第20話 生命が交わる時 後編
どうもCoボレッタです。
Twitter1周年というめでたい節目に投稿させて頂きます。
それでは今後もどうぞよろしくお願いいたします。
「…………」
黒髪の女性が目を覚ます。
「ここは…?」
周りを見渡し、異様な風景を流しながら、正面のガラスにいる男を睨んだ。
「あの男は…ッ!」
男を睨みながら、女はガラス越しに恨みつらみを吐き出した。
「貴様!!急にいなくなったかと思えばその様な所で高みの見物か!!貴様らしい卑しさだな、壱原琉輝!!!」
向こう側には声すら届かず、女は罵詈雑言を並び立てるが、ガラス越しの男にはその声は届きはしない。
ただ、何かを訴えているだけにしか映りはしないのだから。
「幼体に自意識を与えた貴方の責任ですよ、サルガタナス。」
「これもお嬢様が望んだ事。仮の意識を与え、その意識を通じて外界を見聞するという意思を汲んだまま。私に責はないぞ、アガリアレプト。」
「いえいえ。私の主が覚醒するまでの間に、余計な情報が紛れては困りますので。・・・サタナキア。あの方の到着はまだでしょうか?」
「待ってろアガリアレプト、幼体の魂が中継先になってるんだ。アレは信号を捉え次第、次元の狭間だろうがすぐに辿り着くさ。時間差なんてお構いなしにな。」
「・・・まったく。お前たちは何を考えているのかさっぱりだ。精神も造られたものばかりで、改竄のしようがない。」
「所詮貴方と我々では格が違うのです。自然発生した妖精と、星の意思として造られた妖精ではね。」
「―――そんなことはどうでもいい。今は幼体の処理が先のはずだ。」
「ええ。彼に正気を失わせ、お嬢様をお迎えする。その為に、あの方をお呼びしているのですから。」
「おい、アガリアレプト。奴が来たぞ。」
「さっきから奴って誰だ。」
「いずれ分かりますわ。」
そして、しばらくもせず、空間に亀裂が入った。
割れたヒビから、邪悪な気配が流れて来るのが分かるだろう。
「―――素敵な招待状を受け取って参上いたしましたァ!今日の会場はここかぁい!?」
「騒ぐことはしないでいただきたい、サマエル殿。」
「わぁーってるよネビロス。せっかくの機会なんだァ、派手にやろうじゃねえか!!」
その声が聞こえてすぐに、二人の男がヒビを割って入り込むだろう。
「お邪魔するぜぇ!サマエルinパンデモニウム!!」
「違いますよサマエル殿。ここは研究所です。」
「どっちでもいいじゃねえかよぉネビロス主任!VIPが来てるんだ、盛大にもてなせやオイ!!」
そう言って現れたのは、黒い外套に身を包んだ瘦せ型の男と、赤い鎧のような衣服を身に付け、立派な髭を蓄えたガタイのいい金髪の青年だ。
「なんだ貴様らは!それに、一体ここはどこなんだ!!」
「おや・・・幼体の意識が発現しているようですね。差し詰め、最終段階に入った所でしょうか。」
「あー…ところでネビロスよぉ。」
「はい。なんでしょうかサマエル殿。」
「オレァ今腹減ってよぉ。さっき気に食わねぇ国ィ火の海にしちまったからマナ不足なんだよぉ。」
「ですので、幼体を喰わせろと?」
「さっすがぁ、ベルゼブブのように話しがわっかるぅ~☆!」
「・・・・・」
「なぁに黙り込んでんのぉ?このオレ様にステイプレイをしてろってわけぇ?」
「いえ、問題はありませんが、せめて幼体のDNAの採取くらいはしておきたいと思いましてね。」
そういうと、外套の男の胸元のトランシーバーから音声が流れる。
『問題ありません、ネビロス様。既に幼体のDNAは採取済み。後は廃棄のみです。』
「おや、手際がよろしいですねサルガタナス。やはり貴方は信頼に足りうる人材です。」
『ありがとうございます、ネビロス様。では、計画の実行の合図は・・・』
「そのことについてですが、私はサマエル殿に任せようと思います。」
『一体何故でしょうか?』
「エリクサーの作用で、精神攻撃にも耐性が出来る事が判明したので、ちょっと都合が悪くなりました。」
『だから、直接的に手を掛けさせると…』
「事前に話しを通していますので、後はパーツを手に入れるだけです。」
『・・・分かりました。では。』
通信は切れ、サマエルが今か今かとばかりに口から火の粉を吹き出している。
