No.43 特訓
再スタートみたいな雰囲気になりましたね。
チャンピオンリーグや第2部に向けてキャラクターの武器や戦い方もアップグレードできたらいいなと思います。
武器が変わった日から週明けた火曜日の事、守護霊学の授業がありその前にミッシェル先生に武器が変わった事を報告する為、早めにきて先生に話かける事にした。
事情を説明し、剣を顕現させるとミッシェル先生は案の定驚いた顔をしていた。
「1年生で繰り上がりする生徒は珍しいですね。ですが、マドモワゼル ミランダが貴方に力を貸してくれたのでしょう。大切に扱って下さい。校長のペルケレ先生もそうですし、他の先生方にも報告しておきます」
「はい、お願いします」
そんな話をしていると、タマミちゃんやシュン君も教室にやってきて私達を見た後立ち止まる。
「カンナさんもおちょこちょいだな、守護霊を間違えているぞ。ライアンさんと交換したのか?」
「守護霊って交換出来るのかなー?出来たらそれはそれで面白いけどねー。なんでカンナちゃんが剣を持ってるのー?」
(2人とも繰り上がりしたっていう発想がないのかな…)
2人の言葉に戸惑っていると、ミッシェル先生が2人に説明してくれる。
「マドモワゼル カンナはマドモワゼル ミランダの死をきっかけに力と戦う意志をもらったそうです。1人の教師として人として複雑な心境ではありますが、新しい武器を授かった事、喜ばしく思います」
「…そうだったのか。カンナさんが繰り上がりをして鏡が剣に変わったんだな。でも、大会まで時間がない。剣に変わったばかりで使い方もわからないだろう?俺は大会も終わってるし、協力させてくれないか?」
「わー、シュン君いいアイデアだねー。私も新しい戦い方を練習したいし、一緒にやろうよー、カンナちゃん。でも、教わるんだったら1学期の中間試験みたいに似たような武器の人がいいよねー?誰がいいかなー?」
その言葉にミランダさんの葬儀の前、ルイスさんとアリスちゃんと話していた事を思い出す。
「…ラトゥーシュカさんかライアンさんなら短剣と剣で似てるし、教えてもらえないかな?」
「ラトゥーシュカさんだったら同じ寮だし、俺が頼んでみよう。後はライアンさんだな。それに、場所はどうする?」
「実際に頼んでみたから決めてもいいんじゃないかなー?案外、人数も集まりそうだし、臨機応変に行こうよー。コーチが決まった後からお互い放課後、連絡を取り合えばいいしねー」
「確かにそうだね。じゃあ、ライアンさんは私が声をかけてみるよ。そのあと、2人に連絡するね」
そのあと授業も始まったので席に着き、放課後、生徒会室に寄ってライアンさんがいるかどうか確かめる事にした。
ノックをしようとしたとき、ワットさんが大きなポテトチップスの袋を持ってこちらへと歩いてきた。
「カンナ君、そんな所で何してるの?何か用事?」
「はい、ライアンさんにお願いしたい事があって。今日はアイスじゃなくてポテトチップスなんですね」
「…一杯泣いたから塩分が無くなったの。補充しないといけないから塩味のポテトチップスを買ってきたわけ。でも、ライアン君も今はお通夜ムードだから無理だと思うよ。生徒会も忙しいし、3人とかクラス委員の人数でしょ?シャンラン君を呼ばないと本格的にヤバイってライアン君が言ってたよ」
その言葉にノックしようと思っていた扉から慌てて、離れようとする。
私も大変だがそれ以上に生徒会の皆さんも大変なのだ。
「でもカンナ君、ライアン君にお願い事ってよっぽどの事だよね?彼じゃないといけない事でもあるの?」
