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Enemycircular(エネミーサーキュラー)  作者: Coボレッタ
真実の花 紳
25/28

第21話 本当の記憶

はい、一周年を迎えましたCoボレッタです。

遂に一周年ですか。おめでたいですね!

それではこれからもよろしくお願いいたします。

金色の悪魔の降臨に、周囲は大いに沸いた。


「おお・・・お待ちしていました!アスタロト様!!!」

「―――遂に覚醒し(めざめ)ましたね、サタナキア。」

「ああ。ルシファー様の再臨だ。オレ達はついにやり遂げたぞ。」

「・・・お前たちは何を言っているんだ。アスタロト様はアスタロト様だ。ルシファーなんて聞いたこともない。」

「―――まあ、そうでしたか、ウフフ…」

「な、何がおかしい。」

「まあみりゃあ分かるぜ。あれがどういうものかを。」


そういうと壁の向こう側にいる3人の人影は、訓練室に目線を合わせ、事の顛末を見守る事とした。


「・・・さてネビロスよ。」

「はっ、はい!」


天井近くまで浮かび上がるルシファーは、自分を仰ぎ見るネビロスを見下しこう言った。


「妾はたった今この世界に降臨したが故に情勢にはてんで疎い。万物の霊魂(アルマ)を使役するネクロマンサーたるお前ならば、妾にこれまでの事象を語ることが出来よう。」

「はい。主の意思とあらば喜んで。」


そう言った後ネビロスはその口を開き、過去現在の出来事をルシファーに説いた。

多くの歴史や異能の世界となった地球の話や、常人が知りえない機密情報などもルシファーに全て話した。


「なるほど・・・妾がいない間に、その様な事ばかり起きていたのだな。」

「お気に召しませんでしたか?」

「否。これほどまでに混沌に引き込めそうな事象ばかり起きていたのだ。妾が後数世紀ほど早く顕現を成していたのならば、今頃この星は地獄そのものとなっていたであろう。それを為しえず、世界そのものを巻き込んだ大戦争が既に起きているのならば、今再び妾が直接的に手を下すとしよう。」

「と、言いますと?」

「早い話、この星に住む全生命を使った遊戯(ゲーム)をしたいと思う。生き残った人間、フェアリー問わず、妾が主催するバトルロワイアルを執り行うのだ。」

「す、素晴らしいご提案でございます!!流石は我等が主でございます!!!」


ネビロスは血の気が引いた表情でルシファーを崇め讃える。

だが―――


「―――見え透いた猿芝居は楽しいか?ネビロスよ。」

「!?」


ルシファーがそう言い放つと、ネビロスの表情は凍てつき、その場で釘付けになった。


「妾は知っておるぞ?汝らがアスタロトとかいう妖精を、稲志田奈々という人間として偽造したことを。


―――そして、その為に手を貸した愚か者の存在もな。」


そう言うと、ルシファーがガラス越しに見ていたサルガタナスを認識し、サルガタナスも状況を理解したのか、パニック状態に陥った。


「ど・・・どういうことだお前たち・・・?何故今まで私に隠してきたのだ・・・」


そうアガリアレプトとサタナキアに尋ねると、彼らはこう返した。


「だからあの時こう言ったではありませんか。『―――何故意識を与えようとするのです?』って。」

「お前が余計なことをしなければ、ルシファー様もこの現世に顕れることなくアスタロトとして在れたというのに。」

「で、では・・・わ、私が悪いのか・・・?私が、ネビロス様の偉大な計画を破壊してしまったというのか・・・?」


そう言い頭を抱えるサルガタナスに対し、二人は淡々と対話し続ける。


「とは言え、ルシファー様が顕現するのは、本当に天文学的な確率でしたがね。」

「前提として、アスタロトという上位存在に、人間の意識と外殻を被せることで、顕現座標としての役割は果たせるんだが・・・」

「問題は、金星との星辰座標が合致しなくては、ルシファー様は顕現出来ないという条件がありましたが・・・」

「奇跡的に、その条件はクリア。こうして殻を破り、現世に顕現出来たというわけだ。」

「この事に関してですが、ネビロス様は我らの上位種たる大妖精(オーベロン)で在られます故に、このような状況で在られてお労しいと愁傷の意を示すのですが、貴方であればその必要もありません。」

