No.35 3edリーグ・決勝
今回、ギャグバトルですね。
チェーンソーは安全を守って正しくお使いください。
決してこの作品のような使い方をしないでください。でも手袋はつけた方がいいと思います。
振動で腕がろうそくのようになってしまいますからね。
もうすぐ春休みとなる3月下旬の事、今日は3edリーグの決勝戦が行われるという事でワットさんやクレアさんと一緒にルイスさんの応援をする事にした。
「次がいよいよ決勝戦ですね。ルイスさんの武器ってチェーンソーですよね。どんな戦い方をするんですか?」
「ルイス君は器用かつ効率主義だからね。チェーンソーってさ、実は武器に向いていないんだよね。重いし、煩いし、命中率も悪い。三重苦なんだよね。でも、ルイス君は上手く計算しながら戦ってるよね」
「多分、ルイス以上にチェーンソーを扱える人っていないと思うよ?木を着るって意味じゃなくて戦う意味でだけどね?でも相手のアポリナルはどう対処するのかな?案外この2人って去年も一昨年も試合に当たらなかったから凄く楽しみだと思うよ?」
〜実況・解説〜
「それでは待ちに待った決勝戦だな。今年は1stと2edリーグの優勝者であるシャンランが不在で、去年2位のルイスか3位のアポリナルが優勝候補か。そして2人は安定してここまで勝ち上がってきた。チェーンソーと火の輪、この摩訶不思議な武器達をトワコどう分析する?」
「確かにシャトランスじゃなきゃ絶対に無い組み合わせよね。まずチェーンソーからだけど、結構扱いにくい武器だと思うの。それを使い慣れてるルイス君は凄いと思うわ。ここはルイス君の使い方になっちゃうけど、彼は常時、武器の姿にしないの。必要な時だけ出すタイプよね。相手との距離感を計算して、それに合わせて攻撃が当たるように顕現させる。それともう1つ、チェーンソーのエンジンを入れない事。この試合ルールだと当たればいいのだから刃を回転させる必要が無い。エンジン音を立てれば相手に自分の位置がわかってしまうから。一方で火の輪は輪の大きさを変える事で相手を拘束したり武器としても攻撃出来るわね。大きさは無限大ですもの、いざとなったら試合場を炎で包む事が出来る。あとはアポリナル君の使い方次第ね。それでは2人が準備出来たようなので、3edリーグの決勝戦を始めます。選手は会場内へ」
そのトワコ先生のアナウンスと元にルイスさんとアポリナルさんが試合場内に入ってくる。
ルイスさんはいつもと違い、チェーンソーの耐震用の白い手袋をしている。
審判「両者白線の前へ、武器を用意する者は顕現を」
「俺達はパスだ」 「ウロボロス、顕現したってな」
「それでは、始め!!」
ルイス 00ー00 アポリナル
試合時間 3:00
その合図と共にアポリナルさんが壁際の方まで走り出す。
「ウロボロス、拡張しぃ。直径50mまでフィールドを狭めんねん。よろしゅうな」
その言葉と元に一瞬にして火の輪が大きくなる。
円の外にいるアポリナルさんはいいのだが、ルイスさんが円の内側に残っている。
「俺が素直に捕まる訳ねぇだろ。ダイル、お前はここに残れ。俺は外に出る。この火が飾りだって事は知ってんだよ。大事なのは火がある事じゃなくて武器が円形状になってるって事だ。あとは頼んだぞ、ダイル」
とルイスさんだけ円の外に出る。
「あれって飾りだったんですか!?本物の火ですよね。どう見ても」
「いやあれは間違いなく本物だよ。でも、シャトランスにはサラマンダーがいるでしょ?自然災害を起こさない用に火をコントロールするのは彼の役目だからね。この島にいる限り火は彼がコントロールしてる。アポリナル君の武器もそれは同じ。熱くならないようにしてるんだよ」
確かに最初サラマンダー様に会った時、マグマの中にいたのにも関わらず熱くなかった。それと同じように武器の火もコントロールしているのだろう。
「あちゃ、初めて対戦するから知らんと思ってたわ。なら、どないしよう。ダイルを捕まえても意味あらへんからな。ウロボロス、そのままでおってな。俺が彼奴らに近づいてくるわ」
と言ってそのまま右側に半円を描くように、ルイスさんの所まで移動している。
「霊体に戻さず移動してんのか。合流したら武器にする気だろ。いや、丁度いいか。ダイルを円から出せるからな。相手のお望み通りに動いてやるよ」
とお互いが真正面に向き合う形で駆け出している。
「ウロボロス、戻れ顕現したってな。彼奴の胴体狙いで行くで」
「ダイル顕現しろ。大人しく輪投げのピンになってやるよ」
と手を大きく振りかぶった状態で顕現させ、アポリナルさんが投げた輪がチェーンソーに入る。
