No.9 最初の試練
坊っちゃんと隼のショットガン講座がありますが、ショットガンのモデルはレミントンM870です。
スペックもそのまま書いております。信頼性のある散弾銃で日本でも使われています。
「それでは「最初の試練」と呼ばれている実技試験について説明します。これは、1学年全体で行うもので武器の扱いに慣れながら敵を倒す。シュミレーションバトルとなっています。スクールには訓練所と呼ばれる施設の中に、バーチャル空間を扱う施設があります。そこで事前にペアを作り、協力しながら敵を倒す。というのが、今回の試験内容になります」
(なっ、なるほど!?いわゆるシューティングゲームとかの類と一緒か!?)
近年ではバーチャル空間をつかったゲームが沢山出ている。
私もやった事があるし、実際に仮想世界に入れるので楽しい。
シューティングゲームもその一つだ。
「ではこれから、くじ引きでペアを決めていきます。それぞれ、私の近くまできてくじを引いて下さい」
そして、クラスの皆でくじを引き始まる。
「えっと…えっ、10番!!」
10番という事は、このクラスで一番最後になる。色々とプレッシャーだ。
数の合うペアから集まっている。タマミちゃんも1人だったので声をかけた。
「タマミちゃんは何番だった?」
「私はねー、6番だったよー」
「そっか、私10番なんだよね。違ったか」
そのあとも皆と数字を確認していたのだが、ペアが見つからない。
シュン君の番号も確認しに行く。
「シュン君、何番だった?私、10番なんだけど」
すると、シュン君は紙をこちらに差し出してくる。私と同じ10番だった。
(えっ、このペアって一番相性悪いんじゃないの!?守護霊が天敵だし、AとDランク、頂点と底辺のペアだよ!!)
「カンナさんと一緒なら心強いな。よろしく頼む」
「うん…よろしくお願いします」
(相手の足を引っ張らないようにしなきゃ!!)
そのあと、席に着きミッシェル先生の話を聞く。
「皆さん、ペアが決まりましたね。2週間後に試験がありますが、練習したい生徒もいるでしょう。訓練所もそうですし、射撃場などの訓練施設も開放しています。是非使って下さいね」
そのあと授業も終わり放課後、まずはお互いの武器について知ることが大切だと思い、シュン君を食堂に誘いお茶を飲みながら話を振った。
隼さんと八咫烏さんは睨み合っているが大丈夫だろうか?
「やっぱり、最初はお互いの武器を知り合うのが大切だよね。隼さんはショットガンだっけ?」
というと隼さんがこっちを向いてくれた。
「俺も詳細がわからない。スペックを教えてくれ」
『ワシのショットガンは50m以内の近距離用の散弾銃なんじゃ。近距離で貫通性はないが、その分事故が起きにくい、初心者向けの銃なんじゃ。装弾数は4〜8発ポンプアクションで再装填も早い。欠点なのがハンドロードじゃけぇ再装弾に時間がかかる。こがいなもんですかね』
「ありがとう、よくわかった」
(えっ、今ので!?)
用語も入っていたので、わからない所もあるのだがいいのだろうか?
「ねぇ、八咫烏さんも教えてよ。どんな事が出来るの?」
『俺か?鏡に出来る事は2つ「反射」と「吸収」だ』
「反射」と「吸収」相手の攻撃を跳ね返したり、逆に閉じ込める事が出来るという事だろうか?
「成る程、それは中々強力だな」
とシュン君は言っている。
「えっ、そんなに強い物なの?」
「自分が攻撃しなくても、相手にダメージが与えられるのだからそれ以上に強力な物はないだろう。守りながら、攻撃していると思えばわかりやすい」
(成る程、例えが凄いわかりやすい)
「じゃあ、私が盾役をすればいいんだね?立ち位置的にはシュン君の前に出る形がいいのかな?」
「弾がそちらに飛んでこれば「吸収」を使って、カンナさんも怪我をせずに済むのだからそれがいいだろう。大体形は決まった。あとは射撃場でやってみよう」
「シュン君は銃器系だけど、怖くないの?ニホンだと馴染みがないし、音とかも凄く大きいイメージがあるよね?」
「銃器系は動画で扱っている姿を何度も見たことがある。あとは実際にやってみるだけだろう」
「いやいや、動画と実際やるのは全然違うと思うよ!!」
そのあと、シュン君と一緒に訓練所と同じく東の島にある射撃場へ向かう。
中に入るとシュン君は、
「地下の射撃場に行ってみたいんだけどいいか?」
と言われ一緒に行く。
地下には小型、拳銃用の射撃場があり練習している生徒もいた。
「…やっぱり、動画で見たものと変わらないな」
とシュン君は小声で言っている。
「ここは拳銃用なんだね、ショットガン用の射撃場はどこかな?」
「大型のものは野外だろう。耳当てとサングラスを持ってくる。上に行って待っていてくれ」
そうシュン君に言われ、1階に戻り彼を待った
そのあと、一緒に野外の射撃場に向かった。
5mごとに的があり、近くで練習している生徒もいる。
「カンナさんは銃を扱う訳じゃないが、何か飛んできたら危ない。日差しもあるから、サングラスをつけておいてくれ」
「うん、わかった」
シュン君は2つあるうちの1つを私に渡してくれる。
的の近くに行き「顕現」とシュン君が言うと、ショットガンが出てくる。
私はそれを眺めていたが、シュン君が声をかけてくる。
「カンナさんも少し触ってみるか?」
「えっ、いいの?」
「安全装置はかけてあるし、自分の練習に付き合ってもらっているのだから待たせるわけにはいかないだろう」
そう言われ、私も触らせてもらう。
やっぱり、ずっしりとくる。というか重い。
これが純性の重みというやつだろうか?
