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Guardian・Spirit 〜ガーディアン・スピリット〜ファースト!  作者: きつねうどん
File6 チャンピオンリーグ挑戦
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No.46 チャンピオンリーグ・3回戦

今回、弓との対決ということで矢の本数も得点と時間の間に記載しています。

確認は取っていますが時間経過で回復するということもあって計算がごちゃごちゃしてしまい下書きの後半を書き直したぐらいです。合ってるかは別として雰囲気でお楽しみください。

計算間違いをしていたら申し訳ありません。

作者は数字に弱い人なので気付いたら訂正しておきます。

用語説明:文中で(えびら)という単語が出てきますが矢を入れる入れ物です。

弓道だと筒状が有名ですが、今回はストーリー上矢が見える箙を採用しています。

2回戦が終わった次の日、3回戦までくるとドンドン人が減ってきて次の試合もすぐ行われるので早めに対策を考えようと、今日はシュン君とシーグリットさんに手伝ってもらい弓、長距離攻撃の武器対策を一緒に考える事にした。


「やっとカンナさんの力になれるな。一回戦は近接系、2回戦は防具系だったしな。ショットガンと弓はジャンルは違えど、弾や矢が消耗品というのは似通っている。それに前も言ったが、接近戦になると無防備になるんだ。それは俺みたいな初心者だけで、ヒデキチさんにそれが当てはまるかは分からない。この試合カンナさんにとって苦しい試合になると思う」


「でも、カンナはそれを承知の上で戦うんでしょ?だったら私達もベストを尽くさないと。こういうのは攻撃に慣れるのが1番よ。大丈夫、痛く無いわ。ちょっと水圧で苦しくなるだけよ。ほら、次は苦しく試合になるんでしょ?慣れておかないと」

とシーグリットさんはハーブさんを水鉄砲に変え、こちらに向かって打とうとしてくる。


「シーグリットさん、やめてくれ。カンナさんが大事な試合前に風邪をひいたらどう責任を持つつもりだ。レインコートを貸そう。これで大丈夫だ」

「いやシュン君止めてくれないの!?物理的に苦しいって意味でシュン君は言った訳じゃないよね!?」

これからの2人の行動に予想がつかないので一応レインコートはもらうとして、打開策がないか2人に聞いてみる。


「そうだな、良い資料集めになればと思って2回戦のヒデキチさんの試合を見に行ったんだ。もしかしたらヒデキチさんは裏技を知らない可能性がある。一度も弓を霊体に戻して矢を回復させていなかったからな。時間経過で増えた矢を使っていた」

「あら、裏技があるの?私にも教えて欲しいわ」

とそのあとシュン君とシーグリットさんだけで話し合いを始めてしまった。


「あ、あの…。私の試合について教えてもらいたいんだけど…」

「あぁ、すまない。頼まれると断れなくてな。その話を踏まえると今回の試合はカウンティングが重要になる可能性がある」


「カウンティング?矢の本数を数えろって事?」

「成る程、シュンは冴えてるわね。私は水だから無造作に打ちまくってたわ。いい?カンナ。試合で使える矢の本数は限られてるの。試合前に準備出来るストックが30本。それと時間経過で一本/6秒で回復するわ。なら試合中最大60本しか持てない。しかも最後の一本は丁度試合終了時に回復するから実質59本。これを詰めていけば最大6秒は相手を丸腰に出来る。その隙にどれだけ攻撃出来ると思う?3回は可能よね?組み合わせによるけど6〜9点は稼げる。ただ、カンナはガードがまだ上手く出来ない。弓なら尚更、相手から点を取られるでしょうね」


「…成る程。じゃあ、その使える59本を自分の都合の良いタイミングで使用させて優位に持ち込めば良いんですね。でもヒデキチさんはどのタイミングで矢を射ってくるんですか?」

「まず、開幕で俺と同じように煙幕を作るんだ。矢の先端がどこかに触れると弾と同じように弾ける。それで8本消費していた。そのあとは矢のストックや試合状況にもよるだろうな。射程は55mショットガンと同じぐらいだな」