「今、シュン君にラトゥーシュカさんと一緒に特訓というか、剣の使い方を教えてもらえないかとお願いしてもらっているんです。ライアンさんは私と同じ剣ですし、尚更教えてもらうには適任かなと思って。八咫烏さん顕現せよ」
と言い、剣を出してワットさんに見せる。
「ルイス君が言ってた事ドッキリじゃなかったんだ…。前、カンナ君にいたずらしたからお返しされたのかと思ったよ。じゃあさ、シルヴェスタアース寮でやろうよカンナ君。どうせ、みんな辛気臭い顔して下向いてるよりこっちの方がいいでしょ。ボスもそれを望んでいると思うし。一階の電子掲示板にも書き込みしてさ、一緒にやってくれる人を集めようよ。僕も何か新しい武器が欲しいな。カンナ君だけズルいよ」
「確かに大人数でやった方が楽しいですし、力強いですよね。シュン君やタマミちゃんにも伝えておきます」
そのあと、タマミちゃんとシュン君に連絡をとりラトゥーシュカさんからもOKをもらったという事でシルヴェスタアース寮にワットさんと一緒に向かった。
寮に着くと、建物の前で沢山の人が集まっており、ペアやグループを作って練習試合を行っているようだ。
その集団の中にいたラトゥーシュカさんが私に近寄ってくる。
「シュンから話は聞いてる。武器が変わったそうだな。大会まで時間がない。すぐ、練習に入るからカンナはついて来てくれ。というか、お前だろワット。校内掲示板に書き込んだやつは。100人近く集まってるぞ。うちの寮を溜まり場にするな」
「いいじゃん、こんな暗い森の中に人が集まってくれたら明るい気持ちになるでしょ?後で、BBQ大会でもしたら楽しそうじゃない?…BBQ?あっ!?メアリー金網に顕現して!!」
そう言うとメアリーさんが刑務所にあるような金網のフェンスに変わる。
鉄条網というやつだろうか?
「えっ、今ので新しい武器を手に入れる何てどんな発想をしたらそうなるんですかワットさん!?」
「ほら、BBQで金網使うでしょ?お肉を焼くイメージが頭に浮かんだから思いついたんだよね。形を変えれば本当にこれでBBQ出来るんじゃない?後で炭と牛肉と買ってきて火はクレア君に任せればいいよね。なんだかお腹空いちゃったよ」
(武器がアウトドア用品になってるけど大丈夫かな…)
ワットさんは森の中にいるはずなのに頭の中がお花畑になっているようだ。
でも、ワットさんなら無人島でも生き残れそうな気がする。
とりあえず彼の事は置いといて、私とラトゥーシュカさんは特訓を始める事にした。
「まず、剣の使用方法についてだ。中型の剣は「打撃」「斬撃」「突き」が可能だ。それと守護霊動物の特殊を足し合わせて、自分のバトルスタイルを決める。だが、カンナの場合、剣の型が古いな。普通の剣は十字型になってるはずなんだ、だがカンナの場合1番下、頭の部分にグリップがある刀身が長いタイプだな。十字型のライアンとはまた違う気がする」
確かに、私の剣はファンタジーでよく見る十字型の剣ではなく、刀身とグリップの位置が垂直になっているタイプだ。
草薙剣の写真を見たそのままの物が手元にあるので違和感はなかったが確かに私の剣は特殊なのかもしれない。
「でも、取っ手の所に窪みもありますし、使いにくい感じはないですね。手のポジションは私にも分かりやすいと思います」
と少し素振りして握った感触を確かめてみる。
「カンナが使いやすいならそれで良い。剣は約1.5kgだ。八咫烏に調整してもらって1kgまで軽くしてもらってくれ。軽すぎると手から離れやすいし、攻撃の威力も軽くなる。それはV字型で一点に力を込めて攻撃する剣にとって致命傷になる。そこそこ重量感はあった方がいい。重過ぎるのも問題だがな」
