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Enemycircular(エネミーサーキュラー)  作者: Coボレッタ
真実の花 紳
22/28

第18話 混沌の館

どうも、Coボレッタと言う仮面ライダーです。

冗談はさておき、ギリギリですが毎月投稿のノルマ達成です。(クッソどうでもいい)

だいぶ拙いところもありますが、暖かい目で見て頂ければ嬉しいです。


異能学術都市・新宿。

1998年に正式決定以降異能学会では目覚ましい発展を迎え、繁華街・歓楽街・オフィス街だけでなく、研究都市としても有名な副都心である。


また人によっては、混沌を呼ぶ街としても有名であり、安定しない治安や事案発生率の高さ。何より、生活文化の乖離など、人によって様々な評価を受けている。


そして―――


「到着しました。」


その新宿中心区。

アホみたいにでかく、建物というには余りにも規格が違い過ぎて「要塞」じみている屋敷に着いた。


「ここが私の家だよ。運転ご苦労様、いっくん。」

「いえいえ、オレなんかのような軟派者がこうして専属運転手に付けてるだけで幸せですよ。」

「いっくん…………」


稲志田が運転手をいっくん呼びするのも、目の前の光景が凄まじくて入って来なかった。


「お嬢様!サタナ……ゲフンゲフン!|田中のような青二才に構うなとあれ程…!」

「まあいいじゃねーかサル…………鳴笠(なるがさ)。オレたち親衛隊がいがみ合っててどうするんだ。だいたいお前は真面目過ぎるんだよ。もうちょっと肩の力抜けって。」

「それもこれもお前やアガリ……トレアがやらかすから私が貴様らの尻拭いをさせられるんだぞ!!貴様らがやらかす度に事後処理をする私の身にもなってみろ…!部下が必死に働いているのに対し、貴様らはのうのうと過ごして…!同じ親衛隊でもこうまで違うと頭痛がしてくる!」

「トレアちゃんの部下はいい仕事するから、一回ブエ先生に診てもらったらぁ?オレからのいいつてで安くしとくよん?」

「貴様は部下すら仕事しないだろうが!!!能天気に生きてればいいと思ってるんじゃないぞ七光りが!!」


オレを迎えに来た鳴笠という青年は、ストレスを発散するかの如く、車を運転していた田中と言う男に容赦なく言葉を浴びせた。


「へぇ…言ってくれるねぇ鳴坊のくせに。七光りってのは聞き捨てならねぇな。よぉし分かった、戦争だ。お嬢様に迷惑掛けない程度に痛めつけてやっからかかってこい!」

「その軽口もどこまで叩けるか見物だな、田中伊徳(たなかいさと)。私はこう見えても貴様より長生きなんだ。年季の違いというのを分からせてやる…!」


まさに一触即発の雰囲気の中、稲志田はお構いなしに間に割り込んだ。


「はいはいストップ!せっかく新人の歓迎会をやるのに、喧嘩してたらノンノンだよ!はい、これでおしまい!持ち場に戻った戻った!!」


「…だってさ、鳴笠。んじゃ、オレはやることがあるんでここいらで失礼。」


そう言って田中と言われた人物らしき男はその場を後にした。


「…すみませんお嬢様、少々取り乱してしまいました。」

「うんうん。サッくんもお仕事があって大変だよね。最近はいろいろ無理ばっかりさせてるけど、無理しないでゆっくり休んでいいんだよ?」

「お言葉に感謝します。そして、この様なことのないように、この鳴笠、誠心誠意勤めさせて頂きます。」

「よし、それじゃ琉輝くん、いこっか。」

「お、おう…」


もはや何がなんだか分からないまま、オレは屋敷の中に入っていく。



―――そして、玄関に入ってから30分くらい経っただろうか。

オレは未だこの要塞の広大さに馴れず、途方に暮れていた。


「なあ稲志田ぁ…」

「なあに琉輝くん?」

「いやなんでそんなピンピンしてられんの。オレはもうリタイア寸前なんだけど。」


気分も顔も真っ青なオレに比べ、稲志田はこの通り笑顔でパッションだ。

自分でも思うことだが、オレ自身何を言っているのかが疲れで分からなくなってきた。

もはやここがどこなのかすら分からなくなるほど疲弊してるのだよ。


「あぁ、最近だらしないなぁ。そんなんじゃ甘いよ琉輝くん。」

「うっせ。こちとら病み上がりなんだよ。」

「背中に裂傷、左腕骨折、本来なら半年間ぐらい掛かる傷を、僅か2週間で完治する不死身の液状人間(リキッド・ヒューマン)様がこのくらいでばててしまうとは情けない。スタミナはどうしたのかね?」

