No.49 チャンピオンリーグ・準決勝
お待たせいたしました。13時頃から制作して終わったの18時ですよ。
長すぎます。作者も疲れました。
コウモリがランタンになる理由ですが、洞窟内にいることやテレビの映像で暗視カメラという事もあって、目がギラギラしてるように見えたので洞窟内を照らすイメージがあるランタンを選びました。
クレアがコウモリと事をリリアックと呼んでいますがルーマニア語での呼び方です。
お花のライラックと混同しているそうですね。可愛らしい呼び名だと思います。
火の玉も「ウヌ、ドイ、トレイ」「1、2、3」とルーマニア語での呼び方です。
4回戦が終わった次の日、今日はルイスさんも呼んでワットさんと私3人でクレアさんの対策を考える事にした。
「そうだな、クレアの性格が言うならビビリの慎重派だが、根っこは情熱的で熱い心を持ってる。こんな感じか?」
「…えっと、それってどんな感じなんですか?矛盾してますよね、それって?」
「そんな事無いと思うよ。クレア君わね、表には出さないけど努力家なんだよね。でも試合の対する熱い姿勢を理解して貰えなくて、何も言わないわけ。シャンラン君と同じじゃない?自分の試合に対して世界観や価値観を持ってるけど周りに理解してもらえないやつ」
「あー成る程。要するに大人しいシャンランさんって感じですかね?」
その言葉に2人も納得してくれたのか「うん、うん」と頷いてくれる。
「そんな訳でだ、今まで俺達が見てきたクレアの戦い方を言うと。まず、クレアはビビリだ。出来るだけ相手に近づこうとしない。近くのは自分が圧倒的に有利だと思った時だけだ。基本的に攻撃を回避する事に専念して火の玉に攻撃してもらう。だが、3つあるうちの1つは必ず自分の側に置いてるガード用だな。しかも火の玉はアポリナルと同じで大きさを変化出来る。これが有れば火の輪と同じように相手を拘束できるしな。1番厄介なのはそこだろうな」
そのルイスさんが教えてくれた情報を私はメモしていく。
やはりクレアさんとずっと一緒にいるだけあって手の内が分かっているのだろう。
私はクレアさんの事をまだよくわかっていないので、ちょっと皆さんが羨ましいなと思ってしまった。
「でも火の玉を気にして肝心の点が取れなきゃ本末転倒ですよね?4回戦みたいに八咫烏さんに任せた方がいいですかね?」
「確かにそう言う手もあるよね。でもクレア君の場合、守護霊がコウモリだから空中にいても妨害してくる可能性もいるんだよね。この試合だと守護霊もそうだし、武器も色んな場所に移動するから避けたくても挟み撃ちされて点を取られちゃうんだよね。だからクレア君は強いわけ。何かに隠れるか、その分攻撃して点を稼ぐが。今回はかなり極端な作戦になりそうだよね」
「じゃあ、中途半端な事やってると攻撃も出来ないし、防御もできない。メリハリが必要ですね。なら私に考えるがあるんですけど聞いてもらえますか?」
そのあと、2人に作戦を説明しOKをもらったのでそのあとも数個対策を考えたあと、数日が過ぎ準決勝が行われる日を迎えた。
〜実況・解説〜
『さぁ、チャンピオンリーグもいよいよ終わりが近づいてきたね。準決勝第二試合、ライアンは決勝進出確定でその対戦候補である3年生のクレアと1年生のカンナとの試合だね。ランタンと剣この奇妙な組み合わせにアンペルマンはどう試合予想を出してくれるのかな?どちらが勝つと思うかい?』
『結露から申しますとクレア様が優先ですかね。生徒の皆様も試合予想をしている方もいらしゃいましたがクレア様の方が優先でした。ランタンは全範囲、試合場のどこからでも攻撃出来る。デメリットとしてはクレア様は自分自身を守れないと言うこと。それにカンナ様が上手く付け入れれば勝算はあるとおもいます。カンナ様は接近戦ならお強いですからね、ですがそこまでに至る道のりが険しいと言うことに変わりはありませんがね』
『ですが、カンナ様はもう実力者の1人と言っていいでしょう。今回も策を考えられて、まるで「魔女」のように摩訶不思議な試合を見せてくれるでしょう』
「あぁ、そうだね。では2人も準備出来たみたいだし、試合を始めようか?選手は試合場内に来てくれるかな?』
そのアナウンスと共に私は試合場内へと向かう。
白線の前に着いたあと、クレアさんも一歩、一歩土を噛み締めながら近づいてくる。