「ま、ざっくりいうとお疲れ様。わざわざオレらが顕現のために手を下す必要もなくなった。それも全部、アスタロトに人間と同じ肉体を与え、人間と同じ知能を付け加えたお前のおかげだ。


―――ありがとさん。主君殺し。」


そうサタナキアが見下すように言葉を吐き捨てる。


「わ・・・わたしが・・・アスタロト様を殺した・・・アスタロト様を・・・あすたろとさまを・・・」


サルガタナスはその場で膝を付き、天を仰ぎ涙を流した。


「あ―――あははははははははははははははははははははははははははははははははは わたしが・・・ わたしがわるいんだ わたしがぜんぶわるいんだ わたしがころした わたしがころしちゃった わたしがあすたろとさまをころしちゃったんだ あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」


その場で壊れたように高笑いし始めたサルガタナス。

その瞳には光がなく、眼球も陽炎のように揺らめき動くばかりだった。


「あすたろとさまごめんなさい あすたろとさまごめんなさい あすたろとさまごめんなさい ねびろすさまごめんなさい ねびろすさまねびろすさまねびろすさまねびろすさま 


―――あすたろとさまってだれだっけ。 


―――ねびろすさまってだれだっけ。


 ここはどこ わたしはだれ わたしってなんだっけ あなたたちはだれなの なにがあるの なにもないよ ここにはなにもないよ わからないわからないわからないわからないわからない かわいい かわいい ■■■はこんなにかわいいよ ■■■がこんなにないてるよ 


だれもいないの? 


だれもみてくれないの?


いやだよお 


こわいよお


さむいよお


えーん えーん


■■■■■■■■■■■■■■■」


そのままサルガタナス『だった』ものは、微笑みの表情を浮かばせたまま微動だにしなくなった。


「 【聞こえるか、アガリアレプト。サタナキア。】 」

「「はっ。」」

「 【それは完全に使い物にならなくなってしまったようだな?】 」


ルシファーがテレパシーで2人に語りかける。


「はい。サルガタナスは精神に異常をきたし破綻しました。」

「まあ、アイツもそれなりに限界そうだったんで、ちょいと揺さぶったら壊れてしまいましたよ。」

「 【ふむ・・・】 」

「いかがしますか?」

「 【捨て置け。()()()出来るならばそれに越したことはない。判断はうぬらに任せる。】 」

「「はっ!!」」


二人は、サルガタナスを抱え、どこかに消えていった。


「さて、ネビロスよ。ぬしの方は・・・」


その表情は、固まっていた。

されども絶望の表情は見せず、反旗を翻す策があるかのように、希望の表情が浮かんでいた。


「―――良い。下がれ。」


微笑みを浮かべ、ネビロスに退室を促した。


「・・・はっ。」


その言葉に素直に従うネビロス。

それはあまりにもあっさりとしたものだった。


「さぁ~て、二人っきりだなぁ。ルシファー。」


そう言い、鋼の玉座に腰掛けていたサマエルは口を開いた。

表情は生気に溢れ、闘志を燃やす瞳。

今か今かと待ちわびた表情でルシファーを睨み付ける。


「―――サマエル。火星の守護者にして、その大いなる天敵(アーク・エネミ-)。荒神と畏れられし闘争の狂神よ。汝はどのような理を持ってこの世界に降りた。」

「それはこっちのセリフだぜぇ、ルシファーサマ?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()大いなる天敵(アーク・エネミー)が物理世界に降りるなんて、滅多にないことだからなぁ?」


