退魔王シリーズ-聖-
とりあえずアイデアのみ、ちまちま書いてく予定です。
ある晴れた日、俺はたまたま学校をさぼって裏山の秘密の場所で寝転がっていた。
少し視界が広がった小高い場所に、人が3人くらい寝転がれるスペース。
この場所は、ゆっくりするのにちょうどいい。
「あー、やっぱりここにいた!」
現れたのは幼馴染のあかり。誰もが羨みそうなかわいい女の子。
だが、身近すぎて恋愛感情とかはよくわからん。
「よっ」
寝転がったまま、俺は手で挨拶する。
「5限目さぼっていい御身分ですなぁ。おかげでまぁたイシゴリにあそばれた・・・
もう、いいかげん、あんたの幼馴染やめたいわぁ」
隣に座り、うなだれる。
「まぁまぁ、明日、イシゴリんところ行っておこられりゃいいんだろ?
いい加減あきらめりゃいいのにな、あいつ」
「幼馴染ってだけでふーふと遊ばれるこっちのみにもなってほしいわ!」
ばん!ばん、と持ってたカバンでたたかれる。
まぁ、あかりに叩かれるのは慣れてる。
「いーんでない、ほんとにふーふになっちゃえば」
「お、の、れは!」
いつもの冗談で返す。
「まったく、いつも冗談でいうけど、こう見えても私モテるんだからね!」
あかりは怒って帰ってしまった。
まったく、よくわからん。
さて、もうひと眠り、と空を見上げたそのとき、
黒い雲がひと塊、こっちに向かってくる。
それはまるで意志があるかのように空の向こうからこっちに向かってくる。
いや、正確に言えば俺に向かってくる。
「え?」
それは目に入ってからどれくらいの時間だっただろう。
おそらく30秒もなかったと思う。
黒い雲はあっという間に俺を包み込み、そのまま俺は意識を失った。