「カンナの事、大会前からずっと注目してたよ?鏡の頃からかな?剣に変わっちゃたけど、それでもここまで知恵を振り絞ってここまで勝ち上がってきた、凄いと思うよ?」
その言葉にちょっと戸惑ってしまう。
クレアさんは準決勝まで勝ち上がってきた実力者だ。
そんな人に褒めてもらえるのは凄く嬉しい。
「えっ、えっとありがとうございます。私もこうしてクレアさんと戦えて嬉しいです。でも私は貴方に勝ちたい。ここを越えて決勝まで行かないといけない。私は貴方に勝ちます。策は沢山考えてきました。今までの経験を活かした策もです。それを貴方にぶつけます」
「それは私も同じ気持ちなんじゃないかな?私はメダル狙いだけど、銅より銀、金の方がいいよね?あとは試合で決着をつけようか?いい、カンナ?」
審判「両者白線の前へ、武器を用意する者は顕現を」
「八咫烏さん、顕現せよ」
「リリアック、起きてくれないかな?もう試合の時間だよ?」
とケープを託し上げるとリリアックさんが「ハッ」と目を覚ましそこから離れて羽ばたき始める。
『もう、夜更かしは美容の大敵なのに。それに日焼けするのも嫌だわ』
「仕方ないと思うよ?ほら、顕現してくれるかな?」
そのあと、ランタンに変わり「カーン、カーン、カーン」と音鳴らすと火の玉が出てくる
審判「それでは、始め!!」
クレア 0ー0 カンナ
試合時間 3:00
その合図と共に私は、リーグ戦用の弾をばら撒き剣で破壊する。
周りには煙幕が立ち込めお互いに居場所が分からない。
(弾はストックの範囲なら私でも30個は持てる。これを使って試合場全体煙幕で包む。これで開幕1分はなんとか優先に持って行こう)
リリアックさんも八咫烏さん上空に行くことは可能だ。
だから煙に外に逃げても相手に見つかるのは目に見えている。
ならいっそのこと、全て包んで分からなくしてしまえばいい。
これなら5分5分両者ともメリットがあるし、デメリットも存在する。
私にとってこの状況こそ1番有利な状況だろう。
煙幕が無ければ私は一方的に攻撃されるだけだ。
普通に考えて私の方が断然不利な状況だったのだ。
これで優先に傾くわけではないが良い試合が出来るだろう。
〜観客席〜
ワット「Foo!!カンナ君アグレッシブだね。まるでヒーローの登場シーンみたいだよ。豪快でいいね」
ルイス「だが、ここまでしねぇと勝てないのも事実だろうな。クレア相手に隙を見せたら一気に大量得点をかっさられる。全力でやらねぇこの試合勝てねぇからな」
「カンナはどこに行ったんだろう?ウヌは私と一緒にいてくれるかな?ドイとトレイはカンナ達を探してきて、見つけたら攻撃していいよ?」
そのあと、火の玉があちこちに散らばっており煙幕の中で薄暗いが青い炎が見える。
「今クレアさんは手元に一つだけ残してる状態だよね?こっちから2つ見えるし。八咫烏さん協力してクレアさんに近づこう。火の玉が分散してる間に攻撃しないとチャンスが作れない。クレアさんに近づいて大元のランタンを奪うの。あれって火の玉を出す方法もそうだけど、同時にしまう方法もあるよね?行こう八咫烏さん、私の考えが正しいか調べてみよう」
煙幕の中、壁際に沿って移動する。
クレアさんもこの煙幕で自分がどこにいるのかわからない状態だ。
なら自分の立ち位置を確認する為に壁際に移動してる可能性が高い。
クレアさんはビビリで慎重派だってルイスさんが言ってたから尚更そうするだろうと私は考えていた。
そのまま壁際伝いに移動するとほのかに青い炎が見えてくる。
(いた!!ガード用の火の玉だよね。クレアさんも近くにいるはず。こう言う時に隠れられる障害みたいなのがあるといいんだけどな。このままだとお互いノーガードだよね)
そのあと、小声で八咫烏さんに指示する。
「八咫烏さん、今から上空に行って鳴き声を出してほしいの。今私達のいる場所の上空じゃなくて試合場の中央付近でやってほしい。霊体の状態ならいくらでも戻ってこれるし、私達がそこにいるんじゃないかって目眩しにもなる。頼んだよ」
そのあと、八咫烏さんは飛び立ち数秒を『カァー』と鳴き声が聞こえた。
その鳴き声に近くにいる火の玉も反応し、移動しているようだ。
(多分クレアさんも同じように位置を移動してる。奇襲を仕掛けるなら今だ!!)