そう言い合うと、しばらくは無言を通した二つの超越者達。


ルシファーは物色をするように。

サマエルは逸る気持ちを抑えるように。


時間の概念すら吹き飛ぶような瞬間がそこにあった。


「ところで・・・」

「ん?どした?」

「あの虫けらはなんだ。なぜ跪いたまま表を向こうとしない?」


ルシファーが指差したのは、絶望に打ちひしがれたままの琉輝の姿だった。


「虫けらは止めろよ、ルシファー。あんなんでも俺らの仲間なんだぜぇい?」

「・・・どういうことだ。」


そう言うルシファーに対し、サマエルは何かを探知したかのようにこう告げる。


「―――お喋りをしてる暇があったら、さっさとぶちのめせってことよ。」


ルシファーも何かを察したのか、彼の言葉に乗っかる。


「―――そうだな。早急に事を済ませよう。」


そう言って足を降ろしたルシファーは、激しい亀裂が入ったガラスの前に立つ。


「これはまた激しくしたものだな、サマエル。それほどまで昂っておったのか?」

「フン、腹減ってたんでな。なめた口訊いてくるもんだから、ついムカついてドカーン!!!ってな。」


腕を押し出すジェスチャーをするサマエル。

それを憐れむように、ルシファーはガラスに手を当てる。


「ならば、これ程破壊してもらわなくては、妾と死合うに値せんぞ?軍神。」


その瞬間、亀裂の入った巨大なガラスは、ルシファーが手に触れてる部分から瞬く間に塵芥と化した。

まるで砂で作ったお城が、一瞬で崩れるように。

或いは、砂時計の砂が、下に落ちて積もるように。


ともかく。

その様子は、分子レベルで崩れ去ってしまったとしか形容出来ない現象だった。


「―――わぁお。おっそろしい能力(スキル)だぁ。」

「何を言っておるか。これは妾の幼体である稲志田奈々が持つ塵芥崩壊(ナノ・マンティング)だ。」

「あえ?あいつそんな凶悪な能力(スキル)持ってたの?」


ルシファーがそう言うと、サマエルは啞然とするが、ルシファーはきちんと答える。


「奴は自身の強力なスペックに追い付けず、本来ならば()()()()()()()()()()()()()()能力を、()()()()()()()()()()()()能力に作り変えたわけだ。」

