表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深夜の緊急コール  作者: 如月一歩
6/10

第6話 午前4時25分 復旧方針

 リスクを頭の中でおさえながら、復旧手順の違いも考慮し、総合的に判断して、復旧方針を決めることにした。事前に矢野がホワイトボードに3案の作業時間を整理していた。

 案1 プログラム戻し(5分)+システム起動(5分)=計10分

 案2 パラメーター修正(2分)+システム起動(5分)=計7分

 案3 一部プログラム戻し(8分)+システム起動(5分)=計13分

 秋田は案2を進言した。「矢野さんが見つけた不具合を直せば、問題ないはず」という見解であった。

 矢野は案3を主張した。「これまでの調査結果だけでは、他のミスがないとは断言できない。一方、案1の全戻しでは、別の影響が発生してしまう。案3にすべきである。案3で戻すプログラムは今すぐ動かさないといけない案件ではない。戻し作業の手順が少し多いが、事前に準備していたマクロもあり、実績もある。作業ミスの危険性は低い」と論理的な説明であった。さらに、矢野の冷静な表情は説得力があった。

 

 田畑が決断しようとしたとき、自宅にいる渋谷課長から電話がかかってきた。「なに、モタモタしてるんだ!原因究明なんて後回しでいい。全戻しで、早くシステムを稼働させるんだ!」早口でまくしたてていた。冷静さを失っている声だった。田畑は「課長、待ってください!全戻しだと、法令対応など必要な機能が動かせなくなり、別の影響が出るんです」と切り返し、3つの案を丁寧に説明しはじめた。

 

 隣でやり取りを聞いていた秋田は機転を利かせ、スピーカーフォンでずっと通話中になっている武藤へ田畑の窮状を報告した。

 武藤は瞬時に判断し、秋田に「田畑へ伝えてほしい。渋谷課長への説明は俺がやる。絶対にOKもらうから、お前たちは案3の準備を進めておいてくれ」と指示をだした。秋田はすぐに田畑のところへ行き、大きな声で「田畑さん、至急です!すみません!」と、受話器の先の渋谷課長へ聞こえるように話した。田畑へ武藤からの伝言を伝え、渋谷課長の電話を武藤へ回した。

 

 田畑はメンバー全員をホワイトボードの前へ招集した。復旧方針を説明し、役割分担を再編した。①プログラム戻しチーム、②システム稼働の準備チーム、③本番確認チーム、④情報整理チーム、⑤原因究明チームの5つへ分け、各々の作業に取り掛からせた。

 時間は午前4時30分。タイムリミットまであと30分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