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Enemycircular(エネミーサーキュラー)  作者: Coボレッタ
黒い萌芽と執行者
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第5話 過去と日常

琉輝の過去を振り返って、衝撃のラストで〆ます。

「・・・・・やっぱすげえな。」


覚吏さとりが経営する、『サトリ総警インダクション』。

正式には、覚吏さとりの母親である警視総監夫人にして葛飾区長。さらには教育学者にして厚生労働大臣の雛沢千尋ひなざわちひろが経営する『私立雛沢警察学校附属大学』。通称『雛沢警専』に設営している。その敷地の広さは葛飾区の1/3を占めるという。

 その中でも、覚吏さとりが経営する『サトリ総警インダクション』は、何でも雛沢警専の1/5の建造費が掛かったという。


 「頭おかしいわ・・・・あの家族。」


『サトリ総警』は高級マンションと見紛うばかりの佇まいに、きちんと機能的な構造になっている。もちろん、訓練室にも使われるのも当然のように。

—そのなかであの楽園がひっそりと建てられていたという。

そんな中、オレがそこに入るようになった4年前・・・・







「あらー!リュウちゃん久しぶりー!ε=ε=(ノ≧∇≦)ノどう?うちの學校トコは?」


 やっぱり血は争えないんだなって。そう思った。


「ええ・・・まあ。それなりには。」

「良かった~!!。゜ヽ(゜´Д`)ノ゜。最近大したのこないから、《《あの人》》から連絡もらって・・・『もしもし、君か。もうすぐウチの倅をよこすから、しっかりと苛め抜いてくれ。【ええ!?急に何を考えてんですかぁ!?リュウちゃんをウチんとこにぃ!?】大丈夫だ。そんなヤワなタマじゃないからな。しっかりと頑張ってくれ。【・・・分かりました。貴方の息子さんを鍛えぬいてあげましょう。】助かるよ。じゃあ、またどこかで。』・・・って言われた時はどうしようかと思って1分ぐらい震えてたのぉ((( ;゜ Д ゜)))。」


たった1分かよ。


「でも大丈夫だった?入学試験。」


「・・・・・わざわざ学長のほうから話して来るんですね。」


「ええ。合格には合格だけど、しばらく覚吏あのこのとこには預けられないわ。」


「・・・・・・」


「筆記試験は問題ないわ。でも実技試験ではどうかと思ったわ。だって全部本気で取り掛かるのはルール違反じゃないにしてもマナー違反よ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「警察の仕事は犯罪者を検挙すること。正当防衛ならまだしも、そちらから一方的に取り押さえるのは犯罪者と変わりないわ。」


「・・・・・・・すいませんでした。」


実技試験の内容は模擬戦。内容はお互いが特異班ギルドで、相手が異能犯罪者モンスターと仮定したもの。


オレはその事を聞かされ、唐突な怒りと戦いの興奮から・・・・・・


—相手を完封して勝利を掴み取った。

四肢をスライムで縛り、そのままマウントを取り、『相手に何もさせぬまま』勝った。開始宣言の後すぐさま。


「過去に何があったかなんて私は知らないけどあれはドン引きね。フェアじゃないもの。ユーモアってのがないのかしら。」


「ですが、相手は異能犯罪者モンスターですよ!?犯罪者に対してフェアってのは、相手に手札を相手を与えるものですよ!?それならば、被害が出る前に鎮圧するほうが・・・・・!」


「・・・確かに、君の言う事は正しいわ。これが現場なら被害が出る前に抑えるのは至極当然のことね。—でも、アレは《《模擬戦》》よ?相手の能力スキルを見ることで、それをどう伸ばすかなんて、あなたにも分かるでしょう?」


「・・・・・!」


 —言い返せない。これが《《現場》》なら、それでいいのかもしれない。でも、アレは《《テスト》》だ。自分の実力の見せ場でもある。それを一方的に抑えるのは—


「オレが・・・・活躍の機会を・・・・・奪った・・・・」


「幸い、彼女は合格したわ。そして、今年から本格的に現場での勤務になるわ。・・・・・まあ気を病むことはないけど・・・・・今後もこういう問題行為が見られるようなら、最悪、あなたの退学処分も考えなければならないわ。」


―退学。その言葉が、どれだけ自分のしたことが身に染みてくるかが分かる。


「・・・・覚吏さとりに・・・合わせてくれませんか?」


「・・・・・・まあ、預けるのは無理だけど、合わせないとは言ってないからね。いいわ。ついてきて。」


そのまま、オレは千尋ちひろさんについていく。そして・・・・・・


「もしもーし、覚吏さとりさーん?入りますよー?」


「はーい・・・・って、ええ!?ママ!?なんでママがここに!?」


これ以上どうしようもなくだらしない、国のトップを担うものとその令嬢のやりとりは、脱力感を昇華して無力感すら感じさせた。


「つべこべ言ってないでお邪魔しまーす!」


「((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアアまだ整理整頓も済んでないのに勝手に乙女の部屋に入るなやmyスイートマミー!!!!!」


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

  。



—馬鹿じゃねえの!?!?!?!?!?!?!?

 何このスーパー庶民的IQフリーフォールなコール&レスポンス!?

 イメージの落差で空気温度がヘブンオアヘルだよたわけ!!

 これが上級国民の生活スタイルかよおおおおおおおおお!!!!!!!!!


「うるさいリュウ!!!!!!わたしは今パニック状態ワニワニなんだよ!お前の考えることなんてお見通しだからガンガン頭に響いてイタイイタイなんだよ!分かる!?乙女のプライバシーを破壊したママも同罪だよすっとこどっこい!」


「「意味不明だわ!」」









—そう。こっからオレの馬鹿馬鹿しい生活は始まった。

下された謹慎処分も、実際は軟禁同然の扱い。

まあそのために用意されたのが今オレ達が過ごしているトコだが・・・・

まあ時々覚吏さとりが遊びに来てくれる。


「・・・・覚吏さとりには、ずっと助けられてるな。」


なんて黄昏てる場合ではない。


「さあ、アイツらのリクエストに応えるとするか!」


今日もオレは敷地内を立つ。


「スーパーの割引きが待ってるぜ!」

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