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恋愛ネット小説

『少女の美と清純と繊細は、冷酷な大介の胸をも甘く痛ませるほどに完璧、美貌で知られる七海をも妬ませるほどに完全だった』


 どんなもんだい。この超絶美少女に悶々としない男がいるかってんだ。 そうだよ、いないだろ。これをブログに投稿して作業終了、さて飯でも食うか。


 俺は西園寺猿田彦、本名だ。ハンドルネームのペカリってふざけたネームでネット小説を書いてる。見たこと無いって? ふん、これから嫌というほど目にするだろうよ。


 本が売れなくなって活字離れと騒がれたと思ったら、ケータイ小説やらネット小説が盛んになってきた。活字離れじゃなかったんだよ。本が高すぎたってことなんだ。もっと言うなら、皆の興味が分化してしまったってことだな。年代、性別、あらゆる区別・階層で興味の指向が細かくなったんだ。大量消費、大量配信時代は終わったんだよ。


 これからの時代はね、個々人の個別の欲求に応えるのがマイブームなんだ。えっ! なにっ? マイブームの使い方がおかしいって、うっ、そんなことわかってらい。言葉は生き物なんだ、生きてるってことは変化するってことなんだ。ここにある卵をだな、親鳥が温めていれば雛が生まれる。温泉で温めりゃ温泉タマゴだ。ところがだ、阿蘇の噴火口に投げ入れたらゴジラができるってわけだ、わかったかこの野郎。


 で、俺の書いてるのは16歳から20歳向けの恋愛物。登場するのは美少女と金持ちの俺様男子とのベタ恋話にロリをふりかけたんだ。しょうがないだろ需要があるんだから。別に俺が美少女趣味ってわけじゃねえよ。ついでにロリコンでもないし。あー、実際に在り得ないからせめて読む小説の世界だけでも夢を見たい、味わいたいって妄想の手助けをしてるだけだよ。マンガにまかせりゃいいじゃねえかって? わかってねえな。絵に描いたらだめなんだよ。美少女つうても好みは十人十色、千差万別、万葉集は百人一首ときたもんだ。文字ならいいんだ、想像は読者のテリトリーだ。作者は踏み込めねえんだよ。えっ、俺の好みは何かって? そうだな。俺はコンニャクだな、うーん、大根もいいかも。……俺はオカマだあー。


 俺達はおでんの鍋をつついて語り合っていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 正直今風のつくりで進んでると思うがおじさんにはついていけない。
2009/02/23 00:53 退会済み
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