「なら中央にいると、試合場全範囲が射程圏内ね。上手く壁際に誘導するか、カンナが壁際に下がらないと安全圏を作れないわ」

「なら、最初にヒデキチさんを壁際に誘導してそれと同時に私も下がった方がいいですよね?それなら射程圏内からも遠のくし。ヒデキチさんは八咫烏さんにお願いしようかな」

そのあとも対ヒデキチさんに向けて、全体の試合の流れを簡単にだが作り。

3回戦が行われる日を迎えた。


〜実況・解説〜


『さて、ここまで来ると段々実況も違和感無くなってくるだろう?今日は3回戦、ここまで来ると実力者達が残ってくるね。今回も2回戦のように白黒ついた組み合わせだ。1年生のカンナと3年生のヒデキチとの対戦だ。この試合、アンペルマンはどう見てるかな?』

『今回の組み合わせは剣と弓、近接系と長距離系ですね。カンナ様は2回戦、3回戦と対極的な武器達と戦うんですね。個人的にはやはり弓の方が有利に思えますね。ヴィーンさんはいかがでしょうか?』


『そうですね。やはり私もヒデキチ様の方が優勢におもえます。剣のカンナ様に弓はいささか不利な気がいたしますぞ。ですがヴァニラ様も打ち破った剣で弓も倒せるなら間違いなくカンナ様は実力者と言えましょう』

『1年生はシャッフルのあと、殆ど脱落してるからね。是非お嬢さんには頑張って欲しいよ。では試合準備も出来たみたいだし、選手は試合場内に入ってくれるかな?』


そのアナウンスの後、私は試合場内へと足を進める。

試合場内には既にヒデキチさんがおり、白線の前で待っている。

「2回戦のヴァニラ殿との試合見せてもらった。カンナ殿の発想力は素晴らしいな。あんな作戦誰も思いつかない。ブローチに目が行くのはカンナ殿と八咫烏殿だけだろう」

(褒められているのか馬鹿にされているのか分からないな…)


「まぁ、ヒデキチさんもご存知でしょうけど八咫烏さんは知的でずる賢い存在ですし、私にはピッタリの守護霊だと思います。武器も八咫鏡から草薙剣に変わりました。ヒデキチさんとお会いした後、個人的に調べたのですが弓もニホン建国の際、縁のある武器なんですね。ですが私はこの剣で貴方に勝って、自身の力を証明してみせます。もう、舐められたくないですからね」


審判「両者白線の前へ、武器を準備する者は顕現を」

「小梅さん、顕現なさい」 「八咫烏さん、実物顕現して」

(作戦通り、八咫烏さんにはヒデキチさんを誘導してもらって私は後ろに移動しよう。まずはヒデキチさんの反応が見たい)

審判「それでは、始め!!」


    ヒデキチ 0ー0 カンナ

      (矢の本数:30本)

    試合時間 3:00


その合図と共に私は後ろへと走り出し、八咫烏さんにはヒデキチさんが追って来ないように足止めしてもらう。

しかし、ヒデキチさんも予想付いていたのか八咫烏さんの間をついてこちらに矢を放ってくる。

当たりはしないもののシュン君が言っていた通り、煙幕をこちら側に作るようだ。

(ヒデキチさんはこんな事で狼狽えたりしないよね。3年生という事もあって試合慣れしてる気がする)


壁際までたどり着き、この様子を見ると足止めするより矢を使わせてしまった方が良いと思った私は八咫烏さんを剣に戻し、手元に戻し煙幕の中で作戦会議をする。


「今、煙幕で8本使ったから22だよね。ここから6秒毎に1本回復する。出来るだけ早めに消費させて隙を作りたい。どうしようか?」

『それは難しい質問だな。矢を消費させたいなら自分が相手に近づいて射ってもらうのが1番だ。だが当たる訳にはいかないだろ。そういう案もあるがあれは最終手段だ。今、当たる訳にはいかねぇ』


「矢に当たらず消費させる方法…。ねぇ、八咫烏さん。ならいっその事、矢を使えなくしちゃえば良いんじゃないかな?ここはリスキーだけど、試合後半の事を考えれば有益だと思う。この試合は逆算しないと勝てないそういう試合だから。今ある矢を全部を奪って自分で消費したり、遠間隔でバラバラに矢を配置する。ヒデキチさん、矢を入れ物に入れてなかった?あれを狙おう。確かセンサーに当たらないように背中に装備してたはず。背後からいけば案外気づかないんじゃないかな?」