私はそのあと、火の玉に向かって走りだす。
「見つけた!逃しませんよクレアさん。八咫烏さん顕現せよ」
「見つかっちゃったみたいだね?ウヌ、ガードして。私運動神経皆無で自分でガードできないよ?」
と火の玉がこちらに向かってくるがそれを無視してクレアさんの方へと向かう。
(物は試しだ。自分の考えがあっているのかここで確かめてみよう)
そのあと剣を伸ばし、ランタンの取ってに剣を入りこませ救い上げるように自分のところへと持ってくる。
クレアさんが非力で助かった。
そのあと、私は「カーン、カーン、カーン」と3回ランタンを振る。
そのあと、パカッと小さい扉が開いてこちらに3つの火の玉が戻ってきて本体の中に入って行った。
「やっぱり私の考え通りだったね。よし、今のうちに攻撃するよ!」
私はノーガードのクレアさんの両腕と胴体を狙い、案の定得点がはいる。
しかし、クレアさんもすぐさまランタンを手元に戻して火の玉を一つ出し、私が攻撃しているのと同時に攻撃してくる。
これ以上火の玉が増えないうちに私は後ろに下がり煙幕の中に隠れるように撤退した。
クレア 2ー7 カンナ
試合時間 2:30
(さてと、これからどうしようかな。クレアさん、さっきの行動で思ったより警戒してるはず。でも得点なら私がリードしてる。ここまでプレッシャーを与えて相手のミスを狙うのもいいかもしれない)
「八咫烏さん、ちょっといい?この試合、相手より点が取れれば勝機はある。でもそのためにはクレアさんの近くにいる火の玉を動かさないといけない。身近にいる火の玉が多くなれば多くなるほど私達は不利になる。何かいい案はないかな?」
『その前に点数計算からだな。火の玉は全部で3つだ。そしてそれはこれ以上増えない。何故ならランタンを振っても増えることなく、火の玉が戻ってきたからだ。これを踏まえてこの火の玉の一瞬で獲得できる点数の上限は2〜9点になる。相手が今、何個火の玉を手元に置いてんのかわからねぇが警戒してるなら2つ手元に置いててもおかしくない。それに俺たちが近づけば2〜6点取られる可能性のある点数だ。だからそれ以上取れる状態を考えろ』
「6点以上…それって結構難しいよね?剣なら尚更、体術でも5点しか一気に入れられたことないよ。それにそれが本当なら8ー7で逆転される。なら動かない方がいいんじゃないかな。さっきの作戦もしかして失敗だったのかな…」
私の試合経験が乏しいのが準決勝でも露呈してしまった。
クレアさん相手に隙なんて見せられない、見せれば見せるほどこの試合不利に傾くのだ。
『いやよく考えろバカンナ。8ー7逆転出来る手段を持っているなら相手がその行動をしてきてもおかしくねぇし、実際選択肢に入ってんだろうよ。なら点数調整しろ。自殺点で2ー7から6ー7に変えろ。そしたらガードが1つ外れる可能性がある逆転させないのは保険だ相手は慎重派らしいからな。これで俺様達が動けるならいいだろ』
