No.1 八方の島
冷やし中華が如く新連載を始めました。
作者の他作品から来ていただいた方、初めて読みに来てくださった方これから長い付き合いになると思いますがよろしくお願いします。
注意:国名が出てきますが、物語の内容から実際にある国名、地名、施設については漢字にせずカタカナ表記にいたしますのでよろしくお願いします。
例:日本→ニホン
東京→トウキョウ など
「ねえ、ママ」
『どうしたの、カンナ?』
「ママはずっとわたしのそばにいてくれるよね?」
『勿論、ママは貴方のずっと側にいるわ』
ー そんな、当時から何年も前に亡くなった母の夢を見ていた
「お…さま、おき…さま、お客様!」
その言葉に私は気づき、体を起こす。
「後少しで当旅客機はクロスロード空港に到着いたしますので、シートベルトをお付け下さい」
「あっ…、ごめんなさい。直ぐ付けます」
そう言って私はベルトをつけた後、窓側の席から見える景色を眺めていた。
そこからは1つの大きな島と、それを囲むように形成された8つの島、それを総称して「オクトール諸島」と呼ばれている。
上空から見ると、中央の大きな島からそれぞれの島に行き来ができるよう八方に橋がかけられその姿は、まるで遊園地にあるタコの形をしたアトラクションのようだった。
この度、私ヤシロ・カンナがこのオクトール諸島きたのは、この人工諸島の中央の島に存在する「シャトランス・インターナショナルスクール」に通う為だ。
このスクールは普通のスクールと違い、守護霊を見る事ができる霊感のある人間を集めその者にまた“特別な守護霊”を与え守護霊使いとして教育している機関になる。
私も幼い頃からふと見えるようになり、こうして入学資格を得てこのスクールに通う事になった。
飛行機が空港に到着し荷物を受け取った後、やっと長時間のフライトから解放されたと、腕や背を伸ばし軽くストレッチをした。
「う〜ん、乗り換え入れて9時間は流石に体も疲れる」
しかし立ち止まっている暇はない、なんせこれから入学式なのだから、入学式が終わるとそれぞれの寮に案内されるので大きいキャリーケースを押しながらスクールに向かった。
空港からスクールまでは、ほとんど一本道で直結している。
20分程歩くと、筒状の大きな建物が見えてくる。
204X年の現代でもこんなに大きな建物は見た事ない。
まるでスポーツの大会で使うドームを何階建てにもしたような、そんな建物だった。
私が驚いている間にも、どんどん人がその中へが入っていく。
新入生の人達なのだろう、事前に聞いた話だと今年は80名で私と同じニホン人は全体の10%、8人になる。
このスクールその名の通り、多国籍の人々が集まるがみな共通語である英語で話をしている。
以前はわからないが、今はニホンでも小学生の頃から必修科目だし私も日常英会話なら話せる。
建物の中に入ると、中央がくり抜かれたように建物の内側に沿って螺旋階段になっている。
私は、スクールの案内に書いてある通り最上階の一階手前、19階に向かった。
流石に階段では登れないのでエレベーターを使うが、周りがガラス張りになっているので中々怖い。
ちょっと耳がキーンとするなと思いながら、私はキャリーケースを預ける為ロッカールームに寄った後、更衣室へ向かった。
制服は事前に予約できるようになっていて、かなりの種類があり組み合わせも自由だ。
上下のメインの色は黒と決まっているが、女子だとショートパンツやロングパンツ、ミドル丈のスカートとロングスカートがあり、逆に男子はロングパンツとハーフパンツがある。
上着は男女共にブレザーのようなジャケットにもできるし、セーラ服や学ランでもいい。
インターナショナルスクールだけあって民族衣装のようなものもある。
私が知っているのだとチュウゴクの民族衣装があった。
しかし、禁止されているのもあって特に燕尾服は生徒会が、ローブは寮長が着るので着られない事になっている。
私は中学はセーラ服だったので、ブレザーがいいと思いそのジャケットとミドル丈のスカートと下はもう一つ選べたので、ショートパンツを、それと冬服用に臙脂色セーターを選んだ。
今日はジャケットとスカートの組み合わせにし、それを着る。
そして、式典用の白いリボンを着け私は最上階にある大広間へと向かった。
No.1を読んでくださりありがとうございました。
この作品、シリーズ物になっておりまして主人公のカンナちゃんの学園生活一年分を一作品に纏めていく形になっております。
シリーズとしてのページも作っておりますのでよろしくお願いします。
こういうテーマの作品なのでキャラや動物が沢山いたり動物と武器の組み合わせも沢山あったら楽しいだろうなと思い作っていたら合計で100キャラ近くまでいきそうです、人間と動物のペアを作ると自然にそうなりますよね。
次回「No.2寮決め」では沢山のキャラが出てきますが、全員外国人だとしても「名前・苗字」にせず「苗字・名前」となっていますので注意してください。
とりあえず、最後の名前だけ覚えて貰えれば大丈夫です、多国籍の人々がいるので苗字が2つあったり父親の名前が真ん中入るキャラもいますが変わりありません。
作者が無理矢理ファンタジー要素を入れたかっただけの自己満足です。
次はNo.2「寮決め」をお送りします。