「わかりましたラトゥーシュカさん。でも、実際に剣を使用した戦い方ってどんな感じでしょうか?ライアンを参考にするのが1番ですかね?」
「人の真似をするのは結構だが、まずは基礎からだ。ああ見えて動いている相手に自分の攻撃を当てるのは相当の練度がいる。今から始めてカンナが動いている相手に攻撃を当てられるかすら怪しい。まずは停止した物や人間でやるのが1番だ。慣れてきたらお互いに動きながらやってみよう」
「確かにまずは基礎からですよね。これから、よろしくお願いします」
ラトゥーシュカさんの指南を受けながら、1人で素振りの練習から物を使って各攻撃方法を頭と体に染み込ませる。
武器が変わるとここまで苦戦するとは思わなかった。
ライアンさんのようにカッコよく戦いが出来るかと思えばそうでもない。
鈍臭くて、理想とはかけ離れた物だがやるしかないのだ。
この武器を与えてくれたミランダさんや八咫烏さん、今もこうして私に剣術を教えてくれるラトゥーシュカさんの為にも大会で良い結果を残したい。
夢中になって練習していたらいつのまにか日が暮れ、手には肉刺が出来てしまい今まで見た事がないぐらい手が傷ついている。
「かなり集中して練習していたな。頑張るのも良いが今日はもう終わりにしよう。俺も剣をきちんと使えるようになるまで付き合う。いつでもここに来て練習していい。俺も見れる時はここに来る。手にバイ菌が入らないように消毒して乾いたらテーピングしておけ」
と救急箱を持ってラトゥーシュカさんが近づいてくる。
「でも練習してると心がスッキリするんです。我も忘れて練習が出来るのはいい事ですね」
「この状況なら尚更だろうな、皆んなが待ってる。ワットがBBQがしたいと煩くてな。今いるメンバーでBBQ大会だ。各寮の寮父や寮母さんには連絡してあるから楽しんでいってくれ」
「ワットさんの執念が凄いですね。でも、お腹空いちゃいました。いい匂いもしますしね。ラトゥーシュカさん行きましょう」
そのあと、テーピングをつけて皆んなの所へと向かう。
シルヴェスタアース寮の皆さんも一緒に外に出てきて200人近くまでなってしまった。
クレアさんも寮に戻ってきたのか大急ぎでランタンの火の玉でグリルの火を起こしている。
「あっ、2人ともきた!お肉無くなるよ、僕が食べちゃうからね」
と言いながら焼かれた串刺し肉を凄い勢いでワットは食べている。
「今日は賑やかで寮関係なく夕食が食べられていいな。良い気分転換になる。カンナさんもお肉は沢山あるから大丈夫だ、心配しなくていい」
「いや、シュン君。ワットさんだったら絶対その量平らげると思うよ」
「これで秋刀魚も焼いたら美味しいのかなー?海鮮系もBBQには欠かせないよねー」
と言いながらタマミちゃんは別のグリルでエビやホタテを焼いているようだ。
そのあと、シュン君が「カキを追加してくれ」と言いながら並べている。
「みんな自由だな。いや、そっちの方が救われるか」
「…あはは、確かにそうですね」
とラトゥーシュカさんと呆れながら皆んなと一緒に食事を取った。
「ねーねー、カンナちゃん。私ねー、シュン君と一緒に練習試合したんだけどまだ未完成なんだけどねー、新しい技を思いついたんだー」
「えっ、何その新しい技って?」
「傘で台風を作るんだ。傘を台風の目にして回転を加えると、周りに風の壁が出来て弾を弾く事が出来る。これで何発もの弾が犠牲になった。いくらでも出せるからいいけどな。これを完成まで持って行けたら、風の力で何かに閉じ込められたり囲まれても破壊出来ると思う」
(私がラトゥーシュカさんと特訓してる間にサラッと2人で凄い事をしようとしてる!?)