「そろそろかぁ…?もう空腹でイラつきそうなんだがァ…?」
「お待たせいたしました。では存分にご堪能下さい。」
「―――ハッハー!!待ちわびたぜぇ、ご馳走ちゃんよぉ!!!」
そう言い、男は女性の前に立ちはだかる。
男は衣服から熱気を放ち、その眼は興奮のあまりか真紅に染まる。
その口から漏れ出る炎は、やがてその身を包み込むだろう。
「さっきから訳の分からないことばかりで、舐められたもんだな…!」
「そりゃあぁそうだろうなぁ。何でかっつたら―――」
刹那、男は炎に包まれる。
そこから現れた獣の腕は、女性の身体をガラスに叩き付けた。
激しく亀裂が走り、反対側の青年にまでその衝撃が届く。
「―――ッッッ!!!」
激しい衝撃は、きっと身体をズタズタにするだろうと思わせるような雰囲気を纏っていた。
気付けば、足元に破片が溶け落ちて転がっている。
人が焦げているような臭いを破片から拾うだろう。何故なら―――
「今から、竜の供物となるんだからなぁ!!!雑魚種が!!!」
金色の髭を蓄えてた男はそこにはおらずーーー
赤い鎧の如き衣服は、文字通りその身を鋼鉄で包み、火の粉はそこから舞い踊る。
爬虫類を思わせるような厳かな顔に、大きく肥大し肉食獣を連想させるような手と爪。
蝙蝠のような大きな翼に、蜥蜴のように太く長い尻尾。
―――一纏めに今の彼を表現するならば、『竜』そのものという感想がしっくりくるだろう。
伝承などで広く知られる仮想上の生物であるドラゴンが、今目の前に存在している。
人の形を取りながらも、竜であると認識されるくらい強大な存在が、ここにいるのだ。
「さあて、ちょい焦げちまったが…」
女性は叩き付けられた瞬間、その命を失っている。
肌がチリチリと焦がされ、焦げた人間特有の異臭が漂うことだろう。
その男―――サマエルは女の首元に爪を当て―――
「―――これでいいだろう?ネビロスの旦那様?」
その爪で首を胴を分断し、転がった頭をネビロスに手渡した。
「・・・ええ。これで計画は終了です。後はご自由に。」
「んじゃあお言葉に甘えて・・・」
胴体を鷲掴みにしたまま、サルガタナス達とは逆方向にその顔を向け―――
「火力を抑えて・・・!」
その口から、熱光線を放射した。
たちまち光線が当たった箇所は、光り輝いた後に溶け落ちる。
「なんて火力だ…」
「直射光線でも、ゆうに10万℃はあるんじゃないかぁ!?」
「幸いにも火力を抑えているからか、周辺温度は80℃程度で収まってますね。」
光線が壁を溶かした後には、椅子らしきものがあった。
器用に光線の熱量を調整していたのだろうか。
「これでよし・・・!」
そのまま椅子に向かって飛び立ち、胴体を傍らに置いた。
「んじゃあ文字通り高みの見物としゃれこみますかねぇ!!」
そう高らかに発言した後、四肢を捥いで食べ始めた。
「あぁ^~生き返るゥ~…」
右腕を噛り付くように貪る赤き竜人。
その様はまさに、異様な光景としか形容するしかないだろう。
「あ…あぁァァァァァ……」
何故なら、その場に居合わせた青年がショックのあまり―――
髪色は青から赤へと変色し、恐怖のあまり跪き、絶望で押し潰されているからだ。
「―――おやおや、彼がトラウマを負ってしまったようです。確かこれで2度目だったでしょうか。」
そうネビロスが呟くと。
『いいえ、これで4度目です。―――存在しないはずの妹。―――あの母体の確保時に居合わせた事。―――お節介で助けたはずが、結果的に虐殺を引き起こした事に対しての自責の念。それを合わせて4度目のトラウマ体験です。』
そうサルガタナスは言った。
「おや・・・それは実に可哀想ですね。彼は心にトラウマを負ってまともに生活は出来るのでしょうか。」
『少なくとも、まともな人間ならば、寿命は半年といったところですかね。能力の代償と、トラウマによるストレスによって寿命が縮むはずだと、ブエルのカルテにて証明されました。』
「確かにストレスで寿命が縮むのは医学的にも照明されていることですからね。」
『しかし、ストレスで強さを得るのも心理学でも証明されています。』
「過度な強さは時に身を滅ぼす事もあるでしょう。しかし、それはあくまでも人間での話しですがね。」
そんな話を聞いていたか否か、いつの間にか胴体をほとんど食べ尽くしてたサマエルが上から口を出す。