「それでも結構強そうに感じるけどなー。」

「繊維状だとどうしても限界というものがあり、最大域が限られるが、塵芥の領域にまで到達するとなれば話は別だ。」

「確かに。一見すると細かいとこだけど、形が決まってると応用の幅が限られる。けど、極めて最小限の変質だと、応用もかなり効くからなぁ。」


サマエルが納得したところで、ルシファーは跪いている琉輝を見下すように立つ。


「さて・・・どうする?人の子よ。」

「―――――――――。」

「・・・沈黙、か。」


言葉が出ず、その場で固まる琉輝。

そんな彼にため息をつくルシファーだったが、何かを思い付いたのか、彼女が指を鳴らす。

次の瞬間、塵になったガラスがルシファーの周辺に漂い始めた。


「それならば、それ相応の対応をしなくてはならないなぁ。」


塵となったガラスが一瞬にして形を成す。

それは斜め四方向に返しの付いた杭のような何かだった。


「―――せいぜい死んでくれるなよ?」


笑みを浮かべた。

その笑みには狂気が漏れ出ていた。

そして浮かぶ四つの杭は、跪いている琉輝の手足に勢い良く刺さり込んだ。


「ぐぅ、うああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」


苦悶の声を漏らす琉輝。

もがけばもがくほど、その杭は肉に食い込み、激しい苦痛を一方的に与えた。


「さて、話す気にはなったか?」

「ぐ、ああああああああああああああああ!!!!!」

「――――――。」


そうした後、ルシファーは琉輝の腹を勢い良く蹴る。


「―――ゴハァッッッ・・・!!!」

「申してみよ、人間。虚ろに囚われず、誠意を持って応じよ。」


そう言った後、ルシファーは何度も何度も腹を蹴り続ける。

衝撃で血反吐を吐出し、手足の杭もまた、激しく食い込む。


「―――ガァッ、ゴホッゴホッ・・・グハァ!!」


その口からは何度も血反吐を繰り返し、その度に蹴られ続けるという拷問のループが続いた。


「遊んでいるんじゃねーよルシファー!!!さっさとねんねさせてやれぇ!!」

「―――戯けが。この者には聞きたいことがあるんでな。そう易々と逝かせる訳なかろう。」


思わず怒号を上げたサマエルを、一睨みで沈黙させるルシファー。

そうして幾度も蹴られ続け、琉輝はその口元をついに開き始める。


「い・・・稲志田・・・もう、止めてくれ・・・―――ゴホッゴホッ!!」

「ほう、遂にその口を開いたか。使い古された雑巾のように哀れなものだな、人間。」


彼の声に反応して、蹴り止めたルシファー。

それに応じて杭もまた塵に戻り、彼の身体はその場で横たわった。

琉輝は最後まで彼女を稲志田奈々と思っているのだろうか。

しかし、ルシファーはそんな希望すら消し潰すかのように追い打ちをかけ、横たわっている琉輝の首元を掴み。


「!?―――うぁっ!」


一瞬で天井近くまで浮かび上がった。


「う―――グ、グァァ・・・」

「稲志田奈々はそもそも存在しない。在たとしても、それはよく似ているだけの別人だ。ここにいるのは、悪魔ルシファー。明けの明星と謳われし、古の魔王だ。」

「そ・・・そんな、ことは・・・ゥァァ・・・」


最後まで諦めないといった表情で見つめる琉輝。

ルシファーと言われても、彼女は稲志田奈々だと言わんばかりに見つめる。

それでもなお、首元が激しく締め付けられてるという事実には抗えず、今も視界の色が消えていく一方だった。


「―――往生際が悪いことだ。せめて安らかに逝かせてやるとしよう。」


そう言うと。

ルシファーは琉輝の顔に手を置き、鷲掴みにしたところで、その手からガスを放出する。


「―――ッッッッッッ!!!!!!!!!!」


必死にもがく琉輝。

掴まれている腕を剥がそうとあがくが、それが鉄のように固いものと知り、抵抗を諦めた。


『オレは・・・こんな・・・ところ・・・で・・・・』


やがて腕がだらりと下がり、肌からも熱が抜けていく。


―――死んだのだ。

壱原琉輝は、死んでしまったのだ。


「・・・つまらん男だな。」


そう呟いた後、彼女はその亡骸を思い切り投げつけた。


―――激しい音とともに、その亡骸は壁に投げ捨てられた。

身体は血で滲み、あらゆるところがねじ曲がっている。

岩盤のようになった壁は、打ち付けられた衝撃で出来たもの。

これほど凄惨な最期を迎えたものは、他にもきっといないだろう。






* = * = * = * = * = * = * = *



気が付いたらオレは、また真っ暗な空間にいた。


―――そう。また『深淵』である。

ただし、唯一違うところを挙げるとするならば―――


「おはよう、リューキ。いい夢見れた?」


この男・・・か女かよくわからない存在―――八十神磊徒が目の前にいることである。


「・・・なんでお前がいるんだよ。」

「いやあ。俺・・・じゃなかった。僕がここにいるのは、ある意味必然見たいな感じさ!いわば実家のような安心感っていうか?むしろここが実家っていうか?」

「心持つものの終着点みたいな場所が実家ぁ?」

「そう。天国でも地獄でもないこんな場所が実家さ!」

「まー要約すると、オレはまた死の淵にいて、お前がお迎えってこと?」

「半分正解で半分は不正解って感じかな?」

「じゃあなんだぁ?今度は本当に死んでしまったのかぁ!?」

「うん^^」

「この鬼畜が。人が死んでなんで笑顔でいられんだよ。」

「まーこれ以上は限界っぽいし、有り体に言わせてもらうね!」


何が限界なのかはっきり言えよ。


「ズバリ!君の母親はどうやって殺された!?」

「なんでそんなこと言わなきゃなんないんだよ^^#」

「(# ゜Д゜)いいから言えよ!!!」

「ハァー…しょうがねえなぁ。えーっと、確かよく分からない連中に殺されて。」

「うんうん。」

「んで、当時のオレが偶然に居合わせた。」

「ほうほう。」

「・・・終わり。」

「はい、ありがとう!!!これで本当の記憶を取り戻したね!!」

「記憶・・・?」

「君はあの時サルガタナス達と出くわして、記憶を改竄されてたんだけど、どうやら戻ったみたいだね!!」

「・・・マジで!?」


とんでもないカミングアウトだったな。

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