『なら俺様が確認してきてやる。あいつらの位置とその入れ物が(えびら)かどうかもな。矢筒なら奪うのは難しいぞ。剥き出しじゃねぇと俺様も奪えないからな』

そのあと、八咫烏さんは飛び立ち偵察をしてくれている。


「八咫烏殿がこちらに来ているな。カンナ殿はまだ煙の中か。しかしまだ点が取れていない。いや、焦りは禁物だな。あちらが動くまで少し待ってみるか」

『ヒデキチさん、矢には上限があります。いま30秒経過して27本手元にある状態です。くれぐれも矢が尽きる事がないよう注意して下さい。こちらに近づかれても対抗できなければ一方的にやられるだけですから』


「勿論だ、いつも心得ている事。しかし、この状況だからこそ焦ってしまうものだな。心を落ち着かせなければいけない、精神統一が必要だな」


    ヒデキチ 0ー0 カンナ

      (矢の本数:27本)

    試合時間 2:30


八咫烏さんが偵察から帰ってきた後、その間に考えていた作戦を彼に伝える。

「ねぇ、私の考えを聞いて。矢は時間経過でこれからも増え続ける。最大で60本。でもその全てをヒデキチさんが射てる訳じゃない。いや、そうなるように仕向けるの。盗んだ矢をバラバラに配置してヒデキチさんの移動距離と一緒に時間を稼ぐ。どうかな?」

『それは良いにしても、カンナお前はどうする?矢を盗むのは俺様しか無理だろ。お前は移動しねぇのか?』


「私も出来るなら移動したい。でもその為には隠蓑が必要なの。今日は作戦案の中に弾を使用するものはなかったから持ってきてないの。同じ手を使ったら対策されちゃうし。だから現地調達するしかない。3本矢を持ってきて。そしたら少しは動けると思うの」


『お前、鳥使い荒いな。しょうがねぇな、行ってやるよ』

と八咫烏さんはヒデキチさんの後ろを回るように旋回し、ヒデキチさんも気づき警戒はするが点を取られている訳ではなく、矢を八咫烏さんに向けても仕方ないので運がいい事にスルーしているようだ。

まさか、点じゃなくて矢が奪われているとは思わなかったのだろう。

そのあと素早い動作で矢を加えてこちらへ戻ってくる。


「ありがとう、八咫烏さん。少しずつでもいいから持ってきて私も囮になるからさ。後2本、お願い」

そのあと私は八咫烏さんと離れ、右側の壁に沿って走り出しヒデキチさんにワザと見つかるように煙幕から顔を出す。

それを見たヒデキチさんが凄い速さで「ビシュン、ビシュン、ビシュン」と3本の連射攻撃をしてくる。


初手の矢が足元に命中し、次の腕や胴体狙いはなんとか避けられた。

しかしこんな攻撃で引き下がる訳にはいかない。

持ってきてもらった矢をここで消費しようと、避けた矢で出来た煙幕と一緒にカモフラージュしながら壁に矢を打ちつけ同じく煙幕を作る。

そのあと、ヒデキチさんの反応を見ながらも、ひっそりと煙幕に紛れ込みながら彼に近づく。


      ヒデキチ 2ー0 カンナ

      (矢の本数:26本)

      試合時間 2:10


〜観客席〜


シュン「不味いな。開始50秒で全然矢を消費できてない。相手もかなり慎重だな。消費を最小限に留めている気がする」

シーグリット「真面目なヒデキチが相手だもの仕方ないわ。でも重要なのは矢の本数じゃなくて点差よ。カンナはまだ逆転出来るチャンスがある。そのために私達でアイデアを出し合ったんでしょ?一方的にやられても面白くないもの。足掻いてもらわなくちゃ」


少しずつだが、合わせて3本八咫烏さんが持ってきてくれたので、なんとか壁際だがヒデキチさんの真正面にくる事ができた。

煙幕もあるので良い隠蓑になっている。


「よし、ここで最終手段を使うよ。かなりリスキーだけどここまできたら、これしかない。正面突破で行くよ八咫烏さん!!後は任せたよ!!」

そのあと、すぐ煙幕の中から出てヒデキチさんに駆け寄る。

八咫烏さんを剣の姿に変え、胴体はガードしてるものの殆ど捨て身の状態だ。


この機を逃さず、ヒデキチさんは無数の矢を射ってくる。

しかし、その数を私は見逃さなかった。12本その場で消費している。

そしてその6本分が私の両腕に当たっている。これなら良い方だろう。

半分が箙の中に入っているのだから。それをここで全部ぶちまける!!