「分かった、アドバイスありがとう八咫烏さん」
そのあと、私は腕を2回叩く。
この行動に会場内がどよめいている、私達のしたい事がわからないのだろう。
準決勝で自殺点なんて周りからしてみればイレギュラーな事態なのだから。
(でもこれで動きやすくなった。これからクレアさんのところに向かったとして1つガードが外れていたなら一瞬2〜3点しか入らない。でも私は体術で5点入れられる。上手く点数調整すればこの勝負勝てる)
クレア 6ー7 カンナ
試合時間 2:10
「カンナ、火の玉に見つかったのかな?…でもそれっておかしいよね?今、手元に2ついるんだから1つに連続攻撃されたって言うのもおかしな話だよね?わざと自殺点をいれたのかな…何の為に?「魔女」って言われてるだけあるけどカンナの考えが私にはわからないよ、何考えているのかな?…ちょっと怖いかな?ここは慎重に行こうか?2つ手元に置いておこうかな?」
「八咫烏さん、相手の火の玉が動いているか見に行ってみよう。クレアさんの近くでなくても離れている火の玉から計算できるよね?」
そのあと、壁際の沿って移動してみるが一つしか見つからない。
(ならクレアさんは動かしてない。やっぱり慎重だな。これじゃなかなか動きたくても動けない)
「八咫烏さん、流石に試合時間も2分切ってる。後半に備えて同点になってもいいから動いておきたい。まだ拘束技が来ない内に、私が動けるうちにランタンを奪ってそれを八咫烏さんに持ってもらうの。そしたらもう一回近くにいる私は技を仕掛けられるし、いいんじゃないかな?」
『4回戦と同じく役割分担だな。なら俺様が先に行ってランタンを奪ってくる。遅れんなよバカンナ』
「うん」と頷き、八咫烏さんはクレアさんの元へと飛び立つ。
もう試合も1分経過してる状態だ、煙幕も時間経過で少しだが薄れている。
(弾もあと15発ある。…まって、これを使えば至近距離でも点数を稼げるんじゃないかな?)
やってみる価値はある。
すると、何かと何かがぶつかる音がする。
八咫烏さんがランタンを奪おうとして火の玉達やクレアさんが抵抗しているのだろう。
しかし、今は霊体の状態だランタンの攻撃も回避出来るし都合の良い事に一方的に物体に触る事ができる。
相方を信じて私はその様子を見守る事にした。
そのあと、音が静かになる、そのあと黒い影がこちらへと向かってきた。
八咫烏さんがランタンを咥えて持ってきてくれたのだ。
「カーン、カーン、カーン」と鳴らして火の玉が入っているのがわかる。
「八咫烏さん、ありがとう。あとは私に任せておいて」
『あまり時間ねぇぞ、このチャンス物にしろよ」
すぐさまクレアさんの元へ駆け寄り、拘束する為技を仕掛ける。
そのあと、ポケットから弾を3つだし腕に投げつけるとクレアさんの防具の色である赤に変色しているのがわかる。
(よし!!これでも点が入ってる、これを上手く使えば勝機はある!!)
