」をお送りします。