「八咫烏さん戻って、実物顕現して!!」

その指示通り八咫烏さんは煙幕から上空へ移動し、ヒデキチさんの箙目掛けて飛んで行き、残り12本の矢を全てぶちまける。

その光景に混乱しているヒデキチさんをよそに、必死でその落ちた矢へと私は向かい4本拾ってヒデキチさんにこう言った。


「ヒデキチさん、さっき12本使って6本当たってましたよね?合計12点です。私は諦める為に捨て身を取った訳ではありません。勝つ為に捨て身をとったんです。12点、そっくりそのままお返しします!!」

そのあと、ヒデキチさんの胴体目掛けて矢を投げつける。

防具の赤い煙が立っているので全て命中しているのがわかる。

元々、矢もなくノーガードだったので当然だろう。


「八咫烏さん!!今のうちに矢をバラバラに配置して!!絶対勝つよ!!」


     ヒデキチ 14ー12 カンナ

 (矢の本数:ヒデキチ5本(2:10〜1:40の30秒間の回復分)地面:8本)

     試合時間 1:40


〜観客席〜


シャンラン「くぷぷ、何あるかあの娘。面白いあるナ。(わたし)気にいったヨ。あの母親からこんな娘が生まれるなんて思わなかったネ。…いや、父親がマットサイエンティストだからそっちに似たあるナ」

アポリナル「シャンラン、ここにいてええん?めっちゃ電話なってんねんけど。呼んでるんとちゃうん?」


シャンラン「そういうのは大体いけない電話だから出なくていいヨ。我は良い子だから出ないヨ。騙されないネ」

ルイス「騙してんのお前だろうが!!生徒会の仕事サボってんじゃねぇーよ。全く、姉貴ですらサボってないのに元気すぎるのも問題だな。そんなに戦いたいのかよ。俺がやりたいのは山々だけど、選ばれた人しか出来ない仕事なんだからちゃんと自分の責務を果たせよな」


クレア「シャンランは戦闘狂だから仕方ないと思うよ?ねぇ、早く生徒会室に戻った方がいいんじゃないかな?」

シャンラン「別に仕事サボっる訳じゃないヨ。チュウゴクから帰ってきたら何故か次期生徒会長に任命されてて、役員候補を探してただけだヨ。早く仕事サボれるように優秀な役員を探してそっちに全部任せたいヨ。生徒会長はお飾りでいいんだヨ。ルイスよかったら役員に指名してあげようカ?ケリー家はもう融資しないから私も安心ネ。融資者とは近づきたくないヨ」


ルイス「…結構だ。今の俺じゃあ姉貴みたいに燕尾服を着るのにふさわしい人物なのかもわからねぇ」

クレア「そんな事ないと思うよ?まずはきてみないと、わからないんじゃないかな?それからでも相応しい人物になれると思うよ?」

シャンラン「我だって実質腰に巻いてて着てないネ。ボロボロの雑巾ヨ」


「やはりカンナ殿は侮れないな。今、2点リードだが矢の本数が少なすぎる。だが、攻撃しないと相手に手を取られる。10本は必要だ。先程の攻撃で不意を突かれて壁際に矢が移動されているな。そこまで行くには時間ロスになる。回復するのを待つしかないか」


周囲の状況を確認するため一回煙幕から離脱した私は、矢を移動させてくれた八咫烏さんに声をかける

「よし!!上手くいったね、ありがとう八咫烏さん。試合も後半だし良い勝負が出来そうだよ。まずはヒデキチさんに取られないように近くの矢から回収していこう。煙幕もあるしいける!!」


私は再度残った近くにある4本の矢を集めるため、煙幕の中へ飛び込みが至近距離で矢を向けられる。

「カンナ殿、私の手元は0ではないぞ。警戒を怠るな」

その言葉に私は満面の笑みで答える。


「ありがとうございます。ヒデキチさんはお優しいですね。でも私は悪い子ちゃんになってしまったので言う事は聞きません。その言葉そっくりそのままお返しします!!」

すぐさま回収した4本の矢を彼の足元に投げつけ、八咫烏さんを剣に戻して突きを入れる。

至近距離なのでお互い攻撃が当たる。

ヒデキチさんも時間経過で5本手元にあり、4本はお互い相打ち最後の一本は手元狙いで攻撃してくるが素早く剣を出し防ぐ事ができた。

これでお互い全部使い切った状態となった。

 

      ヒデキチ 30ー27 カンナ 

      (矢の本数 ヒデキチ:0 地面4)

       試合時間 1:10


(あと残り1:10、回復は7ー1で実質6本使える。そして地面に4本の計10本。なるべく壁際まで行かれて矢を回収されたくない。ここは突きを入れて同点を狙う!!)