クレア 6ー18 カンナ
試合時間 1:30
「…リリアック助けてくれるよね?戻って、顕現してくれるかな?」
その言葉を聞き私は遠ざかろうとするが、もう遅かった。
今の私は無防備な状態なのだ。
「今12点差だっけ?思ったより点差が開いちゃったかもしれないね?でもすぐ取り返せるからいいかな?」
そのあと、「カーン、カーン、カーン」とランタンを振り3つの火の玉が出てくるがその大きさに私は驚愕する。
火の玉が先程より大きくなり直径1mはあるのではないかと思うぐらい大きいのだ。
ルイスさんからも拘束されると聞いていたとはいえ、想像以上に大きかった。
〜観客席〜
ワット「うわ、いよいよ来ちゃったか。これからが本番だよね。クレア君の拘束には逃げられないよ。カンナ君はこれを攻略出来るかな?」
ルイス「どうだろうな。でも、素直に拘束されてた方が八咫烏がその分動けるからいいんじゃねぇか?ランタンを使えないのはクレアも同じだろ?拘束してんだから」
「ウヌ、ドイ、トレイ。カンナを拘束しててくれるかな?」
そのあと逃げようとするものの3つの火の玉に囲まれ、隙間を作らないようにギチギチと締め付けられる。
(落ち着け私、今胴体と両腕で7点。14ー18まだリードはある。ここは黙って捕まってた方がいい。クレアさんにとってこの方法は博打と一緒なんだ。今のクレアさんはノーガード。でも私には八咫烏さんがいる。攻撃をそちらに任せてもいいんだ)
クレア 14ー18 カンナ
試合時間 1:00
〜実況・解説〜
『さぁ、今試合場内は大変な事になってるね。カンナが拘束されて八咫烏は様子見てる状態だ。指示を待っているのかもしれないね。試合もあと1分、ビィーンは今後はどんな試合展開になると予想するかな?』
『そうですね。今クレア様が逆転するには6点が必要です。それを自分自身で獲得するのか、それとも守護霊にお願いするのかわかりませんが、カンナ様が動けない限り一方的に攻撃してくるでしょう。このまま動かす気もクレア様には無さそうですからね』
多分、クレアさんは試合終了まで私を拘束する気だ。
なら私に考えがある。
手だけでも動かせないかと試しに動かしてみると右手だけは辛うじて動かす事が出来たのでポケットに手を入れて残りの弾を全部だして下に落とす。
(これで近づいてきたクレアさんに攻撃する。踏んでくれればトラップにもなる。八咫烏さんにも指示を出しておこう)
「八咫烏さん、クレアさんはこのまま私の拘束する気だから私を助けるよりクレアさんを攻撃して。八咫烏さんだったら私の考えがわかるよね、信頼してるからこの指示を出すんだよ。頼んだよ!」
そう指示を出すと八咫烏さんはクレアさんに向かって滑空していく。
「だったら私はカンナを攻撃すればいいよね?お互いノーガードだし?」
その言葉を聞いた後、クレアさんがこちらに近づいてきたのを見計らい地面にばらまいた弾を足で土を飛ばし、隠れるようにカモフラージュする。
クレアさんがこちらに向かってくると運良く弾を踏んでくれ弾が弾けて煙が舞う。
点数には入らないものの動揺するだろう。
私は近くにある弾をクレアさんの足元目掛けて蹴ると、3つ中1つ当たってくれた。
「カンナは悪い子だと思うよ?ちょっと大人しくしてくれないかな?」
一回拘束を解かれたかと思ったらさらにきつく拘束される。
これでは手も動かせない。
クレア 21ー20 カンナ
試合時間 00:30
『あと30秒だな。バカンナ、1つでも当てたのは褒めてやる。これで間に合うぞ。ランタンをとっちまえば、こっちのもんだ』
八咫烏さんはすぐさまクレアさんの持ってるランタンを奪って、3回「カーン、カーン、カーン」と鳴らし、私は火の玉の拘束から解放される。
「ありがとう八咫烏さん。そのままランタンを持ってて。クレアさんの手元に戻って火の玉が出てきたらもう一回ならして火の玉を戻して!」
私はすぐさまクレアさんの元に駆け寄り、拘束した後左ポケットにある残りの弾2つを同じように腕に投げつける。
残り15秒、今21ー29このあとのクレアさんの行動を考えればギリギリだ。
3つ火の玉があると9点取られる可能性がある。
一つでも良い、八咫烏さんが火の玉を戻してくれれば勝てる!!