「ちょっとやめてぇな。輪が入っとるけど武器でキャッチして自分に入らんようにしとるだけやろ」
そのあと、ルイスさんはチェーンソーを放り投げる。
「そうに決まってんだろう。ダイル戻れ、顕現しろ。さっき胴体狙いとか言ってたよな。なら胴体で返すのが筋ってもんだろ」
と胴体に突きをするように真っ直ぐチェーンソーの刃で攻撃する。
どうやら、ルイスさんが先制点のようだ。
ルイス 3ー00 アポリナル
試合時間 2:30
「ルイスさんが初手から3点を取るんですね。やっぱり、ギリギリまで武器を出さない戦い方なんですね。もしかしたら攻撃が当たらないじゃないかって、ヒヤヒヤしましたよ」
「チェーンソーを振り回しているだけでもハラハラすると思うよ?」
「でもさ、やっぱり1点、1点取るの難しいよね。この状態で30秒だってるんだよ?結構スローペースだと思わない?」
「ほんまに怖いわ。回転入ってたら身ごとやられそうやわ。ウロボロス戻れ、結構したってな。そないな重いもん持っとったら、動けへんやろ。足元狙ったる、すぐやり返したるで」
とアポリナルさん火の輪を振りかざしその攻撃が見事ルイスさんの足元に当たる。
ルイス 3ー2 アポリナル
試合時間 2:20
「まぁ、ここまでは計算済みだ。だからリードを保つために胴体狙ったんだよ。ダイル戻れ、ここから離れるぞ中央に向かうからな」
と身軽にし、ルイスさんは走り出している。しかし後向き歩きをしている。
「何でアポリナルさんを見ながら移動しているんですか?背後って大丈夫ですよね?」
「いや、この状態たど後ろから輪を投げられて拘束させないようにしてるんでしょ?アポリナル君に隙を見せたら拘束されて点も時間も奪われちゃう。だから、ルイス君はゆっくりでもいいから相手をマークしながら移動したいんでしょ」
「ウロボロス、顕現したってな。逃したらあかんで。彼奴らはアスピリディオン並にのろいで」
そのあと、開幕と同じようにルイスさんが火の輪の中に閉じ込められる。
「ダイル、顕現しろ」
そのあと「キュィィィィィン」とエンジン音がする。
「ついにきたか、ほんま物騒やわ。今、輪の中にいんねんな。輪の外にはおらへんのか」
そのアポリナルさんの言葉に疑問をおぼえる。
観客席から見るとルイスさんが今にもしゃがみながら輪の外へと出ようとしている。
「あれ!?アポリナルさん気付いていないんですか!?ルイスさん、今にも出ようとしているんですけど」
「カンナ君、僕達はさ、試合場を上から見てるいわば神の視点なんだよ。カンナ君も試合した事あるならわかるけど観客席と試合場からの見え方は違う。特に火の輪は火が膨張して視界が悪くなるからね。アポリナル君はエンジン音を聴いて中央にいるんじゃないかって勘違いしてるんじゃないかな?」
その言葉に私はハッとする。
「じゃあ、ルイスさんはわざと音を出してダイルさんを囮にするのと同時にアポリナルさんを誘導してるって事ですか?」
「カンナがもし、暗い所にいて目が見えない中で物音がなったら過剰に物音に敏感になるでしょ?それと同じだと思うの?」
そのあと、ルイスさんは火の輪を出てダイルさんを霊体に戻した。
「音が消えた!?彼奴らどこいったんや」
とアポリナルさんがルイスさんを探している。
その姿にルイスさんはニヤニヤしながらアポリナルさんを見ている。
「さてと、ダイル実物顕現してくれ。俺は火の輪に戻る。お前は外から行ってアポリナルをここまで誘導してくれ。go!!」
とダイルさんは半円を描くようにアポリナルさんの元へ向かっている。
その様子に気づいたアポリナルさんが反対方向へ逃げている。
「やっぱりおかしいと思うてたんや。でも、ダイルを相手にした所で点は入らへんしな、移動するで。ルイスはどこへ行ったんや」
とダイルさんを無視して火の輪の外を走っている。
ダイルさんは陸上ではそんなに早くないので追いつく事が出来なかった。
「ダイルよくやった、戻れ顕現しろ。足元狙いだな。折角だから4点狙いでいくか。絶対に転ばせてやる」
〜実況・解説〜
「アポリナルが上手く誘導されているな。試合ももう後半か。かなりスローペースだな。武器の相性もあるかもしれないがな」
「お互い、攻撃手段が少ないから大量得点っていうのが難しいわよね。小数点のまま決着がつきそうだわ」
「ここにもおらん、どこいったん?凄い誘導されてるみたいで怖いわ」
と次の瞬間ルイスが屈みながら火の輪の内側から刃だけを出し足元を狙っている。
両足に当たり、体勢を崩したのかアポリナルはとっさに受け身をとる。