しかし、その攻撃はヒデキチさんに見破られておりガードしてくる。

しかし、弓もそこまで面積がある訳ではない。

隙間をついて突きを入れる、これで同点だ。


      ヒデキチ 30ー30 カンナ

      (矢の本数 ヒデキチ:0 地面:4)

      試合時間 1:05


〜実況・解説〜


『さて、残り時間もあと1分だね。ここまでお互い同点。お嬢さんがヒデキチの矢をばら撒いてビックリして声も出なかったよ。決して実況をサボっていた訳じゃないんだよ。お互い攻撃手段はまだ残ってる。最後まで気が抜けないね』

『同点なら尚更でしょうね。いやはや、カンナ様がここまで豪快な策に講じるとは思いませんでした。ですがそれもまたカンナ様の成せる技なのでしょう。戦いに誠実さはいらないのかもしれませんな。…ヴァニラ様もそうですし』


(時間経過してる間にも矢は回復してる。残り1分でヒデキチさんはどのくらい矢を消費するかわからないけれど、ここはひとまず煙幕から脱出して次の策を考えよう)


「八咫烏さん、ここは最後の数秒にかけよう。そのために今地面にある矢を回収して私とヒデキチさんが持ってる矢の数を均等にしたいの。1本相手から奪って5と5にする。八咫烏さんお願いしていい?」

「わかった。ならお前は地面の4本を回収しろ。俺様が持ってきてやる」

「ありがとう、私もちゃんと持ってくるから!!戻って、実物顕現して。お願いね」


そのあと、私は八咫烏さんと離れ壁際にある4本の矢を回収する。

なんと言えばいいのだろうか?

国取り合戦ならね、弓取り合戦とでも言ったらいいのだろうか?

しかしこの4本は重要だ。もう1本あれば私の勝利は確実だ!!

もうこうなると射程範囲は関係ない。当たるか当たらないかだ。

5と5で相打ちにして最後の武器で決着をつける。


そのあと、八咫烏さんがこちらに飛んでくる。

『おい、持ってきたやったぞ。俺様に感謝しろよな』

「勿論、感謝してるよ八咫烏さん」

『なんかお前が笑いながら言うと気持ち悪いな。鳥肌が立つ』

「ちょっと酷くない!!てっ、喧嘩してる場合じゃない!!あと20秒しかない。行くよ八咫烏さん!!」


すぐさま煙幕の中へ入りヒデキチさんを探す。

「いた!!これでチェックメイトです。ヒデキチさん」

その5本の矢を見たヒデキチさんは自分の矢の本数を確かめている。

「さっきからだんだん本数が少なくなっていると思えばこうゆう事だったのか。カンナ殿は実力のある方だしかし、私もここで諦める訳には行かない。この5本カンナ殿ならどこへ行くか見破れるかな。それで終わりにしよう」

「のぞむ事です!!」


(ヒデキチさんの矢の前に私の矢をどこに投げるか決めないといけない。いや、そしたら相手に読まれる時間もないどうしたら…)

『おいバカンナ。考えている暇があるなら胴体を狙えいいな』

その言葉にハッとして大きな声で返事をする。

「わかった!!」

(ヒデキチさんはどこに飛ばしてくる?確実に点を入れたいなら足元狙いになりそうだ。私のガードが間に合わなければ次に腕、…待ってこの順番前もあったよねだったら!!)


「カンナ殿、あと10秒だ。私も無駄打ちはしたくない。用意はいいか」

「はい!!」

お互い矢を持ち至近距離で発射させる。

(ガードが間に合えば私が勝てる!!)