「ねぇ、これって何kgあるの?」
というと、隼さんが教えてくれる。
『ショットガンは3kgちょっとかね。ただ、坊っちゃんに合わせてこっちで調整出来るけぇ重いなら言いんさい。カスタマイズ出来るんがショットガンのええ所じゃけぇ』
「わかった撃ちながら調整しよう」
「そういえば、ショットガンってどうやって撃つの?」
「食堂で話した時も隼が説明していたが、これは既に実弾が入っている状態だ。これをポンプアクションで装填する」
と言ってシュン君は「カシャン」と銃身の下の部分を前後に動かしている。
「そのあと、俺は左利きだから右手を銃身に添える。的に銃を合わせ、安全装置を解除する。そして撃つ」
すると「バンッ」と重い銃声が鳴った。慣れない音につい耳を塞いでしまった。
「そのあと、ポンプアクションで薬莢を出す。これを繰り返す。弾がなくなれば再装弾をする。こんな感じだな、ポンプアクションは左利きでもやりやすいからこちらとしては助かる」
「す、凄い!!」
『坊っちゃん、連射は体に負担がかかりやす。休憩しながら全弾撃って、今日は再装弾の練習までやりやしょう』
「そうだな。カンナさんは退屈だろうが見ていてくれ」
「私は大丈夫だよ。シュン君、頑張ってね」
その言葉にシュン君は頷き、休憩を挟みながら撃っていく。
5mの的に何度か当たっているようだ。
全弾撃ち終わったようで様子を見ながら私は近づき声かける。
「次は再装弾の練習だよね。弾はどうするの?持ってくる?」
「いや、弾はいらない。少し試したい事があるんだ」
「試したい事?」
「あぁ。隼、戻ってくれ」
そう言って隼さんを霊体の戻す。
「顕現」
そしてまた武器の状態に戻す。
「何してるの?」
「…やっぱりそうか。カンナさん、これを見て欲しい」
そう言われ、弾が入る部分を見せてくれる。
すると既に弾が入っている状態だった。
「えっ、どう言う事!?」
「この方法で再装弾をしている動画を見た事があるんだ。ショットガンはハンドロードで1つずつ弾を入れなければいけない。それでは時間がかかる。これなら3秒程で再装弾が可能になって欠点を克服出来る」
(そっ、そんな方法があるの!?)
「こ、これってどう言う仕組みなのかな?使う前の戻るってこと?」
「多分そうだろうな。他の動画でも壊れた筈の武器が新品の状態で現れた時があった。これは銃だけじゃなくて全ての武器に当てはまると思う」
「確かに壊れたら使えなくなっちゃうもんね。守護霊を治すことも出来ないし、自然治るようになってるってことかな?」
「これは裏技みたいなものだからな。気付いた人はこれを上手く利用して再装弾していた。動画を見ていても、銃の扱いが上手いと思っていたからな。少し参考にさせてもらった」
そのあと、今日の練習を終えた。
守護霊が武器となる状態には普通に武器を扱うのとは違う、特殊な状態というのがわかった。
私の鏡も工夫すれば良い使い方が出来るかもしれない。
そこから一週間後、今度は私の鏡の扱い方を練習する事にした。
今日も射撃場に赴き、シュン君と一緒に守護霊を武器に変え、やりたいことを確認し合う。
「今日はリーグ戦で使う対人用の弾を使う」
「対人用?それって普通の弾と何が違うの?」
「対人用の弾は物体に接触すると弾けて煙が舞う。弾の威力が分散されて怪我をしない。でも、煙玉として目眩しにはなる。使い方次第では実弾と上手く組み合わせれば、戦術の幅が広がるだろう」
そう言って白いカバーの付いた弾をこちらに見せてくれる。
「ショットガンは本来、手動で再装弾するから多種類の弾を組み合わせる事が出来る。手間はかかるが、それがショットガンの魅力だろうな」
そのあと「反射」と「吸収」を試す為、シュン君にその弾で撃ってもらう事にした。
「ねぇ「反射」と「吸収」ってどうやって切り替えるの?」
と八咫烏さんに質問する。
『そのまま「反射せよ」「吸収せよ」って言えばいい。鏡の色が反射中なら赤、吸収中なら青に変わる筈だぜ』
私はその言葉通り「反射せよ」「吸収せよ」と交互に言う。
鏡のガラスの色も赤から青に変わった。
10mの的の前に立ち、反射中にして鏡を構える。
準備ができたので、シュン君に手を振り声をかける。
「シュン君、準備出来たよ」
その声に反応し、同じように手を上げている。
そのあと、ショットガンを構え発砲する。
すると、鏡から1m手前の時点で急に弾が止まる。
そのあと逆再生したように弾が後ろに下がり「バンッ」とその場で弾ける。
(す、凄い!!)