「早く完成させて、実戦で使いたいなー。楽しみー」
そのあと、楽しいBBQ大会も終わり寮へと戻った。
寮に帰ってくると、アーリフ君が声をかけてくる。
「カンナおかえり。あのさ、チャンピオンリーグのトーナメント表をトワコ先生からもらったんだ。1回戦のカンナの相手は僕だよ。お互いベストを尽くそうね」
とアーリフ君からトーナメント表をもらい、そのあと握手を求められた。
「うん、今日夢中になって剣の練習をしていたの。大会まで時間も無いし、これからも練習を続けていくつもり。私も全力で挑むからよろしくね、アーリフ君」
そのあと、肉刺だらけのテーピングした手でアーリフ君と握手をした。
そのあとも、放課後は合気道クラブがない日以外はシルヴェスタアース寮に通い特訓を行う。
先日の練習で分かったのだが、スカートの状態では動きづらいだろう。
動き易いようにショートパンツに変えてみた。
今日はラトゥーシュカさんも時間があると言う事で練習に付き合ってもらった。
「成る程、1回戦はカンナと同じ寮のアーリフか。杖と剣なら接近戦だろうな。今日はその練習をしよう」
とラトゥーシュカと一緒に接近戦の練習をしている時だった。
ラトゥーシュカさんは短剣なのでリーチの関係もありかなり距離を詰められる。
こうなると剣で攻撃するのは難しいので合気道で学んだ動きで剣を手放し、ラトゥーシュカさんの腕を掴んで、腕を動かせないように回しながら地面に押さえつけるように彼を寝かせる。
その動きにラトゥーシュカさんは驚いていた。
「あの、リーグ戦って体術の使用はOKですよね?この場合だったら剣よりも体術の方が有効かと思ったんですけど」
と言いながらそのままにしておくのは危ないので手を離す。
「凄いな、何だ今の技は!?柔道とはまた違った動きだな。もう一回やってくれ!!絶対自分のものにする」
そのあと、何故か合気道教室になってしまった。
ラトゥーシュカさんに剣術を教えてもらっているのでそのお礼になればいいと技を教えていたら、寮に戻ってきたシュン君に不思議な目で見られてしまった。
「2人とも何やってるんだ?」
カンナ&ラトゥーシュカ「…ごもっともです」
そのあと、誤解を生むといけないのでシュン君に説明した。
「成る程、カンナさんは合気道をやっているのか。剣と体術が有れば武器を取られても点が取れるのはいいな。俺は長距離攻撃だから、接近戦になると無防備になるし羨ましいな。カンナさん、さっきやってたみたいに俺も組みついてくれないか?技をものにしたい」
「…シュン君やラトゥーシュカさんもそうだけど別に受け身を取らなくても技を覚えるだけなら仕掛ける側でやればいいんじゃないかな?そんなに組みつかれたいの」
ラトゥーシュカ&シュン「…あっ」
これ以上、合気道教室をやっていたらキリがないので剣術の練習を続ける。
ラトゥーシュカさんからも、試合で戦えるぐらいには動けるようになったと褒めてもらえた。
チャンピオンリーグも4年生から1回戦が始まっているので、実際に試合をしながら経験を積んでいくしかない。
そしていよいよ、アーリフ君との1回戦が行われる日を迎えた。
No.43を読んでいただきありがとうございました。
ワットやタマミのアップグレードを行いましたが、これは第2部用なので実戦に使えるのはまだ先ですね。
実は第2部はリーグ戦がなく、察しの良い方なら気づいているかもしれませんがいわゆるテロリスト集団が来てコロシアムが使えなくなります。
在校生は対テロリスト対策として1〜4人のシングル、ペア、トリオ、カルテット(4人組)のチームに分かれてテロリスト撃破へと向かう為、個人戦ではなく連携プレーが必要になります。
詳しい話は第1部完結後や第2部でもご紹介出来たらいいなと思います。
一様、カンナちゃんの武器を変えるのは連載前から決めていたので、制服を変えられるようNo.1でスカートとかショートパンツとかわざわざ選んだ物を明記していました。
カンナちゃんはこれ以降ずっとショートパンツですね。ジャケットも変える予定です。
スカートだと動きにくいので仕方ありません。
No.2の時もキマイラちゃんが「秘められた力強さを感じるわ」と言っていましたが、初期の武器である鏡ではなく、繰り上がり後の剣に対してのセリフでした。
次はNo.44「チャンピオンリーグ・1回戦」をお送りします。