そのあと、クレアさんの元にランタンが戻ってくる。
しかし、私はクレアさんから拘束を解かないし、解けないのだ。
出来るだけ、目眩しをしようと近くにあった1つの弾を投げつけるが「カーン、カーン、カーン」と鳴り響く。
「八咫烏さん、後は頼んだよ!!」
そのあと、急降下してきて1つランタンを鳴らし火の玉が1つ戻る。
「カンナを拘束してくれるかな?…あれ、大きくても2つじゃ間に合わないよね?3つで拘束しないと勝てないよね?私、負けちゃったのかな?」
それと同時にブザーがなる。
クレア 26ー29 カンナ
試合時間 00:00
「ありがとう八咫烏さん、ギリギリだったけど何とか勝てたね。感謝しかないよ。1人だったら絶対勝ててないもん」
そんな話をしていると、拘束を解いた筈なのにクレアさんは床にそのまま突っ伏してしまっている。
震えているので泣いているのかもしれない。
私はそっと、クレアさんに声をかけた。
「クレアさん。私、今までクレアさんの事、知ってるようで知らなかったんです。でも試合を通してクレアさんが凄い人なんだなって初めて知りました」
「…カンナの方が凄いと思うよ?勝者は堂々としてていいんじゃないかな?悔しいけど3位決定戦もあるし、泣いてる暇はないと思うよ?カンナ、お互い頑張れるかな?いい結果残せるかな?」
「勿論です。私はクレアさんに勝ったんですから。決勝でライアンさんと戦って優勝を目指します」
そのあと、握手を交わしてクレアさんと一緒入退場口に向かった。
そこにはワットさんとルイスさんがいた。
「見ててハラハラドキドキしちゃったよ。クレア君はよくがんばったね。後でアイス食べる?もう6月だし、美味しい季節になってるよ?」
「試合前にお腹壊すの嫌だからいいかな?冷え性なの知ってるよね?」
「えっ、そうなんですか?初耳ですよそんな事!?やっぱりクレアさんってミステリアスというか私の知らない顔がたくさんありますね」
「おいカンナ、雑談してる暇ねぇぞ。決勝に出るんだろ。もう時間がねぇ。明後日が3位決定戦と決勝だラトゥーシュカが寮で待ってる。反省会と作戦会議するぞ」
「あっ、そうですね!!すぐ行きます」
そのあと、シルヴェスタアース寮に移動してラトゥーシュカさんから決勝戦の説明を受ける。
「いよいよ、決勝だな。正直言ってお前がここまで出来るとは思ってなかった。俺から教える事はもうほとんどない。同じ剣同士ならそのエキスパートであるお前が1番知ってるだろ。全て使え。これまで培ってきた知識経験を活かせばライアンと良い勝負が出来るかもしれない。だが、油断するなよ。ライアンはお前の手の内を知って警戒してる。同じ事を繰り返しても上手くいく筈がない。そこは「魔女」であるお前に任せる。自分で自身のバトルスタイルを確立させろいいな」
「はい、確かにここまできたら吸収出来ることも少ないかもしれませんね。でも、個人的には剣術の基礎をもう一回確認したいです。…なんか今までまともに剣を使ってない気がするので。それで新しい作戦や技も習得できるかもしれませんしね」
「そうだな。シャンランの奴が剣も持ってるらしいから基礎からやる直すか。明後日が決勝戦だ。学年も年齢も、性別も体格差も関係ない。強い奴が試合に勝つんだ。お前が堂々とライアンと試合してるところを見せてくれ」
そのあと、準決勝の反省会も終わり自分の寮へと帰った。
いよいよここまできた明後日の決勝戦、自分がどこまでライアンさんについて行けるかわからないけれど、みんながハラハラドキドキしてくれるような試合にしたいと思う。
こうして夜が更けていった。
No.49を読んでいただきありがとうございました。
カンナちゃん作者が思ってる以上に強すぎてです。もうちょっと苦戦して欲しいなというのが正直な感想でした。
計算すれば詰められる試合なので仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね。
次はNo.50「チャンピオンリーグ・決勝」をお送りします。
ライアン死亡ルートだとここの結果が分岐し、第2部につながる予定でした。
詳しい話は第2部でご紹介します。
9/5、16時投稿予定です。