「まぁー…向こう側にいる奴の事を言ってるなら割り込んでしまっても構わないだろぉ?」
「・・・と、いうと?」
「―――アイツはオレとその首の中身・・・っとと、余計な事まで言いそうになっちまったぜ、失敬失敬。」
「貴方が口を滑りそうになると言ったことは、やはり何かあるのですね。」
「確かにすっげー気持ち良くなったのは認めるぜぇ、うん。マナが満ちているのがわかるしぃ。でもぉ、味や食感はビーフジャーキーやビーフステーキの方が100倍くらいはマシなんだよなぁ。」
『(・・・何故ビーフジャーキーを比較例に挙げたのだろう。)』
「まあざっくりいうと、オレらの仲間さ。切っても切れない腐れ縁みたいなもんだよ。」
そう言って食べ終わった骨を落としたサマエルは、人の姿を取った。
「―――てかもういいわけ?もうすぐ覚醒するんじゃない?」
そう言った直後、女性の頭は急激に膨張を始めた。
『こ、これは・・・!?』
「―――いよいよですか。」
ネビロスは膨らみ続ける頭を思い切り上に投げた。
「―――持ち上げなさい!アリエル!!」
そう言うと、ネビロスの外套から飛び出した小さな精霊らしきものが頭を天井まで浮かび上げた。
よく見ると風圧らしきものが確認出来るため、恐らくはそれで持ち上げているのだろう。
「これは・・・風の精霊か?」
「流石はサマエル殿、見事な慧眼にて。ええ、彼女はシルフのアリエルです。かわいいでしょう?」
そう言うとアリエルは、ネビロスの長い指に擦り寄り愛情表現を行った。
そして、天井に貼り付け同然となった頭から光が漏れ出す。
「おっ、臨界点にイッたな?」
「ええ。―――間もなく、我等の主が帰還される…!」
―――瞬間。限界まで膨らんだ頭が爆発した。
その時に勢い良く出たガスが、空間内を一瞬にて充満させる。
「―――さあ帰ってこい、ルシファー。」
充満したガスは天井に収縮し、やがて人の形を取り始めた。
そこから現れたのは―――
「―――久しぶりだな、物理世界に帰ってくるのは。」
褐色金髪の長身美女だった。
「―――おかえりなさいませ。我等が主たる【アスタロト】様。」
「ねーねー何勝手に切りのいいところで終わらせてるわけ?」
―――あ、あなたは!?
「どーもー。八十神磊徒でーす。」
―――ライトくんオッスオッス。
「なんか言うべきことがあるんじゃないの?」
―――よければ感想などもよろしくお願いいたします!!
「そーいうことじゃないだろこのとんちんかん!」
―――他に何かゆうことあんの?
「当たり前だ!何をサボってゲームしてたんだ!!」
―――いやあ息抜きって必要じゃない?そんなもんよ。
「何が息抜きだ。さっきまでswitch弄って、F○Oの画面ほったらかしにしといてよくほざくなキミ。」
―――そーいうプライベートは守ってください。
「いやだね!キミの心に住み着いているんだからキミの事を思って厳しく言わせてもらうからな!!あと、こんな茶番を見たくない読者もいるだろうから簡潔に言うと、『次の投稿は遅れるかもしれません。だから読み足りないと思ったらごめんなさい。』だ!!」
―――一人で何をおっしゃってるのでしょうか。
「キミがよく読者に前書きや後書きでよく言ってることを代弁しただけさ。所謂メタ発言ってやつだね。」
―――ああ、○ップーやケ○カみたいな第四の壁を認識しているってやつですか。
「だいたいキミはわずかな時間を見つけて自家発電してるだろ!?僕は良くないと思うなーそれは。」
―――いいじゃないか。別に致しても。
「わずかな時間を見つけて致しているのが問題なんだよ!!今これを書いてる時は流石にしてないけどね!!!あと性癖広すぎるんだよね。そ一言。」
―――おかず事情はどうでもいいでしょ。
「・・・ともかく!!これから満足出来る出来じゃなかったらこうやって割り込んでいくからな!!いいな!?満足のいく出来を書けよ!!」
―――善処します。
「僕知ってるよ。そーいう時は絶対やらないんだよね。」
―――ともかく、これからも―――
「うん。」
―――Enemycircularをよろしくお願いいたします!!
「Enemycircularをよろしくお願いいたします!!」