ルイス 7ー2 アポリナル
試合時間 1:20
「ほんまに危ないわ!!何なん、防具つけとらんかったら足持ってかれてたで。というかウロボロスも相手が輪の中にいるんやったら教えてぇな」
『…』
「お前、信頼されてねぇんじゃねぇの」
「そんな訳ないやろ、俺とウロボロスの絆は一生もんや。…ウロボロス、縮小せな」
「しまった!!」
次の瞬間、一気に輪が小さくなりルイスさんが両腕と胴体を拘束されてしまった。
ルイス 7ー9 アポリナル
試合時間 00:50
「あと50秒やからこのままでええやろ。火の輪にいてくれて助かったわ」
「諦める訳ねぇだろ。ダイル実物顕現だ、足元を狙え」
ダイルさんの尻尾がアポリナルさんの足元に当たるこれで同点だ。
ルイス 9ー9 アポリナル
試合時間 00:30
「あと30秒ですよ。どうなるんだろ。アポリナルさん、ルイスさん両方とも頑張ってほしいです」
「最後まで気が抜けないね。まさかアポリナルが大量得点するとは思わなかったよ」
『おい、ルイス。そんな状態じゃ攻撃出来ねぇだろ。決闘も始まってねぇしな』
「…そうだな、ダイル。いい事言ったな。決闘を申し込むならちゃんと作法に乗っ取らないとな」
とルイスさんは白い手袋を外してアポリナルさんの足元に投げつけている。
それがセンサーに反応し、点が入ってしまった。
ルイス 11ー9 アポリナル
試合時間 00:00
「…いいんですか、あんな終わり方で」
「試合ってさ、最後まで何があるかわからないよね。まぁルイスが勝ったからいいんじゃない?」
「勝てば官軍だと思うよ?」
そのあと、ルイスさんやアポリナルさんの様子が気になってしまい、表彰式が終わった後入退場口まで行き声をかけた。
「カンナちゃん、試合見とったん?ほんまになんやねんこの試合。こんなの思い出じゃなくてトラウマになるやろ」
「これで念願の初タイトルだな。ここまで長かった。あとはもう1人に投げつけるか。というか彼奴、試合見にきてんのかもわかんねぇんだよな。とりあえず時間はあるから観客席の方に探しに…」
とルイスさんは途中で話を止め駆け寄ってきた初老の男性に目を向けている。
冬休みに入る前、エレベーターの前にいた3人の男女の1人であるゴードンさんだった。
「ゴードン、何でお前がここにいるんだ?試合の観戦に来た訳じゃないだろ」
「男爵にお伝えしたい事がございまして。今朝なのですが…」
とルイスさんに耳打ちするようにゴードンさんが話かけている。
その途中でルイスさんは目を見開き、青ざめた顔をしている。
「…嘘だろ。だって冬休みに姉貴と一緒に邸宅に様子を見に行った時はそんな素振り一度もなかった。精神疾患以外、病気を患ったって話も聞いた事ないぞ」
「申し訳ございません。私達が今朝邸宅を訪れ奥様の寝室に入室した時にはもう…。自傷行為があったとも医師から聞いておりませんでしたので、私達も愕然としておりますが、奥様は間違いなくご自身で自ら首を…」
「…わかった。俺は本国に戻った方がいいだろ。邸宅や遺産の事もあるしな。姉貴はどうしたんだ?」
「お嬢様も息子のエドワードに事情を説明するようにと指示をしております。
今、寮の方で荷造りをされております。飛行機の準備も出来ておりますので一刻も早くご準備を」
「そうだな。すまないが、俺は本国に戻る。エキシビションマッチは中止だな。アポリナルお前が代わりにやるか?」
「ええよ、また落ち着いてからでもええねんいつでも出来るしな。待っとるから」
そのあと、ルイスさんはゴードンさんと一緒にコロシアムを出てイギリスへと帰っていった。
元々、ルイスさんは家庭の事情を抱えてるとは言え、その状況をまのあたりにするとは思ってもみなかった。
どうか、無事に帰って来てほしいと思いながら皆で帰路に着いた。
No.35を読んでいただきありがとうございました。
今回純粋な武器ではないもの同士が戦ったので作者も制作に苦労しました。
資料が少ないと難しいですね。
本来ならエキシビションマッチやってお楽しみのニンフスピアリの話をやりたい所ですがルイスがいないので3学期にやりたいと思います。
作者の作品の中で物語が始まる前に亡くなっているキャラは結構いましたが、現在進行形で亡くなったキャラは初めてですね。ローザが亡くなって理由については子供達がちゃんと話してくれますのでそれまでお待ちください。
次はNo.36「春休み」をお送りします。ストックがギリギリですので投稿日がずれそうになったら追記でお知らせします。何もなければ毎日投稿です。