私はヒデキチさんの足元狙いだ2本当たっている一点狙いで良かった、あとは剣で勝利を掴むだけだ。

矢を投げる際、お互いノーガードになるので私も足首と腕は点が入ってしまっている。

でも私の考えが正しいならヒデキチさんは足元、腕、胴体の順で攻撃してくるはず。最後の3本全てを使って。


「八咫烏さんが誘導してくれてよかった、ヒデキチさんは私が胴体狙いだと思って点差を縮めようと3点の胴体を狙った。そうですよねヒデキチさん?」

3本の矢を全て打ち返し、私はヒデキチさんに突きを入れながら話しかける。


「やはりカンナ殿は頭が良い。負けるのはわかっていた。でも諦めきれなかった。私は自分が思ってる以上に負けず嫌いなのかもしれないな。だが悔いはないありがとう良い試合だった」


     ヒデキチ 34ー37 カンナ

      試合時間 00:00


試合終了のブサーが鳴り響いた後、大きな歓声が聞こえる。

しかし、緊張が解れたのか私は燃え尽きるようにヘロヘロと倒れ込んでしまった。


「カンナ殿、素晴らしい試合をありがとう。私の完敗だな。でも負けた事に悔いはない。全力で戦っているのが私にも伝わってきた。本当にありがとう」

「私もヒデキチさんと戦えてよかったです。これでまた一歩強くなれた気がします」

その言葉にヒデキチさんは笑みを浮かべてくれる。


「4回戦はアカリ殿との戦いだ。心してかかれよ。1年生と4年生では超えられない壁があるのもまた事実。私はカンナ殿を応援している。また堂々と戦う試合を見せてくれないか?」

と握手をしてくれた後、そのまま引っ張り起き上がらせてくれた。


「勿論です。どんな強敵が待っていようと私は戦います。見てて下さいヒデキチさん」

そのあと、入退場口にくるとシュン君とシーグリットさんが拍手をしながらこちらに近寄ってくる。


「カンナさん、3回戦突破おめでとう。カンナさんの本気をこの目で見たかったんだが煙幕の中でよく見えなかったんだ。0秒と同時に点が入った時は観客席も大騒ぎでな。本当に良い試合だった」

「というか、カンナに私達のアドバイスは必要だったかしら?ほとんど使ってないわよね?カウンティングと開幕の誘導、正面突破ぐらいかしら?」

「でもその3つって結構重要だったと思いますよ。だからこそ、この試合に勝てたんです。シュン君、シーグリットさん本当にありがとうございました。ラトゥーシュカさんにも報告しないと。そういえば4回戦のアカリさんの武器ってなんですか?」

その言葉にヒデキチさんが教えてくれる。


「アカリ殿の武器はモーニングスター。明けの明星だな。カンナ殿には馴染みのない武器かもしれない。かなり対策しづらい武器であろう。あの人をカンナに合わせてみるか。かなり変わった人だが実力はある。どうだろうか?」

「えっ、誰ですかその方って!?私があった事のない人ですか?」


「あぁ、あの子ね。さっきルイスに連れて行かれてたわ。自分の武器以外も使える戦闘狂よ。確かにモーニングスターをぶん回してるのを見た事あるわね。試合じゃなくて趣味でだけど」

「シャンラン殿の事だな。私が試合してる時にまたサボったのか。相変わらずといえば相変わらずだな。今度カンナ殿にも紹介しよう」

「シャンランさん…どんな方なんだろう凄く楽しみです!!」


そのあと、ヒデキチさんはシャンランさんに会いに行くという事でここで別れ、私達は反省会をするためシルヴェスタアース寮へと向かった。

4回戦、ここまで来ると1年生もおらず私だけだ。

でも試合に学生や年齢は関係ない。私は一つ一つの試合を全力でやるだけだ。

シャンランと会える日を凄く楽しみにしながら今日が過ぎていった。





No.46を読んでいただきありがとうございました。

チャンピオンリーグからよくみると話数がずれていたので修正しました。

章が変わると案外わかりにくくなりますよね。

シャンランがここで初登場です。やっと出せました。予定ではもう数話先でもいいかなと思ったのですがアカリ対策を出来る人物がいないので戦闘狂に手伝ってもらいたいと思います。

次はNo.47「新しい仲間」をお送りします。

ここでワンクッション入れないと作者も戦闘シーン考えるの苦しいですし読者の方にもいいリフレッシュになるかなと思って入れてます。

とは言えもう第一部も終わりですね。話数も両手で数えられるぐらいですので最後までお楽しみください。

次は8/30の16時投稿予定です。

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