「・・・まあ確かに、オレのスキルは肉体の修復にも特化しているが、決して十全な状態にするものではないことを分かってくれ。」

「ふむふむ。」

「例えば、今オレの右腕が斬り飛ばされたとしよう。当然、肉体を再生するのは容易だ。」

「流石琉輝くん。よっ、不死身のリキッドマン!」


なんだそのあだ名は。


「しかし、その分使用した体内のエネルギー…エネミー因子が生成する魔素(マナ)を大量に消費しなくてはならない。」


マナは、人体で言うところのカロリーやタンパク質等を媒体として消費される。DEMON社の研究で判明したことだ。


「だからこそ人体を再生するには、それ相応のマナを使わなければならない。切除された部位と同等のエネルギーをな。だからこそ、暇さえあれば大食いチャレンジでカロリーを蓄えたり、それに見合うように運動も普通の数十倍以上こなさなければならない。」

「だからこそ、病院でリハビリを行っていたので、こんな感じにバテバテになっているって訳か。」

「そーいうこと。ところでさぁ・・・」

「なぁに?」

「今どこにいるっけ?」

稲志田にとっては今更ながら、しかし初訪問となるオレにとっては重要な質問を問いかけた。

「そうだねぇ…ここは東エリア1階の大広間行きの通路だね。さっき訪れたのは会談室。あそこでこれからの運営方針の対談をするとこだね。んで玄関からちょっとぐらいして見えたのがドレスアップルーム。靴の手入れだったり、外出用の衣服とか取り揃えてあるよ。なんならドレスアップルームはこの屋敷の中に数十部屋もあるんだよ!さらに―――」

あ、ダメだ。聞いてるだけで意識が遠くなってきた。


だんだんと景色がぼやけ、それまで真っ青だった顔の色が、スッと薄くなり消えていった。


「―――まだまだ紹介し足りないとは思うけども取り敢えず大広間まで来たら休んでもいいぞ!…って、琉輝くーん!?!?!?」


「ッ…」


次に目に写ったのは、女性の姿だった。

ふと気が付き、オレはベットに横たわっていたのを認識した。


「まだ起きちゃダメよ。しばらくの間大人しくしてなさい。」


穏やかな口調でオレに話しかけたその女性は、156cmくらいの身体で満身創痍のオレの身体を必死に寝かしつけようとする。


「キミは…誰だ?」

「あっ、申し遅れました。私h…」

「エールるーん!琉輝くんの具合はどーう!?」


扉を勢い良く開けて、稲志田が割って入ってきた。


「お嬢様!あんまり騒がしくしないでください!琉輝さんの容態が悪化したらどうするんですか!」

「ありゃ、そりゃ失敗。」

「大丈夫ですか琉輝さん?お身体の方は?」

「…頭がギンギンする。」

「ギンギン…ですか?」

「あぁ。激しく響いているっていうか、エコーっぽいっていうか…ともかく、普通の頭痛とは違う感じかな。うん。」

「そうですか……」


確かに、騒がしいせいで、頭痛がしたってのもあるかもしれない。

でも。


「…ちょっと、いいかな?」

「はい、なんでしょうか。」

()()()()?」

「何時って?」


オレが気絶したのは理解の範囲内でも、この身体の軋みだけには少しばかり違和感がある。

まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()


「うん、だいたい言いたいことは分かった。」

「お嬢様、何が分かったと言うのでしょうか?」

「エルるん。今、()()?」

「えっと…外では、2()0()3()1()()だった気が…」

「―――待て。2031年?今年は2029年だったはずだぞ。」

「まーここと外じゃ時間の流れが違うこともあるからねー。感覚としては2時間くらいだけど、外では2年経ってるんだよ。」

「―――んな、バカな…そんなイカれた現実なんぞ、オレは信じないからな…!」

「まあ簡単に説明すると…………エルるん後はよろしく。」


おい。


「外見上、歳月の経過による細胞の劣化は発生せず、そのまま外界の時間だけを体感として影響された…ということでしょうか。」

「うん。良く分からない!!」


よし、お手上げだな。


「じゃあ、少し休んでくるから。動けるようになったらエルるんから訓練室の場所聞いといてね!」


そう言って、稲志田は飛び出していった。


「全く、お嬢様は相変わらずですね…」

「なぁ・・・名前・・・(´・ω・`)」

「あ、申し遅れました。私は、ノエル・A・ブリタニアと申します。以後お見知りおきを。琉輝様。」

「よろしく、ノエル。」

「さあ、自己紹介も済んだことですし、ごゆっくりおやすみください。治療はその間に致しますので。」

「お、おう…」


こうして、よく分からないまま、オレは眠りについた。


これから、予想だにしない出来事が待っているとは、今のオレには知る余地もなかった。

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