その様子にシュン君も驚いている。そのあと、私に話しかけてきた。
「今のが「反射」でいいのか?」
「うん、鏡もその状態で色も変わるみたい。1m手前で止まって、弾かれるように弾が戻ったの」
「ならカンナさんの所から半径1mが防御範囲ということか。「吸収」もやってみよう」
そのあと「吸収」に切り替え、同じように発砲してもらう。
すると、鏡の3m手前から弾が減速しはじめる。
弾かれていた1mの時点では肉眼でも見える速さになり、鏡に弾が吸い寄せられ中に入ってしまった。
「あれ、入っちゃった!?ねぇ、これってどうやって取り出すの?」
『反射すれば取り出せるぞ。霊体に戻せば、中の物が同時に消える』
八咫烏さんの言葉通り「反射せよ」というと、弾が出てきて5m先まで飛んだ。
(あ、これってもしかして…)
そのあとシュン君が確認しにくる。
「今のが「吸収」か。何mで減速した?」
「今度は3mだった。ねぇ、シュン君が確実に撃てる距離って何m?」
「?、5mなら確実に、10mで5分5分だな」
「ねぇ、私の鏡とシュン君のショットガンで命中率100%に出来ないかな?」
「カンナさん、どう言う事だ?」
「私がショットガンの弾を吸収して敵の至近距離で弾を発射させる。吸収した弾を反射させた時、5mまで飛んだの。そしたら、合計15m飛んだ事になる。シュン君までなら15mで遠いけど、私からは5mの距離で出来る。射程範囲が広がると思うの」
「成る程、カンナさんは頭がいいな。鏡で射程範囲を延長させるのか。しかもお互いが安全な距離で敵に攻撃が出来る。しかも命中率100%でだ。試してみよう」
その言葉通りシュン君は同じように銃を構え、私は吸収の状態にしておく。
先程と同じように発砲してもらい弾を吸収した後、5m先の的に向けて反射状態にする。
すると私の思っていた通り的に当たった。
「よし!!」
「この方法なら訓練所でも使えそうだな。あちらでも出来るか試してみよう」
そのあと訓練所に赴き、同じようにやってみた。
敵はランダムのようで、ゲームに出てくるような敵もいる。
戦闘用のゴーグルを付け、バーチャル世界で戦闘を行った。
射撃場のように止まった的ではなく、動く的なのでやりづらい所もあるが何とか敵を倒すのに成功した。
「あとは当時に向けて少しずつ調整しながら練習を進めていこう」
「うん、これで形は決まったね!」
そのあと、当日まで作戦を立てたりお互いの弱点や良い所を言い合いながら練習を進めた。
練習がきっかけとなり、八咫烏さんと隼さんも仲良くなってくれたので良かったと思う。
そして「最初の試練」が行われるその日を迎えた。
No.9を読んでいただきありがとうございました。
シュンとペアを組ませたのはシュンの初期設定が無口なクールキャラだったのでペアを組ませる事でシュンについて知る回にしようと思っていたからです。
ですがキャラ設定が変わりシュンのバックボーンも変わりましたので、意味深な発言が多かったと思います。
シュンは祖父が融資しているのもあって「スポンサー特典」のようなものを持っています。
そもそも、なぜ祖父が融資をしているのか?メリットがなければそんな事しませんよね。
その理由についても今後触れて行きたいと思います。
これと共におまけでBo.02「守護霊の取り扱い説明書」を投稿いたします。
戦闘回の手前という事で確認しておきたい方興味のある方はご覧下さい。
本編はNo.10「鳥の共闘」をお送りします。
作者は戦闘描写なんて初めて書きますので拙いと思いますがよろしくお願いします。
頑張って、勉強したり経験を積んでいきたいです。




